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自尊心を回復するための方法②自灯明法灯明

 「自灯明、法灯明」

 お釈迦様が入滅される直前に弟子たちに伝えられた教えと言われています。

 「他を頼るのではなく、自らを頼りとしなさい。自然(真理)の法を頼りとしなさい。」という意味だと私は解釈しています。

 自尊心を回復するための方法を考える際に、真っ先に指針とすべき言葉なんだろうと私は思っています。自分を大切だと思うために他を当てにすべきではないと考えているからです。

 もし、自分自身を大切だと思うために、他人の称賛が必要だとしたら、その人は、他人の称賛に依存して生きなければいけません。他人の称賛だけではなく、優しさや愛情にしても同じです。

 また、豊かな資産があるからこそ自分の尊さを実感できるという人は、自分の価値を認識するために豊かな資産に依存することになります。資産だけではなく、地位や名誉、権威やお金にしても同じです。

 さらに、自分のアイデンティティを国家や宗教、理想的な人物に委ねるとしたならば、自分を信じて生きるのではなく、外部の権威を笠に着て生きることになり、依存的な生き方となってしまいます。

 自分の価値を実感するために、他人の働きかけや他の権威、力に依存すると、それが得られているときには、比較的安定していられるでしょうが、減少し、欠乏感を感じ始めたら、自分自身が無価値であるように感じてしまい、大変な苦痛を体験することになってしまうでしょう。

 自分を癒し、自尊心を回復するコントロールセンターは、自分自身の内面にあるべきです。

 コントロールセンターが、自分自身にないとしたら、それは、外部にあるということであり、結果的に外部のパワーに自分自身が支配されることになってしまうでしょう。そのような生き方は、決して自尊心に裏付けされた自分らしい生き方とは言えません。

 自分らしく力強く生きようとこころざした場合には、まずは、自分自身に依って立つという覚悟が必要です。自尊心を回復しようとこころざした場合には、まずは、一切の依存心を手放し、自分で何とかしようとする覚悟が必要なんだろうと思います。

 これは、かつて体験した不条理、過酷な痛み、悲惨な体験においても同じなのだろうと思います。そのような心の傷があるからこそ自尊心を損なってしまい、回復できないという状況においても同じことが言えるのだろうと私は思います。

 かつて自分に仇をなした他者に謝罪してもらう、自分を傷つけた奴に報復し痛い思いをさせる、愛されなかったことによって空いた心の空虚さを誰かの愛で埋める、・・・、

 もし本当に意義のある自尊心の回復を図ろうとする場合は、過去のトラウマをいやすために他を頼ろうとするあらゆる企図を放棄する必要があるでしょう。

 なぜならば、そのような試みは、まさに、他者依存の混迷を深めると同時に、例え実現できたとしても、本質的な心の痛みは癒えることはないからです。

 たいていの場合、心の中には、痛みが先に存在しており、さまざまな出来事は、その痛みを顕在意識で体験していくためのトリガーにすぎないからです。

 また、心の中にある痛みは、他者から植えつけられたのではなく、自らが受け入れたからこそ存在しているのであって、痛みが自分の内面に存在することの責任を他人に押し付けるのではなく、自分ですべてを引き受けなければなりません。

 そして、自分の内面の傷を癒し、手放すことができる人は、自分だけであり、自らの意志と努力によって、自分の内面を健全化する必要があるのです。

 逆に言えば、人には、自分自身を癒すための十分な力があるのだろうと思います。

 仏教では、「人は、生まれながらにして仏である」とも言われています。

 人の内面には、自らを浄化し、自由に生きるための十分な力が、生まれながらにして宿っているということなんだろうと私は思います。

 自尊心を回復するために必要なことは、まず第一に、そうした、自分の内面にある力を拠り所とするのだという覚悟なのだろうと言えるでしょう。

 

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 私は、企業研修や大学の講座などにおいて、自尊心の重要性を訴えてきているわけですが、かく言う私自身が確固たる自尊心をもっているかと言えば、決してそうだとは言えません。

 私は、もともとは、決して自信と誇りを十分に持っていたわけではありません。

 私自身は、高校生、大学のころまでは、自分が好きではありませんでした。

 『本当の自分はだらしなく醜くいやな奴であり、自分の本性がばれたら、必ず人に嫌われる』と思い込んでいたので、人と関わるときは、本音を隠したり演技をしたりして生きていました。

 『本当の自分は、劣っており、弱くて人に勝てる要素なんかない』と思い込んでいたので、そんな自分をさらけ出さないように逆に強がって生きていました。

 自分と同様に、他人も嫌いでした。当時の私にとって、他者は、信頼のおけない怖い存在であり、たとえ友人であっても、心から気を許すことはありませんでした。私にとって、人間関係は、楽しくなく、疲れるものであり、苦痛以外の何物でもなかったのです。

 ですから、私は、まったくと言って良いほど人間関係が苦手で下手くそでした。驚くほどKYであり、そもそも空気を読むとはどういうことかもわかりませんでしたから。(もっとも今でもよくわかっていないのですが。)

 そんな私でも、人生における様々な出会いや体験を経て、少しずつ固さが取れ、不安と絶望が解けていって、少しずつ楽になり、少しずつ自信と他者に対する信頼が回復してきた様に思います。

 現在では、自分も捨てたものではないことを知っており、家族や友人たちも、信頼に値する大切な存在であることを理解しています。人間関係においても、他者に対して少しずつ正直に、素直になり、心を開けるようになってきたように思えます。

 こうした変化は、まさに、すばらしい体験や家族や友人のおかげであり、今あらためてそのありがたさに感謝したいところなのですが、そのような変化は、たしかに周囲の愛や温かさが重要な要素ともなりますが、決定的に重要なポイントは、まさに本人の自尊心であると思います。

 人は断じて無力な存在ではありません、その潜在性や可能性は、想像をはるかに超えて大きいものがあります。

 もし人が輝けていないとしたら、それは、その人の能力や才能がないからではなく、封じ込められているからです。

 太陽が照っていないからではなく、雲が遮っているからなのです。

 だから、立ちこめている暗雲を払い、絶望を癒し、出来ないという呪いを解くことができれば、もともと持っているその人の素晴らしい潜在性が、見事に開花するのだろうと思います。

 そして、立ち込める暗雲を吹き放つものこそが、自尊心なのです。

 私は、自分についての不自然な思い込みや勘違いを解きほぐし、自分自身の素晴らしい輝きに気づいていくための基盤こそが自尊心なのだと考えているのです。

 このシリーズでは、この大切な自尊心をどう回復していくのかをテーマとしていきたいと思います。
 自分自身の体験を交えながらその方法を探求していけたらと思っております。

 願わくば、これを読んでくださっている方々の体験談や方法、考え方も紹介していければとも願っております。

 何しろ、このブログは、コメントをするための設定が面倒くさいのですが、不可能ではありませんので、よろしければ、投稿をお願い致します。

 

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いろいろと始まりました

 春ですね。とうとう4月に入りました。

 4月に入ってから、新入社員研修など、いくつかの案件が動き出しています。

 私自身が研修を担当するものだけではなく、プログラムをご利用いただいて、ご担当者の方々が実施していただけるものも走っており、研修が大成功することをお祈りしている次第です。

 さて、大学も、授業が始まりました。

 
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写真は、大学に関係があるお寺の境内にある桜です。昨日(4/7)とったのですが、すでにずいぶん桜吹雪となってしまっていますが、きれいですね!

昨日の授業では、私の友人で、ずいぶん長くお付き合いさせていただいているお客様が、授業の応援に来てくださいました。友人は、もともと人事部で採用も担当されており、現在では数万人規模の組合組織のトップをお勤めになっていらっしゃいます。

第一回目の授業では、就職活動に勝利するために必要な要件を学ぶというテーマで、自尊心と志の重要性について学びましたが、友人が、それにまつわる採用の具体的な事例を話してくださって、学生たちも、とっても喜んでいました。私は、本当に友人に恵まれている。Sさん本当にありがとうございました。

先日は、庭に今年初めてのちょうちょが飛んできました。これからどんどんあたたかくなって、季節が変わってきますね。

冬の時代に仕込んだいくつかの新商品などが今後どう動いていくか、とても楽しみです。