月別アーカイブ: 2009年9月

失敗について byカリール・ジブラン

人を鎖にたとえて、一番弱い環の強さがその鎖の強さだとよく言われる。

けれど、それは真実の半分でしかない。

一番強い環の強さも、やはり鎖の強さなのだ。

一番ちっぽけな行いで人を計るのは、

あぶくの弱さを大海の力だと信じるようなものだ。

失敗したからと人を裁くのは、

移り変わるからと、季節を責めるようなものだ。

「預言者」カリール・ジブランより抜粋

 

友情とは byカリール・ジブラン

友情には、魂を深めること以外の目的があってはならない。

愛が、自身の秘密を解き明かす以外のことを求めるなら、

それは愛ではなく、網を投げているにすぎない。

そして、そんな網にかかるものは、ろくなものではない。

『預言者』カリール・ジブランより抜粋

カエルの祈り(アントニー・デ・メロ)

かえるの祈り  「蛙の祈り」(アントニー・デ・メロ著 裏辻洋二訳)より抜粋

ある夜、兄弟ブルーノが祈っていると、食用ガエルの鳴き声がうるさくてかなわない。気にすまい、無視しようと努めたが、気の散るのはどうにもならない。そこで彼は窓から顔を出して叫んだ。
「静かにしろ、祈っているのだから。」

兄弟ブルーノは、聖者の誉れが高かったので、彼が一喝するや、あたりはしんと静まり返った。

生けるものはすべて固有の声を持っており、その声が祈りに具合の良い沈黙を生み出すのである。祈っているブルーノの中に別の響きがわき起こってきた。
「もしかして神は、おまえの唱える祈りと同じくらい、カエルの鳴き声を喜んでおられるのではないか。」
「カエルの鳴き声がなんで神を喜ばせるんだ」と、ブルーノは心中冷ややかに答えた。
ブルーノの中にさらに響き続ける声が言う。「神はなぜ、音なるものを作り出したと思うか。」

「よし、その答えを見つけだしてやろう。」ブルーノは窓から身を乗り出して叫んだ。
「さあ、歌うんだ。」
食用ガエルの調子のそろった鳴き声は、近隣のカエルというカエルの声を呼び集め、天空を震わせた。
ブルーノがこの音を全身を耳にして聴いていると、カエルの鳴き声は神経に障る物音ではなくなってきた。
鳴き声に抗うことをやめると、この鳴き声こそが夜の沈黙をいっそう豊かにしていると気づいたのである。

こうしてブルーノの心は、生まれて初めて宇宙と調和した。
彼は祈るということの内実をとらえた。

キャリア形成論が始まりました

 T大学の後期の授業「キャリア形成論」が始まりました。

 受講生は、3限目が40名で4限目は21名。昨年は、それぞれ160名と60名で、私の力不足もありますが、受講人数が多すぎて、私語や遅刻などが少なからずあり、授業のクオリティが私にとって不本意な結果となってしまったのでした。

 そんな反省を踏まえて、今年は、人数制限のある講座にしていただき、しかも、教材テキストを作成して有料のテキストを購入することを条件とした結果、昨年の4分の1の人数となりました。人数が大幅に少なくなったので、少々驚きましたが、多少の寂しさ半面、充実した授業が展開できるはずなので、昨年のちょっとした憂鬱感とは打って変わってとっても気合充実の心境で講座に向かうことができます。

 キャリア形成論は、就職活動対策の講座ですが、単なる面接突破法やエントリーシートの書き方といった就活技術を学ぶ講座ではなく、長い目で人生を見たときに、自分らしく幸せに力強く生きていくために必要な哲学やスキルや知識を学ぶといった「生き方講座」という色彩が濃くあるプログラムでもあります。

 本講座のコンセプトは、「自信と誇り」であり、劣等感に由来する”うぬぼれや傲慢さ”ではなく、「自分を大切にする」「自分を受け入れ愛する」「自分の人生を信じる」「自分の潜在性と可能性を信じる」という意味での本物の自信と誇りを体得することです。

 人生を幸せに生きる技術や知識はたくさんあるけれども、根底にある自己信頼の回復や他者に対する基本的な信頼感の回復、健全な世界観の回復が起こらなければ、どんなに素晴らしいテクニックも機能しづらいだろうと考えています。しかし、確かに信頼の回復は難しいかもしれませんが、もしそれが本当に実現したならば、すべてを変える力を持っているだろうとも思っています。 

 自分に自信を持って前向きに本気になって生きようと思っている人は、その人にとって本当に必要な知識や技能は、自分で勝手に学んでいくのであって、先生が見繕って教えるものではないのだろうと思います。先生ができることは、きっと、その子が勇気を持って本気で自分の人生に取り組む基盤となる自信と誇りを育む応援をすることなんだろうと思っているのです。

 今年の受講生は、いくつかの障害を乗り越えて本講座を選んでくれた本気の学生たちばかりです。先週第一回目の授業を実施ししましたが、講座を受ける態度が本当に真剣であり、私もそれに本気で応えていきたいと心から思えましたね。

 これから、11回、12月にわたって授業が展開していきますが、せっかく受講してくれた学生たちにとって本当に価値ある授業となるように、頑張っていきたいと思います。

気を以って聴く

「気を以って聴く」    荘子

 

(原文)
若一志。
無聴之以耳、而聴之以心。
無聴之以心、而聴之以気。
聴止於耳、心止於符。
気也者虚而待物者也。
唯道集虚。
虚者心斎也。

(読み方)
なんじ志しを一にせよ。
これを聴くに耳を以ってするなく、これを聴くに心を以ってせよ。
これを聴くに心を以ってするなく、これを聴くに気を以ってせよ。
聴くは耳に止まり、心は符に止まる。
気なる者は虚にして物を待つ者なり。
ただ道は虚に集まる。
虚者は心斎なり。

(意訳)
心を静かに集中しなさい。
耳で聞くのではなく、心で聴きなさい。
心で聴くのではなく、気で聴きなさい。
耳では音しか聴けず、心では気持ちしか聴けない。
気は、虚(空っぽ)であり、あらゆるものを受け入れることができる。
真実は、ただ虚であるときにのみ姿を現す。
虚であることこそが神聖な心をもたらすのである。

ニューヨーク大学リハビリテーション研究所の壁に書かれていた詩

力を与えてほしいと神に祈ったのに
     謙虚さを学ぶようにと弱さを授かった

より偉大なことが出来るようにと健康を求めたのに 
     よりよきことが出来るようにと病弱を与えられた

幸せになろうとして富を求めたのに
     賢明であるようにと貧困を授かった

世の中の人々から賞賛を得ようとして成功を求めたのに
     得意にならないようにと失敗を授かった

人生を享受しようとあらゆるものを求めたのに
     あらゆることを喜べるようにと命を授かった

求めたものは一つとして与えられなかったが願いは全て聞き届けられた

神の意に添わぬ者であるにもかかわらず、
        心の中で言い表せないものは全てかなえられた

私はあらゆる人の中で最も豊かに祝福されていたのだ

 

詠み人知らず

首都圏に大地震の警告

特定非営利活動法人 大気イオン地震予測研究会e-PISCOという機関をご存知でしょうか?大気中のマイナスイオンの変化をもとに、地震を科学的に予測していこうとする機関で、実績もあげており、ずいぶん前から私も注目していたところです。

 そのe-PISCO理事長の弘原海清さんが、9月中旬から10月にかけて首都圏に大型の地震が起こる可能性があるとして、警告のレポートを発信しています。

大気イオン変動ニュースNo.2

大気イオン変動ニュースNo.1

首都圏大地震に備え態勢強化を

 詳細は、リンク先で確認していただくとして、概略は、5月末から首都圏でマイナスイオン濃度が以上に高まっており、これは、大地震の前兆の可能性が高く、9月中旬以降から10月にかけて大地震が起こる可能性があるので、十分に危機対応の準備を整えておいてほしいというメッセージです。

 私の知っている限りでは、理事長自らがこうした警報を出したことは初めてではないでしょうか。何しろ相手が地震ですので、正確な予測は困難ですが、なんとなくきな臭さを感じますよね。ということで、さっそく非常食など買い込んで、準備を整えました。何事も起こらないことを祈りますが、備えあれば憂いなしとも言われてますので、準備も大切ですね。

イチロー選手の快挙

 イチロー選手が、9年連続200安打達成の大記録を更新しましたね。久しぶりの明るいニュースで、日本全体が元気になるようです。今季は、けがによる欠場もある中での記録達成ですので、逆風の中で本当に立派だと思います。

 イチロー選手が高校時代にメンタルトレーニングを受けた豊田一成(聖泉大教授)によると、イチロー選手は、仮想ゴールを目標のずっと遠くに置いているとのこと、だからこそ、淡々と目標を達成し続けられるとの事です。これは、要するに大きな志を持っているということなんでしょう。志に向けてぶれないイチロー選手は、本当にすごいですね、勇気をもらえるようです。本当にありがとう!

鳩山幸夫人の体験談

              UFOに乗った?鳩山夫人に米メディア注目

【ワシントン=小川聡】米メディアは、日本の首相に就任する予定の鳩山民主党代表に注目するが、同代表の()夫人にも強い関心を払っている。

 CNNテレビは4日、「日本の風変わりな新ファーストレディー」のタイトルを付けながら、幸夫人が著書などで「寝ている間に、私の精神がUFO(未確認飛行物体)に乗って金星に行った」「私は太陽を食べている」といった発言をしたことがあると、2分半にわたって詳しく紹介。

 MSNBCテレビも、「日本の次期首相は、『宇宙人』という愛称で呼ばれているが、夫人の方も自ら宇宙に行ったことがあると主張している」としながら、夫人が「新風を吹き込んでいる」と好意的に報じた。

 夫人の「UFO発言」はAP、ロイター両通信社が配信したため、世界で話題を呼んでいる。

2009年9月5日11時52分  読売新聞)
 
 
 鳩山幸夫人の体験談が、世界から注目を集めているようです。こうした一般的には受け入れられづらい誤解を生みやすい体験を語ることは勇気がいると思いますが、鳩山夫人は、堂々とよく語ったと思います。こうした体験談に対して、よく好奇の目で冷笑する論調が見受けられますが、そうした反応は、逆に注意深くあるべきだと思いますね。人の体験をバカにする人は、間違えているのは相手の体験ではなく、自分のその反応である可能性があるということを理解しておく必要があると思います。かつてガリレオが、「地球は丸い」と言って世間からバカにされ裁かれましたが、真実は当時の一般の考え方ではなく、ガリレオにあったのですから。
 ともあれ、鳩山夫人の発言は、世界から好意的に受け入れられている論調が多いとのことですので、突飛な体験を受け入れて歓迎する世界の世論の健康さと度量の深さを感じました。
 

人生への絶望感 脳卒中誘発?

   人生への絶望感 脳卒中誘発 (朝日新聞 2009年9月1日)

 【ワシントン=勝田敏彦】人生に絶望する気持ちがあると、頸動脈(けいどうみゃく)に病変が起き、脳卒中や心臓病を起こす危険が高いことが米ミネソタ大の研究でわかった。米心臓協会の医学誌「ストローク」の最新号に論文が掲載された。

 研究チームは、循環器病にかかったことがない中高年女性559人を対象とした研究で、人生に対して前向きかどうかを質問。この回答と、超音波検査で測った頸動脈の壁の厚みのデータを分析した。

 頸動脈は脳に血液を送る血管。動脈硬化で壁が厚くなると、脳卒中などの原因となる血栓ができやすくなる。

 分析の結果、人生に最も前向きな集団と、最も絶望感が強い集団とでは、壁の厚みに0.06ミリの差があった。研究チームは「この差は、臨床的に重要である可能性があり、絶望感が強い集団は将来、心臓病や脳卒中になる危険が高い」と分析している。

 絶望感と頸動脈の壁の厚みとの間の生理学的な関係ははっきりしていないが、研究チームは、絶望感が強い人にはカウンセリングなどを勧めている。

 

 人生に対して悲観的である人たちは、前向きである人たちに比べて、動脈硬化で頸動脈の血管壁が厚くなり、0.06ミリの差があったとのこと、この差は、脳卒中や心臓病などの危険性を高めるとのことです。

 自分で自分の人生をどう思おうが、それこそ個々人の自由であり、人にとやかく言われる筋合いのものではないのですが、こういうデータを見ると、過度な悲観は気をつけなければならないと思いますね。

 基本的に、人生は、決して甘くはないものであって、それを心配しようと思ったらいくらでも心配することもできますが、そんな不安と恐怖の罠にはまって憂鬱となることは、やはり慎まなければならないと私自身は自戒しています。

 どんなに悩んでも未来のことは分からないものは分からないのです。人生とはそういうものであって、だからこそ不安でもありますが、だからこそ面白くもあるのです。

 人生は、ある意味でサスペンスとロマンの冒険でもあります。待ち受けているものがどんなものであれ、きっと何とかなっていくものですよ。せっかくならば、その冒険を思い切り大胆に楽しめるようにしたいものですね。