人と組織を進化させるチェインジエージェントとなる②

産労総合研究所「企業と人材」誌に2007年12月号に執筆した記事「人と組織を進化させるチェインジエージェントになる」の原稿を数回にわたってご紹介します。今回は、2回目です。

2.変容する人事部門と教育担当の役割
 リストラの一巡、行き過ぎた成果主義の悪影響の反省、前述のメンタルヘルスの悪化やモチベーションの低下を踏まえて、人事の役割は、変化を迫られている。
 従来の人事の役割は、「管理」という言葉に象徴されるように、要因の適正化、人事コストの低減、自社のコア能力の設定と指導、従業員管理、風紀・規律・勤怠管理、昇進昇格管理等どちらかといえば組織を”守る”役割が期待されていたが、近年では、「能力とパフォーマンスの最大化」といった”攻め”の視点への変化、単なる「保守管理者」から組織活性化に向けての「リーダー」、個人の能力の最大発揮を促すキャリア形成支援の「プロフェッショナル」、21世紀の最重要企業戦略の一つであるコミュニケーションの活性化を通して組織の潜在能力を開発する「コンサルタント」としての役割を発揮する必要性が叫ばれるようになってきた。

 それに伴って、教育担当者の期待される役割も大きく変わっていくと考えられる。筆者は、時代の大きな傾向として、「モデル学習スタイルの教育」から、「キャリア育成支援スタイルの教育」へと重要性や注力する比重が変わっていくだろうと考えている。
 「モデル学習スタイルの教育」とは、すでにモデル化されている正解や見本を反復練習を通して記憶体得していこうとする教育スタイルである。もっともシンプルなモデル学習は、技能教育や資格取得のための教育であり、高度になると、コンピテンシー教育などが上げられよう。
一方「キャリア育成支援スタイルの教育」とは、個人の能力が最大限発揮できるようになるための支援を目的とする教育であり、個々人の個性に対応する必要があったり能力開発に長期の時間を要することからキャリアサポート型の教育スタイルとなる。
 具体的には、メンタルヘルス教育、キャリアカウンセリング、ヒューマンスキルトレーニング、根本的なモチベーションを高めるための教育(自己信頼の回復、キャリアヴィジョン、自己理解、など)、創造性開発訓練、個人の能力を発揮しやすくするためのチームビルディング、メンター制度、組織開発、などが挙げられよう。

 従来の教育は、モデル学習スタイルに偏りがちになっていたが、今まで見本としていた過去のモデルを忠実に実行していた結果として、現状(の悲劇)があることを忘れてはならない。また、今までの権威、見本、モデルは、現状を維持する力にはなっても、必ずしも新しい未来を開く鍵となるわけではない。「能力とパフォーマンスの最大化」を志す”攻め”の風土を作ることを期待されている教育スタッフにとっては、モデル学習スタイルだけでは、十分とは言えないのだ。

 キャリア育成支援スタイルの教育を実践するためには、発想の転換を必要とする。従来の「わが社の従業員は、仕事を効果的に遂行する上でどこかしら能力に欠けており、自ら学ぶ力も足りない。こちらから危機感をあおって行動を促し、正解を示して、教え込まなければならない。仕事上のパフォーマンスを高めるためには、こちらから間違いを指摘し、正し、管理する必要がある」といった発想ではなく、「わが社の従業員には、よい仕事をやり遂げる十分な能力と可能性がある。現状では完璧とはいえないが、自ら学び成長する力がある。仕事上のパフォーマンスをより高めるためには、本人の主体性を尊重し、本来のすばらしい能力を引き出す支援をすることがもっとも効果的である。」といった考え方に転換する必要がある。なぜならば、人間の本来のすばらしい力や可能性を信じることができなければ、それを引き出そうとする試みを真剣に誠実に貫くことができないからだ。

 さらに、「人は断じて無力ではない、その力と可能性は想像を超えて大きい」と言った信念を強く持つ必要がある。なぜならば、キャリア支援スタイルの教育は、えてして従来の発想の立場から、「必要性はわかっているが、現実離れしている」「うちの社員には無理」「経営陣がそんな教育を受け入れるはずがない」などといった反撃を受けることが多いからである。そのような反論、抵抗に怯まずに、人の可能性を引き出す教育を展開することは、並大抵ではない。揺るがない信念が必要なのだ。

 しかし、時代の流れは、確実に、キャリア支援スタイルの教育を必要としている。またそのような教育を実践している企業こそが、現実に飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を遂げているのである。新しい時代の教育担当者は、このような時代背景の中、怯むことなく信念を持って、粘り強く新しい時代の教育に挑戦していく必要があるといえよう。

人と組織を進化させるチェインジエージェントとなる①

産労総合研究所「企業と人材」誌に2007年12月号に執筆した記事「人と組織を進化させるチェインジエージェントになる」の原稿を数回にわたってご紹介します。文字数を削除する前のオリジナル文章です。

<人と組織を進化させるチェインジエージェントになる①>
筆者は、ヒューマンスキルトレーニングに特化した教育コンサルタント会社を経営している。筆者の展開するプログラムのテーマは、「元気と勇気と信頼の回復」である。人や組織を活性化し、パフォーマンスを高めるための方法は、技能トレーニング、工夫された問題解決の方法、人事考課等の制度的アプローチなど、さまざまな方法やツールがあるけれども、根底にある”自己信頼”や”メンバーとの信頼関係”が欠如した状態では、どんなにすばらしいテクノロジーも本来の機能を発揮しないだろうし、逆に、信頼関係は、確かに難しいが、もし本当に育成することができるのであれば、すべてが変わっていく可能性があると考えている。
 筆者は、「人は確かに完璧ではないかもしれないが、決して無力ではない。その可能性と潜在性は、想像をはるかに超えて大きい」という哲学を持っており、その可能性を開く鍵となるものが教育であるという信念の元で、研修を展開している。
 筆者が置いているそのような基盤、考え方に基づいて、同士である教育スタッフにメッセージを送りたい。

1.メンタルヘルスの立場が必要不可欠な職場の現状
 リストラ、成果主義、など、近年の社会情勢や労働環境の急激な変化を受けて、働く人たちのストレスと心の問題が深刻化している。
 厚生労働省の労働者健康状況調査によると、「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある」労働者の割合は、近年徐々に増加し、2002年では61.5%に達した。
 社会経済生産性本部が2006年に実施した「メンタルヘルスの取り組み」に関するアンケート調査によると、6割以上の企業でこの3年間に「心の病」が増加傾向にあると回答しており、心の病のため1ヶ月以上休業している従業員のいる企業の割合は、74.8%と、過去2回の調査結果である2002年の58.5%、2004年の66.8%を超えて大幅に増加し、とうとう7割台に突入している。
 自殺者数も9年連続で3万人を超えるという異常事態となっており、日本は、いまやメンタル不全社会へと突入しているといえよう。

 こうした心の健康問題の多発を背景に、日本の勤労者のモチベーションも極度に低下している。米国調査会社ギャラップによる「職場への帰属意識や仕事への熱意」に関する意識調査(2005年3月)によると、日本人の仕事に対する忠誠心や熱意は、「非常にある」9%、「あまりない」67%、「まったくない」24%となった。14カ国の同様な調査との比較によると、「非常にある」の9%は、シンガポールに並んで最低であり、最も高い米国(29%)の3分の1以下だったことが分かった。
 
 さらに、このような背景のもとで、日本のパフォーマンスレベルも低下しており、財団法人 社会経済生産性本部の「労働生産性の国際比較(2006年版)」によると、日本の労働生産性(2004年)は59,651ドル(798万円)で、OECD加盟の30カ国の中で第19位であり、主要先進7カ国間では最下位となった。

 以上のデータから判断すると、日本の職場の現状は、贔屓目にもうまく行っているとは言い難い状況であり、輝きと創造性に満ちているというよりはむしろ痛みと苦悩に満ちた状況にあるといえるだろう。実際のところ、われわれが直面し変えていこうとしている現状は、決して甘くはないのだ。

ダイアローグに至る過程‐新しい時代のマネジメント⑤

第1ステップ 懸念の解消
人と人とが出会うと、必ず懸念(疑惑、不安)が発生しますが、コミュニケーションが徐々に活性化し、お互いの理解を深めることができれば、自然に解消され、信頼へと変容していきます。

第2ステップ フィードバックと自己開示
信頼関係が醸成されてくると、メンバー個々人の内面で感じていることが、次第にオープンとなっていきます。フィードバックは、相手に映った自分の姿を聴くことであり、自己開示は、今ここで体験している気持ちやアイデアをオープンにしていくことです。
フィードバックと自己開示が行われると、個々人のグループへの関わり方は、真剣でより誠実なものに変わり、お互いに向ける関心や、相互理解が桁違いにレベルアップしていきます。メンバーは、チームの一員であることをしっかりと受け止め、たとえ不快な問題があっても、その問題が、自分とは異なる対象と言うよりも、自分もその問題の一部であると感じるようになり、解決に向けて主体的で積極的、責任あるかかわり方をするようになります。

第3ステップ 認知バイアス(偏見)の解除
深く正確なコミュニケーションが行われるにつれて、内面に隠されていたメンバーの本音や真相に光が当たり、メンバーは、より本当のことを理解するようになります。そのようにして明らかになってきたありのままの現実を正確に認識できるようなると、自分の中で信じ込んでいたさまざまなことが、真実ではなく、単なる誤解であったり、思い込みであったり、偏見であることに気づいてくことになります。
また、自分の立場や価値観、信念を防衛する必要がなくなるので、次第にそれらに固執することが孤独と感じるようになり、こだわりを捨てて、謙虚にメンバーに耳を傾け、正味相手の立場に立って、相手の理解をすることができるようになります。

第4ステップ エネルギーの集中
物理学者デビッド・ボームは、自身の「ダイアローグと思考の研究」のなかで、ダイアローグの状態を超伝導に例えました。
超伝導とは、特殊な合金を冷却して行くと、ある低温下の温度で、電子が自由となり、全く抵抗がない状態となり、非常に大きなエネルギーを生み出すことが可能となる現象を言います。
まさに、ダイアローグは、個々人の潜在能力を開放し、チームが一丸となって、大きなエネルギーを発揮している状態といえましょう。ダイアローグにおいて、メンバーは自由でリラックスしており、お互いに人間としての深い関心が向けられており、発言内容はもちろんのこと、発言者の気持や意図、雰囲気にいたるまでありのままに理解することができるので、交流する情報や感情は、質量ともにけた違いにレベルアップします。話し合いのテーマに対しての深い集中がなされており、出てくるアイデアや企画も創造的で質の高いものになるのです。まさに、生産性や創造性の高い、ハイパフォーマンスな輝かしいチームといえましょう。

<体験学習の地平>
ダイアローグは、そのエネルギーと創造性を武器として、組織を活性化し、組織に決定的な競争優位性と成長力をもたらすでしょう。体験学習は、組織をダイアローグ型に変容する可能性を秘めた非常に優れた学習方法です。今後、その役割はますます重要となってくることでしょう。来るべき素晴らしい時代に向けて、人間性を大切に育む精神を脈々と伝えてきた体験学習が、ますます多くの人たちと組織に役立ち、未来を開く手助けとなることを願っております。

ダイアローグとは‐新しい時代のマネジメント④

「ダイアローグ」は、「対話」を意味する言葉ですが、組織論においては、質の高いコミュニケーション、非常に深い相互理解と柔軟で創造性に満ちたチームの関係性を指し示す言葉として使われており、組織の存続と成長をもたらすキーワードとして注目されてきている言葉でもあります。

 ダイアローグが社会心理学的な用語として使われ始めたのは、実存哲学者マーチン・ブーバーによる哲学書「我と汝」からと言われています。
 ブーバーによれば、私達の関係のあり方は、お互いに利用しあう関係の「我ーそれ」の関係と、お互いに心から全人的に関わる「我ー汝」の関係の2種類があり、後者の際に交わされる会話のあり方を「ダイアローグ(対話)」と呼んだのです。関係性が「我ーそれ」であった場合、もたらされる結果は、葛藤や戦いであり、「我ー汝」のダイアローグの関係であった場合には、相互理解と平和、そして本当の意味での成長がもたらされると考えました。

近年『学習する組織(Learning Organization)』と言う理論、考え方が、経営学において注目されています。もともとは、1970年代にハーバード大学の組織心理学者クリス・アージリスによって唱えられていた概念であり、現在では、マサチューセッツ工科大学のピーターセンゲ教授が中心となり、世界的に広く知られるようになってきています。

 この理論によると、組織の競争力を高め、持続的成長をもたらす最も重要なことは、自ら問題を発見し学習し解決をはかる主体的に成長する「学習する組織」の体質を作ることであり、ダイアローグは、そのような組織を作るための重要なツールとなるとされています。

 体験学習は、コミュニケーションスキルの向上、チームビルディングをもたらす非常に優れた教育メソッドであり、組織をダイアローグ型に変容し、組織のもともと持っている素晴らしい力と可能性を引き出す強力な実践ツールです。
 私は、体験学習を通して、組織をダイアローグ型に変容していくことが可能であり、その際には、以下のステップに従って成長を遂げていくと考えています。

日本のマネジメントの現状‐新しい時代のマネジメント③

日本におけるマネジメントの現状を理解するうえで、2005年3月に実施された、米国調査会社ギャラップによる「職場への帰属意識や仕事への熱意」に関する意識調査が参考になるのでご紹介しましょう。
 調査は、2005年の3月に電話番号から無作為に選んだ千人を対象に実施され、03~04年にすでに実施されていた他国の同様の調査データと合わせると、14カ国の仕事や帰属意識に関する意識を比較、分析することができました。調査結果によると、日本人の仕事に対する忠誠心や熱意は、「非常にある」9%、「あまりない」67%、「まったくない」24%となりました。そして「非常にある」の9%は、調査した14カ国のうち、シンガポールに並んで最低であり、最も高い米国(29%)の3分の1以下だったことが分かったのです。
 このデータによると、日本人の多くが、職場に反感や不満を感じており、会社に対する満足度は、世界の中でも最低クラスであると言えましょう。

 私は、ES(従業員満足)が、企業の成長と存続にとってきわめて重要な要素であると考えております。よく、企業戦略の柱として、多くの企業でCS(顧客満足)を訴えていますが、私は、顧客満足主義を主張する大前提として、働く従業員が仕事や職場に満足し、自信と誇りをもって仕事に従事できている必要があると考えているのです。
 そのような視点から考えると、この調査データは、最近の日本の経営に何か大きな間違いがあることを証明しているのではないでしょうか。もちろん、従業員の問題もあるだろうとは思いますが、謙虚に、自分たちのマネジメントの方向性、施策、哲学をもう一度見直してみる必要があるのではないでしょうか。

 米国心理学者M.セリグマンは、「学習性無力感」の理論の中で、不快なショックと報酬(あめとムチ)によって動物を教育しようとしたところ、動物は決して学習成長することなく、逆に無気力となり、うつ状態になってしまった実験を報告しています。「学習によって無力になる」とは、何と皮肉なことでしょう。私たちも知らず知らずのうちに他者にハッパをかけてコントロールしようと働きかけることを通して、うつを生み出してしまっているのかも知れません。自らに厳しく問い直す必要があるといえましょう。
 人は、自分らしく輝いているときには、想像もつかないような大きな仕事をやり遂げる力がありますが、うつ状態に陥れば、考えられないような失敗や問題行動を起こしてしまう危険性もあります。
 厳罰によって従業員の行動を管理しようとしたマネジメントが、大惨事を招いた事例は、枚挙に暇がありません。

 前述の「メガトレンド2010」の中において、弱肉強食で、適者生存が謳われる市場至上主義の米国であっても、単なる取引や契約で働くのではなく、情熱や信頼、愛社精神を持って働いてもらうことが組織の存続や成長に絶対不可欠であることを理解し、その対策をとっている企業こそが高い成長と収益を遂げている事例がたくさん紹介されています。
 日本の企業も、いつまでも、旧時代の遺物であるあめとムチによるマネジメントにしがみついてはいけません。今こそ、もともとあった日本のよきスピリットを生かし、信頼と情熱に基づいた、明るさと楽しさと冒険に満ちた経営に切り替えていく必要があります。
 人は、本気を出せば、本当にすごいことができるものです。その可能性と潜在性を信じて、人を大切にする、お互いに理解を深め合い、協力し合える体制を作っていくことが大切なのではないでしょうか。
 私は、来る「意識の高い資本主義」の時代に、この協力し合える体制作り、チーム作りが最も重要な経営課題の一つとなると考えています。またそのような素晴らしいチームを作るための重要なキーワードが、「ダイアローグ」であると考えております。

B動機とD動機‐新しい時代のマネジメント②

 時代の大きな変化に伴い、日常のマネジメントの考え方も変わっていく必要に迫られています。来るべき時代のマネジメントは、どのように変わっていくべきなのでしょうか。
 そのヒントになる考え方として、社会心理学者マズローは、一つの提言をしています。

 マズローによると、人が行動を起こす動機は、大きくD動機とB動機に分類できるとされています。
 D動機とは、欠乏動機の意味であり、「自分には、何かが足りない」と認識している人が「足りない何かを満たさなければならない」と思い、自分以外の何かを求めてそれを得ようとする欲求を言います。それは、恐怖や不安に基づく動機でもあり、「そうしないと怖いからする」といった焚き付けられるような渇望ともいえましょう。
 一方、B動機とは、Be(存在、実存)から来る動機であり、自分自身の内面にある価値を表現していきたいと願う自己実現の欲求であるとされています。B動機は、欠乏動機を追い求めることではなく、むしろそこから脱して自由となった人に訪れる欲求であり、「本当にそうしたいからする」といったシンプルで自然な欲求であり、健全なチャレンジ精神の根源ともなるので、その人の本来の潜在的な可能性とも言える動機ともいえます。

 マズローは、従来の経営管理は、人のD動機に働きかけて、コントロールしようとする権威主義的なものが多く、その方法は、次第に機能しなくなるだろうと予測し、これからのマネジメントは、人の本来の力や可能性を引き出すB動機に働きかけるものであるべきであり、そのようなマネジメントこそが、人の本来のすばらしい創造力を引き出すのだと述べています。
 マズローは、『人はだれでも、より高次の価値を体現したいという生まれながらの欲求を持っている。ちょうど亜鉛やマグネシウムを摂取するという生理的な欲求が、生まれながらに備わっているのと同じように。このことは、より高次の欲求や動機付けが生物学的起源を持つことを明確に示している。あらゆる人間は、美、真実、正義といった最高の諸価値を求める本能的欲求をもつのである。この考えが理解できれば「何が創造性を育むのか」が問題ではないことが理解できよう。真に重要な問題とは、「誰もが創造的とは限らないのはなぜか?」ということなのだ。』と述べ、創造的ではない人材にしてしまっている原因は、人の能力のなさではなく、人間性を軽んじるD動機に働きかけるマネジメントのあり方にあると問題を提起しているのです。

 また、マズローは、『厳格な権威主義的経営管理スタイルから参加型の経営管理スタイルへと移行し、権威による厳格な規制が取り除かれた直後は、無秩序状態が生じ、鬱積していた敵意や破壊性などが噴出してくる。』とも言及しており、進化に伴う痛みについても示唆していますが、今まさに起こっているさまざまな悲劇は、まさに変わろうとしている社会の産みの苦しみなのかもしれません。そう考えると、時代のダイナミズム、大きなうねりを感じます。また、戦争や多くの悲しみの先にあるものは、絶望ではなく、新しい社会の可能性なのかもしれません。

参考文献「完全なる経営」マズロー著

意識の高い資本主義へ-新しい時代のマネジメント①

 急激に進化する科学技術、高まる社会不安と緊張、続発する企業犯罪やトラブルなど、近年の経済環境は、まさに激動、混沌の状況にあります。存続と成長を志す企業組織にとって、このような時代をどうとらえ、今後に向けてどう舵を切っていくべきなのでしょう?
 一つの考え方として、実に明確に来るべき時代を描いている本『メガトレンド2010』をご紹介しましょう。
 著者パトリシア・アバディーン氏は、1982年に『2000 黄金世紀への予告』を出版しており、その中で、いち早く「情報化社会」の誕生について述べています。
 本の中では、1960年~70年のどこかで微妙な大変化が起こり、富の源が、土地や資産から、情報に移っていったと発表したのでした。この考え方は、当時はまだ異論があり受け入れられなかった考えですが、1990年代よりハイテクの時代の流れとあいまって、現在では、110兆円の産業となって花開いており、その予測の正しさが証明されました。
 アバディーン氏は、『メガトレンド2010』において、今現在では、その「情報の時代」も既に終わりを告げ、密かにただならぬ変革が進行し、新しい時代が始まろうとしていると主張しています。
 その変革とは、価値の源泉が「情報」から「意識」へと変わる変化であり、「人間の意識」が、資本、エネルギー、テクノロジーと同じ、又はそれ以上にビジネスにとって貴重なものとなってきていると考えているのです。
 本書によると、資本主義は、人間の貪欲さや野心、競争心を原動力として大成功を収めてきたわけであるけれども、1990年代より、世界的な同時株安の傾向、企業の会計疑惑、数多くの企業犯罪、環境破壊、石油と医療費の高騰、格差の拡大などの経済動向や、テロ、戦争、国家間の緊張、など、きわめて不安定で不確実な社会動向を受けて、そのようなむき出しのエゴイズムが、社会の中で見直されるようになり、次第に受け入れられなくなってきていると同時に、環境に配慮し、企業倫理を尊ぶ会社が注目され、売上を伸ばし、高い収益性を確保し、株価も上昇するといった傾向が出てきていると報告されています。
 かつて経済誌において「社会を気遣う投資家は、心根の優しい間抜けで、平均にも満たない収益しか上げられない」と書かれていたように、従来までは、企業の収益性や競争優位性、成長力が尊ばれており、社会的な配慮のない時に強欲で強引に振舞う企業こそが収益性を高め最終的には生き残ると信じられていたわけですが、このような考えは、実は的外れな勘違いであり、現実には、社会を気遣う高い意識を持った企業こそが、現在では高収益企業となっており、逆に、労働搾取、環境への無理解など、悪いイメージや反感を持たれるような経営スタイルの企業は、収益性が悪化し、成長が鈍化していると報告されているのです。
 今後もこの「企業の社会的責任」と「ビジネスにおける精神性」が重視される傾向はより一層強くなり、これからの10~20年で、むき出しのエゴによる「欲望の資本主義」から、啓発された利己心による「意識の高い資本主義」にシステムは変化を遂げることになるだろうと予測しています。

<参考文献>
「メガトレンド2010」ゴマブックス 著者パトリシア・アバディーン

あなたに必要なこと

   あなたに必要なこと

人生に奇跡と栄光をもたらすものは何か?

それは、決して特別な才能でも超能力でもない。

あなたはすでに偉大なる成功をもたらすための十分な才能と力量を備えている。

あなたの中には、今はまったく想像もつかないほどの奇跡がまどろんでいる。

あなたに必要なことは、特別な防具や武器を身につけることではなく、

ただそのことを知ること。

自ら絶望し、恐怖することをやめることである。

 

厳しい試練を乗り越えてきた偉大なる勝者たちは、このことを知っている。

彼らは、道は拓けることを知っている。

未来は、自分で創造できることを知っている。

自分には、乗り越えられない苦難はないことを知っている。

そして、一歩を踏み出す勇気こそが未来を拓く宝であることを知っているのだ。

 

七難八苦、癒しようがない悲しみ、

痛み、憎悪、救いようのない絶望、乗り越えられない壁、…、

人生の中に訪れるのは、礼儀正しいお客様ばかりとは限らない。

しかし、決してうろたえてはいけない。

青い鳥は、決してどこか遠くにいるわけではない。

創造性の根源は、今ここに、あなたの中にこそある。

あなたの中にまどろんでいる可能性は、途方もなく強く大きい。

あなたに必要なことは、ただそのことを知ることである。

自分に対する信頼と信念が、

粘り強さ、協力者、新しい出会い、奇跡を引き寄せることを覚えておきなさい。

あなたに必要なことは、特別な何かではなく、自分を愛し、心から信じることなのである。

受け入れるということ

                      受け入れるということ

受け入れるということ、それは、拒絶することとは違う。

拒絶することは、受け入れないことであり、受け入れることではない。

受け入れること、それは、同意することとは違う。

同意することは、他者の言うことを正しいと自分が思うことであり、

受け入れることは、他者がそれが正しいと主張していることを理解することである。

同意していなくとも受け入れることはできる。したがって、受け入れることと従うことは違う。

受け入れたからといって、従う必要はまったくない。

また、従うことは受け入れたことの証明ともならない。

受け入れなくとも従うことはできるからだ。

受け入れることは、好きになることとも違う。

好き嫌いは実はたいした問題ではない。

食べ物の好みが時とともに変わるように、好き嫌いは移ろいゆくもの、本質的なものではない。

乗り越えられるのだ。

 

受け入れるとは、相手のありのままを受け止めて、ありのままを理解すること。

受け入れるとは、相手を裁いたり、操作したり、変えようとすることではない。

そのままの相手を、そのままに理解しようとすることである。

受け入れることは、途方もない大きな力を持っている。

それは、北風ではなく太陽の力。暴力ではなく、優しさの力。

改善の力ではなく、革命の力なのだ。

受け入れることは、分離感をいやすということ。

あなたがいったん受け入れることを始めたら、あなたと世界の間で存在していた幻想の壁、断絶、分離の緊張が和らぎ、癒され、内と外が共鳴し始めることに気づくだろう。

不安や恐怖は、分離感の申し子。

分離感が弱まれば、不安や恐怖も鎮まる。

受け入れることは、不安と恐怖の根本をいやすのだ。

受け入れることを通して、あなたは、より自由になり、より自分らしく輝くようになる。

あなたが変われば、周りも変わる。

あなたの輝きを受けて、あなたがかかわる人たちが、次第に、微妙に、根本的に変わってくることを次第にあなたは気づくだろう。

受け入れることは、愛するということ。

愛するということは、まさに、太陽の力。

自分も他人もより自分らしく自由で輝かしく力強いあり方へと優しく変容を促すのだ。

勇者となる

  勇者となる

気高く生きなさい

あなたは、もともと途方もなく気高い

あなたは、今考えているようなちっぽけな存在ではない。

あなたは、成長の途上にいるのであって、ゴールにいるわけではない。

だから、あなたができることが、あなたの能力の全てというわけではない。

あなたには、あなたが想像もしていないような奇跡がまどろんでいる。

あなたの夢とロマンの冒険は、これからもまだまだ続くのだ。

 

成長を楽しみなさい。

あなたの頭には、どんなに危険な罠をもくぐりぬけていく叡智を持ち合わせている。

あなたの腕には、どんなに強い敵をもなぎ倒すパワーがみなぎっている。

あなたの足には、空をも駆け抜ける速さを秘めている。

あなたの腹には、怯み動じることのない胆力が悠然と立っている。

あなたの喉には、響き渡る力強く美しい言葉を生み出し、諸国を従わせる力がある。

あなたの胸には、どんなに深い悲しみをも癒すやさしさがある。

 

あなたは、仲間をいつくしむ聖母である。

あなたは、全てを理解する賢者である。

あなたは、群雄割拠する猛者を束ねる覇者である。

あなたは、見捨てたり裏切ったりしない友達である。

あなたは、川であり、山であり、海であり、あらゆる自然である。

あなたは、太陽のように仲間を勇気付けるリーダーである。

あなたは、数千万の兵を束ねる百戦錬磨の勇者なのだ。

 

取り越し苦労をして、つまらないことを考えているときではない。

いまは、戦いのどらを鳴らすときである。

勇ましく胸を張って、剣を大空に高らかと掲げ、

駿馬にまたがり、第一歩を踏み出しなさい。

かつて勇者が、あらゆる奇跡を起こしてきたように。

あなたにも同じ生き方ができる。

なぜならば、あなたは、もともと気高い勇者なのだから。