カテゴリー別アーカイブ: ⑥心理学

分離感について④ 「分離感と生産性」

 分離感を生産性の視点から考えてみよう。結論から言えることは、分離感と生産性は反比例の関係にある。分離感が強まれば強まるほど生産性は低下する。

 2つのチームがあるとする。かたやお互いに反目しており、隠し事とうそ、策略と陰謀、”人の不幸は蜜の味”という感じ方を持ったメンバー同士がお互いに悪意を向け合う中、警戒し、攻撃と防衛、競争に終始しながら共通の目的に向けて仕事をするチーム。

 かたや、お互いに気のおけない仲間であり、深い関心と理解があるので、うそや隠し事は察知されて闇のつけいる隙がなく、今ここで起こっているあらゆることについて深い理解と共感があるので、本当に必要な適切な対応がいつでも取れる体制にある。もし問題が起こったとしても、3人寄れば文殊の知恵が機能しており、話合いによってクリエイティブで最も効果的な解決法に導かれていくチーム。

 そのような2つのチームの生産性を考えた場合。前者が不利であることは誰でもわかる。分離感は、強ければ強いほど生産性を低下させるのだ。(続く)

 

<関連記事>

分離感について①「分離感とは」

分離感について②「分離感の状態」

分離感について③「分離感の状態」その2

分離感について④「分離感と生産性」

分離感について⑤「分離感と施策」

分離感について⑥「分離感と施策」その2

分離感について⑦「分離感は幻想」

分離感について⑧「自然本来の社会性」

分離感について⑨「人と組織の新しい可能性」

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

分離感について③ 「分離感の状態」その2

(引き続き 2.分離感の状態)

②日常生活の状態

 社会的に常識とされている人と人との間の距離感の状態。表立って戦い合っているわけでもなく、かといって、肉親のように親しく感じているわけでもなく、お互いに、社会的な関係を維持できる関係性の状態である。自分と他人の境界線は、比較的はっきりとしており、自分と他人の関係性は、協力関係というよりはむしろ取引関係である。自分対他人を比較的平和的に体験できる場であり、自我の成長の場ともなる。しかし、分離感の反映である疎外感や孤独感は絶えることなく、主要な社会性の特徴の一つとなる。

 

③共感の状態

 他者に強い親しみを感じ、気持ちを分かち合うことができる状態である。もはや、”自”は、”他”と異なるものというよりは、本質的には同じものと感じる。”他人”のいたみは”自分”のいたみであり、”他人”の喜びは”自分”の喜びである。人間関係において、相互の感情や意向など、ノンバーバルの領域について、共感的にはっきりとわかるので、そこには、うそやごまかし、隠し事の入る余地はない。関係の中で起こっている様々なあらゆることが、オープンとなり、受け入れられ、誤解なくありのままに理解される。そのような関係性の中では、隠し事、演技、うそ、ごまかしで自分を演出する必要はまったくない。自分は、他人から、ありのままを受け入れられ、すべてをそのまま愛される。愛されるために自分を変える必要が全く無いのだ。他者に対しても同様であり、自分は他者の中で起こっていることを、客観的にではなく、体験的に理解できる。他者の悲しみを自分の悲しみとして体験し、他者の喜びを自分の喜びとして体験する。そのような体験にケチをつけて、”本来ならばこうあるべきだ”などと説教しようなどとは思いもよらない。そのような体験をそのまま受け入れて誤解なく理解し、そのままを心から愛することができるのだ。このような共感の状態において、人は初めて自分らしさを自由に謳歌し表現することができる。そのような関係性に一体化した自分自身を初めて心から幸せと感じることができるのだ。(続き)

 

<関連記事>

分離感について①「分離感とは」

分離感について②「分離感の状態」

分離感について③「分離感の状態」その2

分離感について④「分離感と生産性」

分離感について⑤「分離感と施策」

分離感について⑥「分離感と施策」その2

分離感について⑦「分離感は幻想」

分離感について⑧「自然本来の社会性」

分離感について⑨「人と組織の新しい可能性」

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

 

分離感について② 「分離感の状態」

 分離感は、境界の性質とその状態の2つの視点から特徴を捉えることが出来る。

1.境界の性質
 自他の境界は、時と場合に応じて変化する。自分と大変親和的で自分が受け入れやすい対象に対しては、境界線は柔軟であいまいになる。例えば、自分の大好きな食べ物は、自分の口の中に受け入れ、ついには自分の体と同化し、自分の一部になる。自分の大好きな人とは”もらい泣き”のような共感が起こり、自他の感情の共鳴と相互理解が起こる。
 逆に、自分と親和しない受け入れづらい対象に対しては、境界線は固くはっきりと浮き上がり、まるで戦争当事国同士の国境線の様に緊張と対立が起こる。

2.分離感の状態

①戦いの状態

 ”他”に対して脅威や反感を感じ、”自”を守ろうとする状態であり、”自分”が、”他”の脅威にさらされて萎縮し弱い犠牲者のように感じる。自他の境界線は厚くなり、固く、高い壁ができた状態となる。個の状態になると、基本的に”他”は、どんな存在であれ、潜在的な敵であり、どんなフレンドリーな装いをしていてもいつかは攻撃に回る信用のならない拒絶すべきよそ者となる。だから、他からの働きかけは、どんなにそれに愛があるように見えようが、それは何かを奪おうとしている操作や攻撃に感じ、あらゆる働きかけにプレッシャーを感じる。結果、人間関係は、競争とサバイバル、戦闘と防衛の関係となる。(続く)

 

<関連記事>

分離感について①「分離感とは」

分離感について②「分離感の状態」

分離感について③「分離感の状態」その2

分離感について④「分離感と生産性」

分離感について⑤「分離感と施策」

分離感について⑥「分離感と施策」その2

分離感について⑦「分離感は幻想」

分離感について⑧「自然本来の社会性」

分離感について⑨「人と組織の新しい可能性」

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

分離感について① 「分離感とは」

 分離感とは、他者と私が分離しているという感覚である。人は、多かれ少なかれ、誰もが分離感を持っている。それがなければ、自分を認識できないからだ。

 「私は、背が高い」と認識するためには、背の低い他人が必要であり、

 「私は、強い」と認識するためには、弱い他人が必要であり、

 「私は、正義である」と認識するためには、悪である他人が必要であり、

 「私は、私である」と認識するためには、私ではない他人が必要である。

 分離感は、寂しさの原点でもあるが、自己認識の原点でもある。さまざまな悲しみの原点でもあるが、個としての成長の原点でもある。ネガティブとポジティブ、裏腹な性格を持つ分離感。やっかいではあるが、絶対に避けるわけにはいかない分離感について、考察を進めていきたい。分離感にはどんな特徴があり、どのようにかかわればいいのか?そんなテーマに挑戦していきたい。

 (続き)

 

<関連記事>

分離感について①「分離感とは」

分離感について②「分離感の状態」

分離感について③「分離感の状態」その2

分離感について④「分離感と生産性」

分離感について⑤「分離感と施策」

分離感について⑥「分離感と施策」その2

分離感について⑦「分離感は幻想」

分離感について⑧「自然本来の社会性」

分離感について⑨「人と組織の新しい可能性」

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

社長との距離感が業績を左右する

  社長との心の距離「火星と同じぐらい遠い」  asahi.com 2010年5月16日

 
 社長との間に感じる心の距離は火星と同じぐらい遠い――。人事コンサルティング会社のJTBモチベーションズ(東京都港区)が実施したアンケートで、こんな会社員の心持ちが浮き彫りになった。

 従業員500人以上の会社に勤める全国約500人を対象に、社長との「気持ちの上での距離」を調査。「違う星にいる(4億キロ)」「違う国にいる(1万キロ)」「すぐそば(1メートル)」など八つの選択肢から選んでもらった。一番多かったのは「違う星」で、20.4%。4億キロは、地球と火星が最も離れた時の距離にあたる。

 このほか、「違う都道府県にいる(500キロ)」が20.2%、「違う国」が19.4%と続いた。「一心同体と感じる(0メートル)」を選んだ人は0.2%にすぎなかった。

 社長を遠く感じる理由は、「コミュニケーションが少ない」「こちらの仕事や状況を理解していない」が多かった。距離を遠く感じる人ほど、別の質問で「自分の仕事に対するモチベーションが低い」「会社の業績は悪化」と答える比率が高くなった。

 調査を担当した菊入みゆきさんは「社長が社員とコミュニケーションをとることは、社員のモチベーションや会社の業績の向上につながる有効な手段といえる」と提言している。(山根祐作)

 

 とてもユニークな意識調査ですよね。社長の心理的な距離感が、火星くらいに遠く感じるとは、それはずいぶんと遠いんですね。大声で呼んでも、とてもとても届きません。

 原因は、コミュニケーション不足と無理解無関心。社長さん、社員は、自分たちにどうかかわるのかにはとても敏感で、よく見ているんですよ。火星に追いやられるということは、好かれているというよりは、明らかに嫌われている。でも、それは、社員の性格が悪いからではなくて、社長さんの態度が悪いからだそうです。どうぞどうぞお気を付けくださいませ。

 社長との距離感が大きい人は、モチベーションも低く、会社の業績も悪化しているとのこと。恐ろしいことです。会社の業績は、まさに、コミュニケーションによるところが大きいのですね。調査を担当された菊入さんのおっしゃる通り、コミュニケーションを改善することがやるきと業績アップの秘訣なのだということが改めてわかります。なんだかんだ言っても、経営には、愛と心意気が必要だっていうことですね。

自尊心の重要性⑤(最終回) カマスの教え

魚のカワカマスを使った実験があります。カワカマスと餌になる小魚をガラスで仕切ってしまうと、餌を取ろうとしたカマスが何度もガラスにぶつかってしまい、最終的には、捕食をあきらめてしまうのですが、仕切っていたガラスを取り外した後でも、カマスは、餌に食いつこうとはしなくなるのです。

度重なる不快な痛みを体験すると無力感を感じうつ状態となり、普段できることができなくなるという学習性無力感の典型的な実験です。

このことは、かますだけではなく、私たちにも当てはまることなのではないでしょうか。私たちは、多くの痛みを体験して、どんどん萎縮して、小さく小さく回遊するようになってきたのかもしれません。チャンスが目の前にやってきても、「どうせだめだから」「どうせ罠だから」と思い込んで飛びつくこともせずに、ただ、日常の習慣を繰り返してしまっているのかもしれません。

今、私たちは、「自分はこんなもんだ」と思っている自分は、狭い了見で解釈し思い込んでいる矮小なイメージであり、もしかしたら、もっともっと大きい壮大な存在、地球大、宇宙大のスケールなのかもしれません。本来の姿は、想像をはるかに超えるくらいに明るく、元気で、大胆かつ勇敢で、楽しく、思いやりにあふれ、自由で壮大なのかもしれません。

私たちは、自分にしろ他人にしろ、萎縮し、恐怖でトゲトゲしくなった、ちっぽけな姿をその人そのものだと思い込んでしまっていないでしょうか。そのような欠点は、そのひとの本質ではありません。傷つき追い込まれた結果として現れてきた一時的な生傷やかさぶたであって、その人そのものの姿ではありません。人は断じて欠点だらけの無力な存在ではありません。人の可能性や潜在性は、今見えているちっぽけな姿とは比べようもないほど大きく、想像をはるかに超えて壮大なのですから。

では、どうすれば、どうすれば、他人の欠点ではなく長所を見て、長所を伸ばすことができるのでしょうか?心理学の真理としてこんな言葉があります。

「他人を変えようとするならまずは自分から」

まずは、自分の欠点ではなく、長所を大切にしませんか。欠点をなじるのではなく、長所を伸ばしていきませんか。自分を大切にしませんか。自分を愛を持って受け入れて尊重しませんか。

自分を大切にできるからこそ、他人も大切にできる。自分を愛せるからこそ、他人も愛せる。自分を信頼できるからこそ、他人も信頼できる。本当のところ、自分の潜在性や可能性は、今の想像をはるかに超えて大きいのですから。自分の人生の力強さ、可能性の大きさを大切にしませんか。そんな生き方をお勧めします。

 

<関連記事>

自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

自尊心の重要性③「自尊心とプライドの違い」

自尊心の重要性④「欠点は治らない」

自尊心の重要性⑤「カマスの教え」

 

動画「自尊心の重要性」

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

体験型新入社員研修”アトランティックプロジェクト”

 

<関連書籍>

電子書籍『自尊心の重要性』

 

単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

 

<動画「自尊心の重要性」>

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方

 

自尊心の重要性④ 「欠点は治らない」

伝説の打撃コーチと呼ばれる高畠導宏さんは、自分のコーチ体験を踏まえて、「欠点は治らない」と断言されています。彼の指導方針は明確であり、欠点を矯正しようとするのではなく、長所を伸ばそうとするのです。長所を褒め、選手の長所を引き出すことができる的を得た練習方法を工夫し、勇気づけて、ともに練習を繰り返すことで、見違えるように選手が力をつけて、結果的に30人以上のタイトルホルダーを育てることができたのです。

基本的に、人材を育成する方向性として、欠点を矯正するよりも長所を伸ばすこと、自信を砕くのではなく自尊心をはぐくむほうが、結果的に大きな成果につながるといえましょう。影は、目立つので、つつきたくなりますが、日のあたる側面のほうが圧倒的に大きいことを忘れてはいけません。人は、確かに欠点を持っている完ぺきではない存在ですが、断じて無力ではありません。その人の可能性や潜在性は、人の見立てや思い込みよりも、はるかに大きいのです。それをちっぽけにしか見れないのは、リーダーの器量のなさ、自身の勝手な絶望から来る偏見と言えましょう。自分自身に絶望している人は、他人にも可能性よりも絶望を見出します。自分自身を嫌っている人は、他人にも愛すべき長所よりも憎むべき欠点を見出します。リーダーとして、そんな偏見の罠に陥ってはいけません。自分にしろ、他人にしろ、人は、断じて欠点だらけの無力な存在ではありません。影よりの光のほうが圧倒的に大きく、その潜在性と可能性は、想像をはるかに超えて、壮大なのですから。(続く)

 

<関連記事>

自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

自尊心の重要性③「自尊心とプライドの違い」

自尊心の重要性④「欠点は治らない」

自尊心の重要性⑤「カマスの教え」

動画「自尊心の重要性」

 

 

<関連書籍>

電子書籍『自尊心の重要性』

 

単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

 

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

体験型新入社員研修”アトランティックプロジェクト”

 

<動画「自尊心の重要性」>

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方

 

自尊心の重要性③ 「自尊心とプライドの違い」

 日本では、この自尊心と傲慢さは、同じようなものと同一視されてしまっているようですが、英語では、自尊心と傲慢さは、はっきりと言葉で違えて認識しています。自尊心は、Self-esteemであり、傲慢さは、Prideと表現されて、それぞれは、全く違うものであると認識されているのです。

 Self-esteem(自尊心)とPride(プライド)の違いを整理してみると、 次の事が言えると思います。

 

<Self-esteem(自尊心)>

・自信に由来する

・自分の存在そのものを尊いと感じる

・欠点も含めて自分を受け入れられる

・聴く耳を持つ

・失敗にめげずチャレンジング

・基本的に安心

 

<Pride(プライド)>

・劣等感に由来する

・他者と比較して、自分が上(下) と感じる

・自分の欠点の存在を許せず責める

・人の話を聞かない

・失敗を恐れて防衛的、保守的

・基本的に不安

 

○Self-esteem(自尊心)は、自信に由来するのに対して、Pride(プラ イド)は、自信の欠如=劣等感に由来する。

 だから、本当の自尊心は、決して傲慢ではない。礼儀正しい紳士淑女であり、自分も大切にすると同時に仲間も大切にする。 一方、プライドは、本当の自分は欠点だらけで弱く、嫌な奴だと思い込んでいるので、それがばれないように隠したり、逆にあたかも強くふる まったりするので傲慢、うぬぼれとなる。

 

○Self-esteem(自尊心)は、自分の存在そのものに価値があると感じる のに対して、Pride(プライド)は、他者との比較において、自分が上(また は下)と認識する。

 だから、プライドは、自分の価値がいつも他者との比較の中で決定する ので、自分の価値は、常に揺らいでおり、脅威にさらされている。 一方、自尊心は、自分の価値を認識するのに他者は必要ない。 他者がどうあれ、自分の尊さには揺らぎがないのだ。

 

○Self-esteem(自尊心)は、欠点も含めて自分を受け入れて尊重すること ができるが、Pride(プライド)は、自分に欠点があることを許せない。

 自尊心は、発展途上の自分が好きであり、自分が完璧ではなくともそれを自然に受け入れることができる。だから、他人にも完璧さを求めないし、欠点ある他人を快く受け入れる。 一方、プライドは、自分に欠点があることを許せないので、他者から欠点を指摘されると猛烈な恐怖と怒りを感じる。だから、完璧になどなれるわけが ないのに、完璧ではない自分でいることが不安であり落ち着かなく、欠点を隠そうとして傲慢になる。自分の欠点を憎むように、他人の欠点にも敏感で それを嫌う。だから、他人にも完璧さを求め、基準を押し付け、矯正しようとする。

○Self-esteem(自尊心)は、聴く耳を持つが、Pride(プライド)は、分からなくても人に聞けない。

 自尊心は、オープンマインドであり、分からないところがあれば謙虚に他者の言葉に耳を傾け、教えてもらい、結果成功することができる。一方、プライドは、分からないところが自分にあることを他者に知られることを恥じ、恐れて、他者に素直に聞けない。だからわからないままあてずっぽうで事に当たり、失敗する。

○Self-esteem(自尊心)は、失敗にめげることなく、前向きにチャレンジングに生きるが、Pride(プライド)は、失敗を恐れて防衛的、保守的に生きる。

 だから、プライドの人生は、壁を作り、分離感を強め、引きこもり、攻撃的に被害者又は加害者として生きるが、自尊心の人生は、壁を乗り越え、分かち合い、知恵と愛と勇気をもって創造者として生きる。

 

○したがって、Self-esteem(自尊心)は、日常が安心と喜びであるのに対して、Pride(プライド)は、日常が不安と恐怖との戦いである。

 だから、自尊心の人生は、基本的に明るく元気で信頼に満ちている。健康的で、平和で、クリエイティブ。自分らしく勇気を持って人生の冒険に乗り出すことができる。一方、プライドの人生は、素晴らしい自分の潜在性や可能性よりも醜い自分の欠点の存在に焦点が当たり、それを克服することがテーマとなるので、基本的に後ろ向きであり、戦いであり、不安である。本来の自分らしさ、明るく大胆で温かい側面が封じ込められ、生き残りをかける猛々しい本能の側面で生きることになる。本来そうあるはずではなかった痛くみじめな自分らしくない生き方を選ぶことになるのだ。

 

<プライドではなく自尊心を持って生きよう>

 基本的に、人が成長する方向性として、欠点を矯正するよりも長所を伸ばす事、 自信を砕くのではなく自尊心を育む事の方が、結果的に大きな成果につながると言えましょう。

 影は、目立つので、つつきたくなりますが、日のあたる側面のほうが圧倒的に大きい事を忘れてはいけません。人は、確かに欠点を持っている完璧ではない存在ですが、断じて無力ではありません。その人の可能性や潜在性は、人の見立てや思い込みよりも、はるかに壮大です。

 それをちっぽけにしか見れないのは、そう認識す るエゴの器量のなさ、自身の勝手な絶望から来る偏見と言えましょう。そんな勘違いの罠に陥ってはいけません。人は、断じて欠点だらけの無力な存在ではありません。本気を出せば、どんな人でも素晴らしい仕事を成し遂げる力を持っています。

そんな自分に自信を持って生きてみませんか。

完璧な存在になどなる必要はまったくありません。

「もう少し背が高ければ自信がもてるのだけど・・・」

「もう少し頭がよければ自信が もてるのだけど・・・」

などとけちくさい事を言ってはいけません。

人は、皆、発展途上の存在であり、完璧になどなることは、そもそもできません。

発展途上の自分を大切にしましょう。

発展途上の自分を信じてみましょう。

発展途上とは言え、あなたには今のあなたの想像をはるかに超えた可能性がまどろんでいます。

あなたの人生は思っている以上に頼もしい力があるのですから。

そんな力と可能性を大切にしてみませんか。(続く)

 

<関連記事>

自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

自尊心の重要性③「自尊心とプライドの違い」

自尊心の重要性④「欠点は治らない」

自尊心の重要性⑤「カマスの教え」

動画「自尊心の重要性」

 

 

<関連書籍>

電子書籍『自尊心の重要性』

 

単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

 

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

体験型新入社員研修”アトランティックプロジェクト”

 

<動画「自尊心の重要性」>

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方

 

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

このように、自尊心は、人の人としての生き方、コミュニケーション、人間関係、職業選択、仕事に取り組む姿勢、生きる態度、健康、人生そのものにとても大きな影響を及ぼす重要な要素であるといえます。

しかし、この自尊心についての教育は、実にお粗末であり、ほとんど手が打たれていない現状です。こうした自尊心教育がなされていない原因の一つとして、自尊心をめぐる大きな誤解があるのではないかと私は思っています。

自尊心は、よく、傲慢さや、うぬぼれと誤解されることが多いのではないでしょうか。自尊心を高く持つことは、鼻もちならない生意気で傲慢な危ない人間になることだという勘違いがあり、だから、自尊心はよいものというよりは、悪いもの、持つべきではないものという思い込みがあるように私には思えます。

本当の自尊心は、自分を尊い存在と思えると同時に、相手も大切な存在と感じるので、謙虚であり、思いやりがある紳士淑女として生きることにつながります。一方、傲慢さやうぬぼれは、自分を尊いとは思えないので、欠点を他人に隠そうとしたり、欠点などないふりをしようとしたりする無理からやってくるものであり、むしろ、自尊心の欠如からやってくるものと言えましょう。

日本では、この自尊心と傲慢さは、同じようなものと同一視されてしまっているようですが、英語では、自尊心と傲慢さは、はっきりと言葉で違えて認識しています。自尊心は、Self-esteemであり、傲慢さは、Prideと表現されて、それぞれは、全く違うものであると認識されているのです。(続く)

 

<関連記事>

自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

自尊心の重要性③「自尊心とプライドの違い」

自尊心の重要性④「欠点は治らない」

自尊心の重要性⑤「カマスの教え」

動画「自尊心の重要性」

 

 

<関連書籍>

電子書籍『自尊心の重要性』

単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

体験型新入社員研修”アトランティックプロジェクト”

 

<動画「自尊心の重要性」>

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方

 

自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊感情とは、自分自身を尊い存在であると認識し、愛し、大切にする意識を言いますが、この自尊心は、古くから、人が人として生きる上で大切なものであるといわれてきています。たとえば、

・汝自身を敬え  ピタゴラス

・独立自尊  福沢諭吉

・天上天下唯我独尊  釈迦

名だたる先哲たちの伝えてきたメッセージとして、自分を大切にすることの重要性が伝えられてきています。

また、自尊心は、現代心理学の重要なテーマの一つでもあります。というのは、自尊感情の低さが引き起こすと考えられる深刻なトラブルや事件が後を絶たないからです。

たとえば、依存症の問題。依存症は、自分に何かが欠けており、その不安や恐怖に追い立てられて、自分以外の何かに頼ろうとする志向が病的にまで固着した場合を言いますが、現代社会では、この依存症はいたるところで顔を出してきます。多発する覚せい剤事件を筆頭とする薬物依存、アルコール依存症、パチンコ依存症、買い物依存症、過食、ネトゲ廃人などなど、枚挙に暇がありません。これらの依存症の根本的な原因の一つが自尊感情の欠如と言えます。

また、学校における学級崩壊の問題。ベテランの力ある教師でさえも学級崩壊を止められないといわれています。なぜ崩壊が起こるのか?その主原因の一つに、生徒たちの自尊感情の問題が挙げられています。生徒の自尊感情が十分高ければ、「今自分は大丈夫であり、勉強も楽しく、先生も友達も悪い人ではない」と感じていますので、落ち着いて席に座り、先生の指導を聴くことも出来れば、友達と仲良くかかわることもできますが、自尊感情が低い場合は、「今の自分は、自分でさえも嫌いであり、当然周りにも嫌われているだろう。だから危機にさらされており、自分でそれを乗り越えられない」と思い込んでいますので、なにもされていないにもかかわらず不安で落ち着かなく、席にじっと座ることがでずに授業中なのに歩きまわり、先生の言うことも、嫌われていると思い込んでいるので、言うことを聞きません。この状態を、従来の対処法としての”しかる”ということで乗り越えようとすると、ますます子供たちの自尊感情を損ねて、泥沼にはまり込んでしまいます。だから、現在、学校では、子供たちの自尊感情をどう高めていくのかに挑戦している真っ最中なのです。

幼児虐待やドメスティックバイオレンスなどの虐待問題にも、この自尊感情の問題が影を落としていると考えられています。さまざまな意識調査や研究の結果、虐待を繰り返す人の共通した心理状態として自尊感情の欠如があげられることが分かってきました。虐待を繰り返す人は、対象者が憎くてやっているのではないのです。自分に絶望し、自分が嫌いであり、自分なんか死んだほうがよいと思っている人が、自分に常に加えている攻撃や脅しを自分の延長上と認識している子供や妻に向けてしまう。子供や妻が憎くてやるのではなく、まさに自分が憎くてやってしまっているのです。自尊感情の欠如は、自分だけではなく、愛する周りの人たちにまで深刻なトラブルに巻き込んでしまうのです。

この自尊感情の欠如の問題は、他にも多くの悲劇を引き起こしています。うつ、凶悪少年犯罪、自殺、などなど、現代社会を彩る様々な病理の背景のすべてにこの自尊心の問題が影を落としているといえましょう。(続く)

 

<関連記事>

自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

自尊心の重要性③「自尊心とプライドの違い」

自尊心の重要性④「欠点は治らない」

自尊心の重要性⑤「カマスの教え」

 

<関連書籍>

電子書籍『自尊心の重要性』

 

単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

体験型新入社員研修”アトランティックプロジェクト”

 

<動画「自尊心の重要性」>

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方