米、情報管理体制の見直しを指示 機密流出で
2010/11/30 8:13 日経新聞 nikkei.com【ワシントン=弟子丸幸子】米ホワイトハウスが内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」に大量の公電などの機密文書が流出した問題を受け、機密情報の管理体制を見直すよう全省庁に指示したことが29日、分かった。米行政管理予算局(OMB)が通達を出した。省庁ごとに情報分野の専門家によるチームを立ち上げ、機密情報の取り扱い方法の総点検にあたる。
OMBは通達でウィキリークスへの文書漏洩(ろうえい)は「米国の安全保障への重大な損害」と強調した。機密情報へのアクセス権限を徹底して見直すとともに、持ち運びが可能な記録媒体へのデータのダウンロードを大幅に制限することなどを検討する。各省庁が特設するチームはインテリジェンス(情報)対策、安全保障、情報保全の専門家で構成するよう指示した。
今回、ウィキリークスに流出した文書は約25万点にのぼる。28日の公開を皮切りに、米国の在外公館発の公電内容が続々と明らかになっており、米政府が対応に追われている。
政府の機密が暴露されてきていることで、大騒ぎになっていますね。個人的には、こうした暴露は、大いに賛成です。だいたい、政治や外交に隠し事やうそが必要だという考えが当然で一般的であるという認識自体がおかしいのですよ。日常の家族や友人、ご近所同士の関係で、国家が抱えているような大量のうそや隠し事があるでしょうか?もしそんな闇が日常にあったとしたら、相当なストレスになりますし、正直、生活しづらくてしょうがないですよ。そもそも国民には真実を知る権利があるのですから。
信頼関係というものは、取り繕ったり演技をしたりしてはぐくむものではなく、うそや隠し事のない正直なコミュニケーションを通してはぐくむことができるもの。この一件で、米国は信頼を失ったといわれていますが、その意味では、こうした暴露は、世界に蔓延している相互不信の雰囲気を逆に改善していくのではないかと私は思いますね。
温暖化、戦争、飢餓、テロ、など、今の世界は、待ったなしの危機にさらされています。そんな世界に蔓延する闇を解決していくためには、闇に闇をぶつける(戦う)ことではなく、闇に光を当てること、暴露することが一番効果的な方法の一つであると私は思います。うそや隠し事のすべてをオープンにする必要はないとは思いますが、今の政治には隠し事が過剰なほど多いと感じています。願わくば、こうして強引に暴露するやり方ではなく、自発的にオープンにしていくスタイルに変わっていってほしいと願います。