私は、学生時代、友人と音楽バンドで活動していたことがあります。
アミラルカというバンド名で、バンドと言うか、2人のフォークデュオで、オリジナルの歌もたくさん作りました。よく練習もして、いろいろなコンサートの場で歌わせていただいていたことがあります。
その友人の息子さんから、先日亡くなったという訃報が届きました。事情があって、晩年は一人で暮らしていたのですが、しばらく連絡が取れず、ご家族が心配されて訪ねたところ、亡くなっていたとのことです。多臓器不全でした。
友人とは、中学校1年生の時に、同じクラスで出会い、その後、ずっと今まで友達付き合いをさせていただいていました。
高校は別々だったのですが、高校卒業直後に私がガス爆発の事故に巻き込まれ、顔と両手上腕部に厄介な傷跡が残ってしまったときに、しょっちゅう家に来てくれて、元気づけてくれたのをよく覚えています。
やけどの跡がひどくて、予定していた専門学校もキャンセルし、自宅浪人をしていた時も、彼も同じく浪人をしており、いろんな情報を届けてくれて、おかげさまで、一年後の受験では、公立大学に合格することができました。ちなみに、やけどの跡は、顔の方は半年くらいで目立たなくなり、外出できるようになりました。
実は、彼も同じ大学を受験し、合格しました。合格発表は一緒に見に行ったのですが、その前にその公立校よりもランクがちょっと上の私立大学に合格しており、どちらに行こうか迷っていた時も、私がちょっと強引に同じ大学の入学手続きに連れて行ったおぼえがあります。
大学では、私は学習塾でアルバイトを始めたのですが、彼も同じ学習塾でアルバイトを始めました。大学時代は、同じ大学に通い、同じ職場で働き、同じバンド活動をするという、ある意味で兄弟のような時代を過ごしたのです。
大学卒業後、彼は大手電機メーカーに就職し、定年まで勤めあげました。社会人になってからは、お互いに家庭を持ったり忙しくなったりなどで、あまり頻繁にはあえなくなってしまったのですが、年に一度くらいはカラオケで昔の歌を歌って、良く酔いつぶれるまで飲んだものです。
彼の仕事は、資材部一筋でした。資材部は、会社にとっては、コストダウンの源泉となるような部署であり、利益を上げるためにはなくてはならないとても大切な部署でもあります。しかし、一方で、仕事柄、人から好かれるような仕事ではありません。資材部として会社に貢献しようと志す場合は、ある意味で嫌われる覚悟が必要です。彼は、決して嫌な奴ではなく、本質的に気のいいやつで、豊かな感受性を持った人間でしたが、仕事をする上では、あえて嫌われ役を担うような役回りを引き受けていたようです。
長年にわたり仕事のスキルを上げ、地位も高まり、影響力も大きくなって、会社の成長に大きな貢献を果たす立派な仕事ぶりでしたが、一方で、敵も多かったと思います。とてつもないストレスがかかっており、もともと言い訳とかしないし、人に悩み事を相談するとかせずに、全部自分で抱え込むタイプだったので、ずいぶん苦しんだのではないかと思います。
退職後も、関連会社で活躍をするのですが、同時にストレスも減らずに、一人暮らしをするようになり、酒量も増え、生活のリズムが乱れがちになっていたと思います。結局、64歳と言う若さで亡くなってしまいました。私としては、とても残念です。これから仲の悪い年寄りの友達になって、お互いに悪口を言いながら酒を飲んで、歌を歌って楽しもうと思っていたのに、本当に残念です。
彼への弔いとして、彼のオリジナルの歌、歌詞を紹介させていただきます。時には人から愛されるよりもあえて泥をかぶって憎まれ役を買っていた奴ですが、実は、こんなに豊かな感性があって、こんなに大きなやさしさと人を勇気づける力強さがあったその証をしておきたいと思います。
竹中よ、ありがとう。君のおかげで、私の人生もとても豊かになったよ。君の存在が私にとってはとても大きな力になっていた。本当にありがとう。 合掌
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恋人 歌詞 竹中卓
1.愛する人よ、忘れないでほしい。
私が、あなたを 心から愛したことを
愛する人よ、忘れないでほしい。
私が、今でも愛してることを
私が騙されたふりをしていたのは、
ばかな女のままが幸せだったから
あなたのやさしさも、腕のぬくもりも
偽りのものと分かってたけれど、
恋人と、恋人と、もう一度、呼んでみたい。
恋人と、恋人と、もう一度呼んでみたい、あなたを。
2.愛する人よ、忘れないでほしい。
あなたとの思い出は、心の中に生きていることを。
愛する人よ、忘れないでほしい。
私はいつまでもあなたのものであることを。
あの日から別々に歩き始めたけど、
あなたの後ろ姿、忘れたことはなかったの
いつかあなたがふりかえってくれたなら、
いつでも胸の中へ飛び込んでいける。
恋人と、恋人と、もう一度、呼んでみたい。
恋人と、恋人と、もう一度呼んでみたい、あなたを。
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生 歌詞 竹中卓
1.生きるということは、どういうことなのか
愛し、憎み、傷つき、よごれ
癒やされぬ悲しみを心に背負い、それでも私たちは生きていく。
なぜ、生きるのかわからないけれども、
時の流れに、いつか失われる命なら。
与えられたこの命で、
せいいっぱい、生きてみたい。
2.生きるということは、どういうことなのか
喜び、苦しみ、つまづき、ころび、
癒やされぬ罪を心に背負い、それでも私たちは生きていく。
なぜ生きるのか、分からないけれども、
時の流れにいつか失われる命なら、
今日を、明日を、力の限り、
せいいっぱい、生きてみたい。
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挽歌 竹中卓
大空に去っていった、男たちの後ろ姿に
弔いの鐘がなりひびく
山彦誘う
銀色の髪をなびかせて
走ってゆく狼の群れ
その遠吠えがなぜか俺の心に響く
流すことのできぬ涙と
同じくらいの気持ちを込めて
変わらぬ心の証のために
今うたおう
俺の挽歌を
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感謝、合掌


