自分の中を覗き込み、
そこには何もないと見たとき、
それは知恵である。
私が自分の外を見、
私とはすべてであると見たとき、
それは愛である。
この二つの間に
私の人生は流れるのだ。
ニサルガダッタ・マハラジ
月別アーカイブ: 2010年3月
今年の新入社員はETC型
なかなか開かぬ心の「バー」、新人はETC型
今年の新入社員は、親密になる直前まで心の「バー」がなかなか開かない「ETC型」(2010年3月26日19時39分 読売新聞)
日本生産性本部は26日、今年4月に入社する新入社員の特徴を分析した。
今年の新入社員は、厳しい就職戦線をくぐり抜けており、情報収集に必要な携帯電話の操作などはうまい。効率を重視する一方で、人とのコミュニケーションが苦手な面があるという。
このため、上司や先輩に対して、急いで人間関係を築こうとして新入社員の「心のバー」に衝突しないように「スピードの出し過ぎにご用心」と指摘している。
新入社員の命名は1973年から行っており、企業の採用担当者などから意見を聞いて決めている。
今年の新入社員は、ETC型とのこと、面白いネーミングだと思います。仕事はしっかりとできるが、心を開くのに時間がかかるとのこと、当たり前のことだと思いますね。だって、こんなに厳しい就活戦線をくぐりぬけてきた若者たちだから、そうそう警戒心はときませんよ。就活では、ほんのわずかな時間の面接における自己表現が勝負の決め手となるので、よっぽど準備とエネルギーをこめて頑張ってきたことだろうと思います。だから良い結果(内定)を出せたわけですから。
これだけの厳しい就活戦線は滅多にはないんじゃなかったでしょうか。採用側の人事担当者も未体験の厳しさだったかもしれません。そんな戦いを勝ち抜いた若者たちなのだから、問題解決能力がないわけがありません。もし彼ら彼女らが活躍できないとしたら、それは受け入れ側の問題。ぜひ大切に育ててあげてほしいですね。
今年も、アトランティックプロジェクトでの新入社員研修のシーズンがやってきます。頑張っている若者たちが、勇気と自信を持って職場に立ち向かっていけるように一生懸命応援していきたいと思います。
卒業後3年間は新卒扱い
卒業後3年は新卒扱いに 大学生の就職、学術会議提案
2010年3月29日朝日新聞朝刊
大学生の就職のあり方について議論している日本学術会議の分科会は、新卒でなければ正社員になりにくい現状に「卒業後、最低3年間は(企業の)門戸が開かれるべきだ」とする報告書案をまとめた。最終報告書は近く、文部科学省に提出される。同会議は、今の就職活動が、学生の教育研究に影響しているとして、新しい採用方法の提案などで大学教育の質についての検討にもつなげたい考えだ。
日本学術会議は、国内の人文社会・自然科学者の代表機関で、文科省の依頼を受けて話し合っている。報告書をもとに同省は議論に入る。
今回、就職にかんする報告書案をつくったのは「大学と職業との接続検討分科会」で、就職活動早期化で、大学4年間で学ぶ時間を確保できにくくなっている弊害などが出ていることから、対策を考えてきた。
日本の企業は、大企業を中心に、新卒者を採用する傾向が強い。中途採用はあるものの枠は狭く、希望の企業に採用されなかった学生が「新卒」の肩書を持つために、留年するケースもある。
報告書案では、「新卒一括採用方式」について、特定の世代に景気変動の影響が出やすい点を問題視。卒業後すぐ採用されなければ正社員になるのが難しいことから、卒業後最低3年は在学生と同様に就職あっせんの対象にすべきだとした。
企業側にも新卒要件の緩和を求め、経済団体の倫理指針や法律で規制するより、既卒者を新卒者と同じ枠で採用対象とする企業を公表することを提案。政府にも、卒業後も大学の就職支援を受けられるように法律を改正するなど速やかな対応を求めている。
また、就職活動で学生が学業に打ち込みにくくなっている現状についても、規制のみで対応することには限界がある、と記述。大学が学生をできるだけ長く社会から隔離するのではなく、インターンシップなどの機会を早くから整備することが重要とした。
大学が就職活動のスキルやノウハウを伝え、資格をとるよう促す動きについては大学教育全体で職業的な能力を育て、成績評価を社会でも意味を持つよう改善することなどを求めた。
卒業後3年間は新卒扱いと考えようとする日本学術会議の提案、大賛成です。現状では、景気の動向に翻弄されてしまい、卒業年度によって学生たちの人生が大きく変わってきてしまう事態となってしまっています。運も実力のうちとは言いますが、景気が良い時と悪いときの格差があまりにも大きすぎる。学生たちにとっては、ひどく過酷だといえましょう。卒業後3年間の猶予期間を与えられることは、学生にとっては心強いサポートとなるはずです。ぜひこの提案を実現してほしいと思います。
ヴィーナス通信2010年春号「志の重要性」
ヴィーナス通信は、弊社からリリースしているメールマガジンです。
先日、2010年春号を発表しましたので、ご紹介します。
<ヴィーナス通信2010年春号>
春の嵐もようやくひと段落、東京の桜の開花も宣言されましたね。
みなさんお元気にご活躍のことと存じます。
ヴィーナスアソシエイションの手塚美和子です。
寒かった冬を乗り越え、弊社の桃の花もようやく咲きはじめました。
これから入社式や、新入社員研修などで忙しい時期に入りますが、ひととき、ヴィーナス通信をお読みになっていただき、何かのヒントにして戴ければ幸いです。
今回のテーマは、「こころざしの重要性」です。
弊社代表手塚芳晴が担当している大学の授業(プレゼンディスカッションスキル演習)の最終講で学生に配っている資料より抜粋したものです。
それでは、春のパワーとともにヴィーナス通信春号発信です!!
※ヴィーナス通信は、ヴィーナスアソシエイションにご縁のあった方々にお送りしているメールマガジンです。
配信中止を希望される方は、下記連絡先までご連絡ください。
☆☆☆☆☆☆☆☆テーマ「こころざしの重要性」☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(プレゼンディスカッションスキル演習の最後にあたって)
さて、講座の最後に当たって、みなさんに改めて“こころざし“の重要性についてお話したい。
「私は一体何のために生きるのだろう?」
この問いは、とても厳しい問いである。
いったん問いかけたら、答えが出るまでは、止むことはない。
しかし、その問いにだけは、満足のいく答えを出すことなど不可能だ。
だからこそ、「何のために生きるのか?」の問いかけは、危険が大きく、立ち向かっていくためには勇気が必要である。
しかし、みなさんには勇気をもって、この問いに取り組んでもらいたい。
難しい問題だからこそ、危険な問題だからこそ、真剣に向き合う時には、強烈なエネルギーと情熱が心の奥底からやってくる。
この情熱こそが青春の証なのだ。
危険を避けて、どうせ考えても無駄だからと、この問いから背を向けて、流される生き方を選んだ時から、ひそかに老化が始まるのだ。
「戸を叩け、されば開かれん。」
聖書の言葉にもあるとおり、問いをかけられたものには、必ず答えはやってくるものである。
「何のために生きるのか?」この真剣な問いかけに対する今の自分の答えとなるものこそが“こころざし“である。
志は、自分の理想、夢、あこがれ、育みたい人間性、哲学、最高のバージョンの人生である。
志を手にした者は、自分の輝かしい未来についての青写真を手に入れたことになる。
あなたが手に入れたその青写真は、とてつもなく価値あるものである。
地球上のどんなに美しい建物であっても、最初は、そっけない鉛筆書きの設計図から始まっていることを忘れてはいけない。
今は、手書きの頼りないメモのように見えるかもしれないが、それが種となり、芽を出し、茎をのばし、葉を広げ、ついには今は想像もつかないような美しく大きな花を咲かせるのだ。
ただし、たんに設計図があるからと言っても、それを行動に移さなければ、けっしてその後のプロセスは、展開することはあり得ない。
ヴィジョンに向けての具体的な行動への第一歩を踏み出す必要があるのだ。
その際に、必要となるものが、信念だ。
「苔の信念岩をも通す」のことわざどおり、「私のこころざしは必ず実現する」という信念をもって行動に当たれば、必ずいつかは花を開かせることになる。
しかし、「夢なんてどうせ実現するはずがない」と信じて事に当たれば、途中で遭遇するはずの困難にいとも簡単に屈服してしまい、素晴らしい可能性への道は閉ざされてしまうだろう。
夢の実現への道は、平坦ではない。
その過程で出会う人や出来事は、礼儀正しいお客さんばかりとは限らないのだ。
目の前に立ちはだかるだろう想像を絶する痛みや苦悩、困難は、1度や2度に限ったことではないだろう。
世に言われる成功者たちは、このような困難に遭遇したことは、枚挙に暇が無い。
成功とは、失敗しないことでも苦しまないことでもない。
失敗してもあきらめないことが、最終的には成功につながるのだ。
人が成長するためには、どうしても「痛み」と向き合う必要がある。
苦労が多ければ多いほど、その人の慈悲の深さと、揺るがない前向きな信念と、多くの人を受け入れる広さと度量が育まれてくるのだ。
学問に王道がないように、人生にも抜け道はない。
試練を潜り抜けてこそ人は大きくなっていくのである。
自らのこころざしを実現するためには、そのような厳しい道を歩む必要があることをしっかりと理解して、信念をもって事にあたろう。
どんなに困難な試練であったとしても、あなたがあきらめずに、前向きに粘り強く立ち向かっていけば、必ず道は開けてくる。
“チャンスとピンチは、準備が整ったものにやってくる“のだ。
だから、実のところ、立ちはだかった壁がどんなに高いものであったとしても、乗り越えられないものは存在しない。
あなたの試練は、あなたが乗り越えられる準備が整ったからこそやってきた。
だから、これからもあなたが生きていく上で、あなたが乗り越えられないような困難は、決してあらわれることはない。
その意味で、あなたが出会うであろう障害は、あなたにとってのよき教材であり、成長への貴重な踏み台なのだ。
人は、たいていの場合人が想像している以上の存在である。
あなたの可能性は、今は想像できないくらいに大きい。
自分の人生を信じて、自分が選ぶ道を堂々と力強く歩いていこう。
あなたには、それをやり遂げる充分な力があるのだから。
☆☆☆☆☆☆☆ヴィーナスアソシエイション講座案内☆☆☆☆☆☆☆
<大学・短大向けキャリア教育プログラムj説明会>
○開催日 第1回開催 2010年6月11日(金)
第2回開催 2010年7月 9日(金)
○時 間 午後1:00~5:00
○会 場 稲城市立iプラザ(東京都:京王線若葉台駅下車3分)
○参加費 無料
○ 概 要
大学・短大向けのキャリア教育プログラムの説明会を開催します。
ご紹介するプログラムは、長年大学教育に多くの実績をもつヴィーナスアソシエイションが提供する以下の3つのプログラムです。
1.キャリア教育講座…主に大学1~2年、短大1年生を対象とした、人間力形成をテーマとした長期的な生き方を探求するプログラムです。
2.実践就活対策講座…主に大学3~4年、短大2年を対象とした、実践的な就活スキルを体得する就活戦線を勝ち抜くための支援講座です。
3.サークルリーダー講座…大学・短大の新任のサークルリーダー養成講座です。
本説明会では、これらのプログラムを一部体験を交えながらご紹介いたします。
貴校の新しいキャリア教育の参考となる貴重な情報を提供いたします。
ぜひご参加ください。
<お申し込み方法>
参加する講座(商品)を明記の上、会社名、氏名、ご連絡先を以下のメールにて
お送り下さい。
mailto:reference@venus-association.com
キャリア教育プログラム説明会を開催します
<大学・短大向けキャリア教育プログラム説明会のご案内>
大学・短大向けのキャリア教育プログラムの説明会を開催します。
大学・短大向けのキャリア教育プログラムの説明会を開催します。ご紹介するプログラムは、長年大学教育に多くの実績をもつヴィーナスアソシエイションが提供する以下の3つのプログラムです。
1.キャリア教育講座…主に大学1~2年、短大1年生を対象とした、人間力形成をテーマとした長期的な生き方を探求するプログラムです。
2.実践就活対策講座…主に大学3~4年、短大2年を対象とした、実践的な就活スキルを体得する就活戦線を勝ち抜くための支援講座です。
3.サークルリーダー講座…大学・短大の新任のサークルリーダー養成講座です。
どのプログラムも、多くの実績と高い評価を誇る素晴らしいプログラムです。
本説明会では、これらのプログラムを一部体験を交えながらご紹介いたします。
大学、短大における新しいキャリア教育の参考となる貴重な情報を提供いたします。大学、短大の学生課やキャリアセンターのご担当者の皆さん、新しいキャリア教育プログラムをご検討の皆さんは、ぜひご参加ください。
新入社員研修シーズン到来
今年も新入社員研修のシーズンが到来しましたね。弊社でも、アトランティックプロジェクトという体験型のプログラムで、新入社員研修に貢献できますこと、大変光栄に思っております。
よく、最近の若者はチャラ男が多いだとか、言われたことしかやらないだとか、やりっぱなしでやり遂げずに責任感がないだとかよく言われますが、それは、若者たちの問題というよりは教育する側の問題だと思いますね。私自身は、大学で若者たちと多くかかわる機会を持っておりますが、私の知っている若者たちは、真剣に人生について考え、社会に貢献したいという強い意欲を持った学生ばかりですよ。
素晴らしいダイヤモンドの原石を磨けないのは、若者の責任というよりは教育する側の責任ともいえますよね。彼ら彼女らに、困難に立ち向かっていく勇気、理想に向けての強い動機づけ、人生を切り開けるという強い自信を教えて、たくましく輝く立派な社会人となれるようぜひ企業サイドでもバックアップしてあげてほしいと切に願う次第です。新たに実社会に船出した若者たち大きな祝福がありますように!
氷河期到来?
太陽、まもなく「冬眠」 朝日新聞 [10/03/19]
東京科学グループ・東山正宜
太陽が「冬眠」準備に入ったらしい。国立天文台などの観測から、約11年で繰り返してきた太陽活動の周期が2割ほど長くなり、表面の磁場も観測史上最低レベルを記録したことがわかった。こうした現象は活動が弱まる直前の特徴として知られる。実際、太陽はこの数世紀、11年周期以外に、ほぼ100年ごとに活動の増減を繰り返している。ただ、そのしくみや、地球の気候への影響などはよくわかっていない。
昨年末から今年にかけて、太陽に久しぶりに現れた黒点に研究者らの話題は持ちきりになった。表面の爆発現象「フレア」も観測され始めた。この数年、100~200年ぶりの弱さを記録した太陽活動は、ひとまず回復の兆しを見せている。
この活動再開によって、直近の太陽の活動周期が確定した。ベルギーの太陽黒点数データセンターのまとめでは、約12年7カ月。普段より1年半長い。周期が延びるのは、太陽が冬眠の時期に入る前の特徴とされる。
太陽活動はおよそ11年ごとの周期に加え、ほぼ100年ごとに活動が弱まる大きな波がある。特に1700年前後の冬眠はマウンダー極小期と呼ばれ、ほぼ70年間にわたってほとんど黒点が現れなかった。
11年周期は太陽のN極とS極が周期的に逆転するために起きる現象と解釈されているが、100年の大きな波が起きるしくみは分かっていない。ただ、近年、宇宙航空研究開発機構の人工衛星「ひので」のように高い解像度での観察が可能になり、解明が期待されている。
国立天文台の常田佐久教授は「次の周期の活動は、極めて弱いものになるのではないか。衛星で太陽を観測できるようになって初めて起きる極小期だけに、どんな現象が見えるか楽しみだ」と話す。
地球の気候へはどのように影響するか。過去には、マウンダー極小期に英国のテムズ川が凍るなど寒冷化の現象が起きた。過去1千年に起きた主な太陽活動の極小期でもおおむね、地球は寒冷化したとされている。ただ、その相関がどのようなしくみで起きたかはよくわかっていない。次に予想される極小期がどの程度の規模か、再びミニ氷河期が来るかどうかは、はっきりしないという。
地球の気候への影響で考えられる要因に日射量がある。だが、太陽活動が弱まっても日射量は0・1%ほどしか変化せず、影響は小さいと見られている。
放射線(宇宙線)量の変化もある。太陽の磁場は、太陽系外から降り注ぐ宇宙線から地球を守っている。活動低下に伴って太陽の磁場が弱まると、宇宙線量は15%ほど増えるらしい。
宇宙線には雲をつくる効果があり、宇宙線が増えると太陽光が反射されて地球が冷えるとする研究がある一方、雲をつくる効果はわずかだとの主張や、雲ができると逆に地球の熱が逃げにくくなって温暖化する説もあり、専門家の間でも意見は分かれている。
米国では今冬、東海岸のワシントンが100年ぶりの大雪に見舞われた。東京大宇宙線研究所の宮原ひろ子特任助教によると、太陽活動の弱さや宇宙線の多さも100年ぶりのレベルだった。宮原さんは「太陽活動と気候変動のつながりをさらに詳しく調べたい」と話す。
太陽の活動が極小期に突入するとのこと。今年の大雪は、太陽活動の低調化の表れなんでしょうかね。地球温暖化の問題が大きく取り上げられてきたので、地球はだんだん暑くなるとばかり思っていましたが、この記事によると、逆に地球は氷河期に突入するかもしれない様子です。温暖化か寒冷化?いったいどっちの方向に進んでいくんでしょうかね。もし氷河期が来るのならば、温暖化を防ぐために企画されている炭素税や原発の推進などは、的外れな対策となってしまいますよ。これは大きな問題なんじゃないでしょうかね。今後も注目していきたいと思います。
志を貫くということ
大学でのキャリアアドバイザーの仕事を担当しておりますが、先日相談に来てくれた学生の事例が印象的で、ご紹介します。
彼女は、銀行、保険、リースなど、金融関係を回っていたのですが、なかなか思うように面接が進んでいかないと相談にきました。エントリーシートを見せてもらいましたが、自己PRや志望動機など、それこそ時間をかけて一生懸命に書いていることはよくわかるのですが、今一つ他人行儀の迫力のない文書となってしまっています。私は、自己PRや志望動機には、その人の志や夢、ヴィジョンという基軸で、一本の筋を通す必要があると思っています。ですから、どんな夢を将来にかけて持っているのかについて、いろんな視点から話し合ってみましたが、そこそこ優等生的な回答をすることはできるのですが、響きがなんとなく軽いことが気がかりでした。全体的に肩に力が入っており、そうしたいと本音で思っていないのだけれども一生懸命に心にもないことを言おうと努力している様子が見えたので、少し雑談的に金融の総合職以外の可能性を話し合ってみたのでした。以下その大体の展開です。
私:「就活は自分の幸せにためにすることが大切なんだよ。たとえ立派な会社に内定が取れても自分の幸せにつながらないところだったら何の意味もない。」「私自身は、会社に使われるのではなく、自分で会社を興して好きな仕事をしているがとても幸せだ。そういう生き方もある。いろんな可能性があるんだよ。」
学生:「そうですよね、私の実家も自営なんですが、お父さんはそこそこ楽しそうです。」
私:「へー、何のお仕事をされているの?」
学生:「建築の設計事務所です。」
私:「あなたは、建築の道を進もうとしなかったの?」
学生:「私にも、建築にあこがれがあったんですよね。だけど、設計だとか工学的なかかわりじゃなくて、女の子らしく建物とかかわりたいと思ったんです。」
私:「女の子らしいかかわり方?」
学生:「私が子供のころ、お父さんが事務所を建てるときに、『エントランスのタイルどんなのがいい?』って聞かれたときに、ピンクのタイルのかわいらしいデザインがいいと提案したら、採用してくれて本当にその玄関になった時、とっても感動したんです。」
私:「そりゃ、うれしかったろうね」
学生:「そうなんです。私は、設計図を引いたり計算をしたりということは苦手なんですが、それ以来、デザインだとか照明だとか、きれいな過ごしやすい住まいを造ったりすることにあこがれるようになったんです。」「そういえば、そんなことを学びたいから住居学科があるこの学校に来たんだ。」
私:「なんだよ、それならなんで金融なんだよ。建設関係に挑戦していけばいいんじゃないの?」
学生:「お父さんの仕事を見ていて、経済的に厳しいし、大変だなと思って、私には無理かななんて思っちゃったんですよね。」
私:「言っちゃなんだけど、今どんな業界だって厳しいよ。」「志があるなら、それを大切にするべきだと思うよ。志を貫こうとするときには必ず障害が起こるけれども、それは、試されているんだよ。ちょっと難しそうだからって、本当にやりたいことは、簡単にあきらめてはいけないんだ。」
学生:「そうですよね、私、なぜだかやりたいことを忘れてました。無理って思ってたかもしれない。」「やっぱり好きな道のほうがいいですよね。」
私:「そりゃそうだよ」「女の子らしく建物とかかわる道ならいっぱいあるよ。家づくり、リフォーム、エクステリア、インテリア、キッチン、家具、などなど、たっくさんの可能性があるよ。」
学生:「わかりました、私、なんでこんなに志望動機が書きづらいんだろうと思ってましたけど、やりたくないことだったから書きづらかったんですね。建築関係だったらどんどん書けそうです。」
私:「そうそうそうその調子、もう一度、その路線で自己PRと志望動機は練り直そうよ。」
学生:「そうします。何だか私頑張れそうです!」
どうしても、将来の不安と焦りに圧倒されて、内定が取れやすいところだとか安定度の高そうなところなど、本来そんな夢を持っていないところにアプローチをしている学生が多いと思います。この学生は、考え込みすぎて、本来の自分の志を忘れてしまっていたわけです。
就活は、自分の幸せのためにするもの。そうしないと怖いからする就職は、人生から逃げようとする生き方であり、決して自分らしい力強いキャリア形成にはつながらないと私は思います。不安な気持ちはわかりますが、ぜひとも自分の夢や幸せをあきらめないでほしいですね。本気を出せば、必ず夢を実現できる。そんな力を人は持っていると思います。そんな思いを大切に全国の就活生に頑張ってほしいと思います。
国の就活対策本格化
大学生の「就業力」アップ、国が5年計画 (2010年3月14日 読売新聞web)
大学生の就職内定率が就職氷河期以来の落ち込みを記録する中、文部科学省は、2014年度までの5年を大学生・大学院生の「就業力」向上の重点期間と位置づけ、大学の財政支援などに乗り出す。
10年度予算案で、既存の補助金などと別枠で30億円を確保、公募により、インターンシップ(就業体験)を卒業単位に認定するなど積極的な指導を行う国公私立大130校に資金配分する。また、私大約500校に来年度まで就職相談員を配置、大学生らの就業危機脱出を支援する。
公募で選ばれた大学には、国立大への交付金や私学助成とは別枠で1校につき約2300万円ずつ配分する。選考基準は今後定めるが、1年生から将来の進路を考える科目が必修化されている金沢工業大(石川県)や、調査能力、国際感覚など社会人に必要な能力育成を意識した講義を行う東京女学館大(東京都)、就業体験を単位に認定している一橋大(同)などの例を念頭に置いている。
財政支援を行うことでこうした取り組みが他大学に波及する効果も期待している。大学院生や、就職が決まらない既卒者の支援も産業界などと連携して進める。
一方、就職相談員の配置は、企業で採用や人事を担当した経験者や民間の就職支援関連資格保有者の雇用費用を国が負担するもので、国公立大と一部私大を除く495校を対象に来年度まで支援する。
同省などが12日に発表した2月1日現在の大学生の就職内定率は80%(前年同期比6・3ポイント減)で、調査を始めた00年以降で過去最低。新卒で就職する学生の3割が3年以内に離職しているというデータもある。各大学は独自に指導を行っているが、個々の学生の個性や職業観を踏まえた職業教育を行う大学がある一方、「面接対策など小手先の指導にとどまる大学も多い」(文科省)という。
国の就活対策が、具体的に出てきました。大学を通しての就活バックアップ予算という形がはっきりしており、大学に就職支援を促す強力な後押しとなると思います。ちょっと前までは、大学の中でも、「大学は就職対策をする場ではない」とかたくなに主張する勢力が少なからずありましたが、近年の情勢を踏まえて、力を合わせて学生のキャリアを応援していこうとする基調ができてきたことは素晴らしいことだと思います。やはり、今の若者たちには、さまざまな意味で生き方、キャリア形成、就職活動に対する支援が必要だと思います。
ただ、単に企業に就職することだけを目的とするのではなく、たとえば起業家育成講座など、自立志向を促すことができる教育にも目を向ける必要があるのではないかと私は思います。若者たちは確かに経験不足であり頼りないように思えますが、新しいビジネスチャンスを捕まえる感性は、若者たちに勝るものはいませんよ。新しい時代を創る主人公は、常に若者たちであり、若者たちが、権威に頼るのではなく自分自身のアイデアと可能性をよりどころとして、勇気を持ってたくましく未来を拓くことが、結果的に未来の国の経済活力につながっていくのではないでしょうかね。
商売のはじめ方、会社の起こし方、物の売り方、利益の上げ方、お客さんとの付き合い方、仕事の喜び、会社の育て方、起業家としての心の持ち方、成功に必要な様々な要素、そんなことを学ぶことができたら、きっと若者たちも、自分たちの新しくみずみずしい視点でアイデアを引き出し、ビジネスチャンスをつかんでいくことがきっとできるんだろうと私は思います。
そんな起業家支援も、就活支援と同様に、国の政策として期待したいところです。
就職氷河期を下回る内定率
大学生の就職内定率80% 氷河期下回り最悪に 日経新聞WEB 12日
今春卒業予定の大学生の就職内定率が、2月1日時点で前年同期を6.3ポイント下回る80.0%で、1996年の調査開始以来、過去最悪だったことが12日、文部科学省と厚生労働省の調査でわかった。就職氷河期と呼ばれた2000年の81.6%も下回り、雇用情勢の厳しさが改めて浮き彫りになった。厚労省によると、今春高校を卒業する就職希望者の内定率(1月末時点)は81.1%だった。大学生の5人に1人が内定を得ていない状況について、文部科学省は「景気低迷の影響が大きい。各大学はきめ細かい就職指導をして改善を図ってほしい」としている。
文科、厚労両省の調査によると、大学生の内定率は、男子が前年同期より6.4ポイント低い80.1%、女子が同6.3ポイント低い79.9%だった。中でも私立大の女子は8.2ポイント減の76.2%と苦戦ぶりが目立った。 (14:01)
予想はしていましたが、就職氷河期を超える内定率の低さとなってしまったということ、これは、学生たちにとって一大事です。現実的に、就職できないで、将来の方向性が観えずに卒業せざるを得ない若者たちが相当数出てしまうことになります。
暴風雨の逆風の中で、一生懸命に頑張ったにもかかわらず、どこからも受けいれられることなく、大学という居場所も失って、一人社会の中でどこにも所属することができずに、また将来の希望を見ることができずに途方に暮れている若者たちの心境を思うと、とても胸が痛みます。並大抵ではない厳しい状況だと思いますね。
この傾向が、今年だけではなく、採用を控える企業がますます多くなる来年以降も続く状況をみるにつけ、何か大々的な救済策を取る必要があると思いますね。こんな不運な環境で結果が出なかった若者に対して自己責任という言葉を使うことがいかに残酷かを考えてほしいと思いますよ。
また、若者たちも、こうした経済状況は、必ずぶり返しが来るので、数年後の中途採用ラッシュを見込んで、じっくりと資格や能力トレーニングに励んで、自分磨きに当面は時間を費やすのも大切かと思います。
さらに、企業社会で社員として生きるだけが人生ではないと見切りをつけることも大切なことと思います。内定を取れなかった学生にとって、一流企業に内定を取った学生は、羨望の的、うらやましいと今は思っているかもしれませんが、彼ら彼女らがその後幸せな人生を送れるとは限らないのですから。このような激動な時代は、大きな会社に勤めて一生安泰でいようとする戦略が一番危険な戦略なのですよ。自営業、起業、農業林業、なども視野に入れて、自分らしくたくましい道へと一歩踏み出すことも大切なことです。人は、本気になれば、不思議に道は開けるものですよ。
いずれにしても、状況が厳しいからと言って、自信が折れること、絶望することだけは慎んでほしいと思います。今の苦しみは、意味がないわけではない。むしろとても大きな意義があるのかもしれません。「あの時の苦しみがあるからこそ今の大成功があるのだ」といえる未来がきっと来るかもしれないのですから。