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ポリヴェーガル理論①「ポリヴェーガル理論とは」

近年、大脳生理学、心理学、神経生理学などの進化が目覚ましく、今までにはなかったような新しい人間観、真実、深い人間理解を助ける本質的な真相が明らかになってきました。

その中でも、ポリヴェーガル理論は、現代の精神医学やセラピー、教育の分野で、まさにコペルニクス的なイノベーションをもたらしています。私自身も最近詳しく学ばせていただき、その深さと真実味にとても驚き、感動し、現在探求を深めております。さらに、また自分自身の研修や教育のあり方にも大変参考になっており、今後もますますプログラムに生かしていきたいと思っております。

このブログでも、数回に分けて考え方、ポリヴェーガル理論の理論と考え方、人間観をご紹介していきたいと思います。

ポリヴェーガル理論とは、米イリノイ大学教授、ステファン・ポージェス博士が1994年に発表した理論であり、従来の脳神経に関する常識を覆すような精神医学上、大きな革命を起こすきっかけとなりました。

ポリヴェーガルのポリとは、複数と言う意味であり、ヴェーガルは、迷走神経と言う意味です。

いわゆるポリヴェーガルとは複数の迷走神経と言う意味です。

迷走神経とは、その大部分が副交感神経であり、肺、心臓をはじめとして多くの臓器に広く影響をあたえている神経ネットワークです。

従来、自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類であり、相互に補完しあいながら生体のバランス(ホメオスタシス)を整えていると考えられてきました。

しかし、ポージェス博士は、副交感神経が大半を占めている迷走神経は1種類ではなく、2種類(複数)あることを発見し、人は、この2種類の副交感神経と交感神経の合計3種類によって、生命活動が営まれているということを提唱したのです。

次回以降、この発見の重要性と意味、もたらす変革についてご紹介していきましょう。

【参考文献】

・「ポリヴェーガル理論入門」ステファン・W・ポージェス 著 春秋社

・「身体はトラウマを記録する」べッセル・ヴァン・デア・コーク 紀伊国屋書店

【関連記事】

 

リヴェーガル理論①「ポリヴェーガル理論とは」

ポリヴェーガル理論②「進化プロセスを記憶する身体」

ポリヴェーガル理論③「認識や判断ではなく生理学的反応」

ポリヴェーガル理論④「人が人として生きられない時 トラウマの呪い」

ポリヴェーガル理論⑤「自分らしく生きるとは」

ポリヴェーガル理論⑥「自分らしさを取り戻すために」

システム思考の特徴

<システム思考の特徴>

・悪者を決め付けない

システム思考の特徴は、問題の原因を安直に特定しないことと言えます。

システム思考では、問題は、その原因として一直線に特定することはできずに、複雑なシステム行動の結果としてあらわれていると考えており、その複雑なシステムを丁寧に紐解き、ありのままを理解することが最も大切なことと考えているのです。ですから、全員参加で、現状のシステムの仕組みを分析することを徹底的に行っていくのです。

 

・すべてを明らかにする

複雑なシステムを構築する要素は、その構成員の心理状態をも含まれています。ですから、普段は潜在化して表には出ていない様々な感情や思い(込み)、考え方などが明らかにされていくことになります。もちろん内面をオープンにしていくためには、信頼関係の構築が必要となりますが、そのような関係性のない状況で強引に開示されていくわけではなく、コミュニケーションを通して、お互いに内面をオープンにすることを許すことができる風土の元で、顕在化のプロセスはゆっくりと進んでいくことになります。

また、システム思考においては、不可侵の領域や治外法権領域を作ることはできません。ですから、問題解決に当たって、ありのままを明らかにしていくこと、部門や階層を越えた全社的な問題解決を図ろうとする試みであることを、事前に経営トップと合意し、許可や協力を取り付けておく必要があります。

 

  • 全員参加型

一部の特定のエリートによる問題解決ではなく、関わるすべての人が参加することが望まれる問題解決法です。組織内のシステムの現状やダイナミックスを明確にしていくためには、システム思考による問題解決を図る場合には、あらゆる階層から、あらゆる機能から、できれば全員が、少なくとも立場や機能を代表する人が参加する必要があります。

 

  • メンタルモデルの解除

表面化している問題は、たいていの場合、システム全体の問題(限界)によるものと言えますが、システムの問題は、たいていの場合、それが構築されたときのメンバーのメタルモデルと呼ばれる思い込みや勘違い、狭い意味での信念、世界観が元になっていることが多いといえます。その意味では、問題解決の本質は、その古くて機能しづらくなっている過去の世界観や信念体系、メンタルモデルを解除して、より現状に即したより持続的成長が可能となる自然で健康的なシステムに移行することといえましょう。

システム思考

システム思考とは、マサチューセッツ工科大学のピーターセンゲ教授が中心となって提唱されている“Learning Organization(学習する組織)”へと導くためのひとつの原則です。

従来の問題解決技法や考え方では、組織の問題を解決しようとした場合には、まずは、その問題の原因を明らかにし、その本質的な原因を排除するか変えることによって解決を図ろうとするものですが、センゲ教授によると、組織の中で起こっている問題というものは、原因→結果という直線的なかたちで整理して説明しつくせるものは少ないとされており、たいていの場合、複雑にかかわりあったさまざまな要素の相互関係の結果としてあらわれているものであり、その意味で、全体のシステムに焦点を当てて、現状のさまざまな要素の関係性としての現状のシステムを理解して、全体のシステムとしての改善を図っていく必要があるという考え方です。

従来の考え方では、問題を解決していこうと考えた場合には、その問題は、“私”とは異なるやっかいな“対象”として認識されているのですが、システム思考においては、“私”もシステムを構築する一員であるので、“私”も問題を生みだしている一因であり、その意味では、問題と私は分かつことはできないのです。ですから、私が変わることを通して、システムが変わり、全体が変わることを通して問題が解決されている方法と言えます。

従来の問題解決の思考法は、単純化、還元化に基づいており、物事をありのままに見るというよりは、観たいものだけを見る、必要(と思い込んだ)なものだけを観ることによって解決策を練るので、時には、部分的で本質的ではなく、短期的で長期的にはより多くの問題を発生させてしまう、不自然であり現場に即していない、無理があり問題解決行動に賛同を得づらい、などの問題が良く起こっていましたが、システム思考は、複雑で相互に入り組んでいる現実の姿をありのままに紐解き認識していこうとする方法であり、より現状に即した、よりリアリティのある、より自然で効果的な問題解決を促進することができることが多く、もちろん問題解決に参加しようとするメンバーの参加意欲も非常に高くなることが多いのです。

一部エリートによる変革計画に基づく問題解決策ではなく、多くの人に関わってもらい、全員の叡智を出し合って、本当のことを知り、本当に必要な対策を立てることができるシステム思考は、新しい時代、まさに21世紀型の思考法、問題解決方法といえましょう。

学習する組織

近年『学習する組織(Learning Organization)』と言う理論、考え方が、経営学において脚光をあびております。もともとは、1970年代にハーバード大学のクリス・アージリスと言う組織心理学者によって唱えられていた概念であり、現在では、マサチューセッツ工科大学のピーターセンゲ教授が中心となり、世界的に向けて広く知られるようになって来ました。

ちなみに、予断ですが、クリス・アージリスは、私の大学時代の卒論のテーマの一人でもありました。当時は、この概念は今ほどメジャーではなく、時代の変遷とともに、進化し、重要度が増してきたのだろうと思います。

今回は、『学習する組織 「5つの能力」』(ピーター・センゲ他著 日本経済新聞社出版)と言う名著から、学習する組織についてご紹介します。

学習する組織とは、『学習と成長意思をもった人間に、成長の機会を与えながら、自らも学習し、進化する組織』と言う意味であり、学習する組織の中では、『個人は、単なる労働力ではなく、主体性と成長への意思をもった自由な人間である。また、この個人は互いに信頼し合い、目標を共有し、協働する。その組織や決して孤立した一匹狼的な個人の集団ではなく、また、個人の主体性が未成熟な馴れ合い、もたれ合いの組織でもない。個人が学習の機会を与えられ、互いに学びあうことによって、組織も学習・成長していく。そうしたプロセスを通じてチーム力、組織力が高まり、新しい知や価値観が創造されていく』ことになります。

学習する組織を実現していくためには、具体的には、以下の5つの学習領域があり、それらの訓練を通して、学習する組織へと変容することが出来るとされています。

1.システム思考

さまざまな出来事は、単なる“原因→結果”と言う線的なつながりで理解できるものではなく、相互にかかわりあう複雑なシステムが背景にあり、そのシステムの構造と変化のパターンを捉え、理解していく必要がある。そのシステムには、それを観察する自分自身も構成要素のひとつとして含まれており、問題解決に当たっては、自らも問題にかかわりあう一員として主体的に働きかけていくことになる。

2.自己実現

一人ひとりが主体的に成長を遂げていくことを支援することであり、構成員一人ひとりの継続的な学習によって、学習する組織は成り立つという考え方。

3.メンタルモデル

メンタルモデルとは、思い込みや偏見と言った、心の中に固定化されたイメージや仮説を言います。メンタルモデルは、認知や反応パターンに大きく影響を与えるので、個々人の中に閉ざされているメンタルモデルに光を当てて、検証し、必要に応じて改善していくことが、本質的な変化とまったく新しい行動を生み出す基本となる。

4.共有ヴィジョン

組織のメンバー全員が持つ、共通の方向性、目標、理想、ヴィジョンである。このヴィジョンを創造し定着するためには、個々人が自由にヴィジョンについて話し合えるオープンな環境やネットワークが必要となる。

5.チーム学習

チームであることは、個人の能力を凌駕すると言う考え方に基づいて、チームであるために必要な要素を学んでいく必要性を訴えている。チーム力を高めるために、具体的には、ダイアローグやスキルフル・ディスカッションと呼ばれる質の高いコミュニケーションのあり方が提示されている。

 

私どもは、以上のいずれも、新しい時代の組織を考えるにあたって、非常に参考になる指針だと思っております。

弊社にとってもこの考え方は、基軸となっているもののひとつであり、大切にしていきたいし、さらに探求していきたいと考えております。

対話の5つのレベル

対話の5つのレベル

~創造性とイノベーションにつながる関係性とは~

レベル1「対立関係」
お互いにお互いを受け入れておらず、お互いの分離感が強く、結果的に意思疎通が難しい対立的な関係性となる。
話し手は、本音を語らず、言葉少なく、分かりづらく、時に嘘がある。聞き手は、相手の話を聞く意欲や意思を持っていない。相手の話を聞こうとはせずに自分の主張を押し通そうとする。

レベル2「演技の関係」
お互いに近づこうとするものの、相手に対する懸念が強く、警戒しており、相手と関わることについての不安が強い。ただ、関係性を壊したくない意向もあり、自分の本音や不安を知られたくないと同時に相手に与える自分の印象を良くしたいと言う意図のもと、操作的に相手と関わる演技的な関係性となる。
話し手は、慎重に礼儀正しく(時に慇懃に)当たり障りのない表面的な事を話す。聞き手は、相槌を打つなど、聞く意欲見せるが、それは聞くふりであって、実際は相手の話に関心がない、または受け入れてない、または考え事をしている、または反論を練っている、などの理由で聞けていない。

レベル3「取引の関係」
相手を利用しようとする意志をもって(秘めて)関わる。お互いに日常的な関係性を育めるけれども、それは相手を道具として利用できる範囲内に限られる。
話し手は、ある程度の本音を開示するものの、自分の不利益にならない程度のものに限られる。聞き手は、聞く姿勢は見られるものの、聞きたいところだけ集中して聞く、返答を考えながら聞く、話を途中でさえぎって自分のことを話す、などの限界がある。

レベル4「相互理解の関係」
お互いに信頼関係を育もうとする意志をもって関わる。相互理解が深まり、信頼関係が育まれる。協力関係ができることによって生産性、効率が高まる。
話し手は、相手に分かりやすく伝わるように思いやりをもって話そうと努力する。聞き手は、聞く意思をもって聞く。相手が何を言いたいのかを注意深く聞く。ただ、自分の欠点や弱み、本音の部分などの自己開示が難しく、対話は論理性が重んじられる。

レベル5「共感の関係」
信頼関係をベースに、リラックスと集中を元にしたエネルギーの高い場ができており、相手の話の内容のみならず、相手の感情に対する気づき、共感的理解が起こっている。
話し手は、本音や真実のみが語られ信頼に値する。聞き手は相手を尊重し、相手の立場になって聴く。相手を他人とは思わずに親しい家族と思って聴く。
自分の弱み、不都合、時に不利益となる自己開示も含めて、開示される情報は正確で正直であり、誤解のない真実の関係性が構築されており、高度な問題解決や創造性の源泉となる。

kindle本「自尊心が全てを変える」 ⑥自尊心を回復するということ

(以下、kindle本「自尊心がすべてを変える」より抜粋)

⑥自尊心を回復するということ

ちなみに、自尊心を回復するということは、別人になるということではありません。

あすなろは檜になることはできませんし、ひまわりはバラになることはできません。

自尊心の回復とは、特殊な努力をして別人になろうとすることではなく、もともとの自分の輝きを取り戻そうとする試みです。

人は、多くの場合、自分の周囲に自分を囲い込み、封じ込める自分への呪いともいえる否定的な信念を持っているものです。

「ダメ人間」「運が悪い人間」「必要のない人間」「何をやらせてもうまくできない人間」「人に嫌われる人間」「生まれてこなかった方が良かった人間」・・・。

自尊心の回復とは、そうした呪いから自由になるということです。新たな信念を植え付けて自分を洗脳するということではなく、すでに植え付けられてしまっている呪い(思い込み)を解き、自由を取り戻すことを意味しています。

自由を取り戻した自分は、いまの想像をはるかに超えて輝かしく、力強いものなのです。

人は、別人になることはできませんが、自分らしい輝きを取り戻すことなら不可能ではありません。あなたは、本来のあなたでいる時こそが一番輝いている。ひまわりはひまわりとして堂々と咲いている時にこそ、一番輝くのです。

本書では、私の体験を通して学んだこと、さまざまな心理学上の理論を通して、大切な自尊心をどう回復していくことができるのかを探求していきたいと思います。

自分のことを好きになれずに困っている人、もしくは、そうした知り合いを応援したいと願っている人たち、大歓迎です。今困っているからこそ、起こる奇跡も大きいのだろうと思います。ともに、本書を通して、探求を進めていきましょう。

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当ブログにおけるkindle本「自尊心がすべてを変える」の一部紹介シリーズは、ここまでです。

ちなみに今回ご紹介した文章は、以下の全目次の中の「第1章 自尊心の回復が全てを変える 1.自尊心とは」の中の①~⑥まででした。

【kindle本「自尊心がすべてを変える」目次】

第1章 自尊心の回復がすべてを変える

1.自尊心とは

①自尊心とは

②自分を好きになっても構わない、と言うか好きにならなければ大変なことになる

③日本人の自尊心は病んでおり、心には痛みが潜んでいる

④日本が国力を失ったのは自尊心のせい?

⑤人は変われる

⑥自尊心を回復するということ

2.あらゆる心の闇は自尊心の欠如から生まれる

①心の闇の根本的な原因とは?

②健全なハートには強い免疫力がある

③自尊心の低い人の内面で起こっていること

④あらゆる心の闇は自尊心の欠如から生まれる

⑤不健康なハートは、愛すれば愛するほど愛する人を傷つけてしまう

3.自尊心の回復がすべてを変える

①私が体験した自尊心回復のプロセス

②自尊心の回復がすべてを変える

③自虐は、最凶最悪の弱い者いじめ

④自尊心を回復し、自分らしく堂々と生きよう

第2章 自尊心回復の7つの原則

第1原則「自灯明法灯明」

<エクササイズ 「自尊心回復のための基盤づくり」>

第2原則「自尊心を巡る誤解を解く」

①「自分を愛する」ことと「自己愛」は違う

②「こだわり」と「頑固さ」は違う

③「謙虚さ」と「自虐」は違う

④「自分にまける」のは「弱い」からではない

⑤「自分を信じる」ための条件なんかいらない

⑥利己主義と自尊は違う

<エクササイズ 「自尊心を巡る誤解を解く」>

第3原則「リラックスと集中」

①リラックスは最強最善のスキル

②優等生症候群

③なぜリラックスがこんなに難しいのか?

<エクササイズ 「リラックスを深める瞑想」>

第4原則「自分を受け入れる」

①「ありのままの私」とは

②受け入れるということ

③自分を受け入れるということ

<エクササイズ 「ありのままの私を受け入れる」>

(1)ありのままの私を受け入れられていないと言う現状を理解する。

(2)ありのままの私を受け入れるための瞑想

第5原則「自分に対する攻撃をやめる」

①自分の欠点に対する扱い方

②自虐は最凶最悪の弱い者いじめ

③自虐の生き方は過去の亡霊に支配される生き方

④人は、自分で生き方を選べる

⑤自虐を止める

⑥自己嫌悪ではなく反省をする

⑴現状認識

⑵原因探求

⑶対策

⑦忠実であるべきものは過去の亡霊ではなくこころざし

<エクササイズ 「前向きに自分と向き合う」>

第6原則「自己犠牲ではなく自己選択として生きる」

①自己犠牲は美徳?

②自己選択として生きる

<エクササイズ 「自己犠牲を見直す」>

第7原則「恐怖から自分自身を取り戻す」

①恐怖心とは

②マズローの欲求理論に基づく恐怖論

⑴生存危機の恐怖

⑵衣食住の恐怖

⑶疎外の恐怖

⑷存在価値の恐怖

③自尊心を持って生きる

<エクササイズ 「恐怖と向き合い恐怖を癒やす」>

第3章 自分を生きる勇者となる

1.そもそも“私”とは

①“私”とは?

②“私”とは体?

③“私”とは感情?

④“私”とは思考?

⑤“私”とはなぞ?

⑥“私”のなぞは、夢と冒険に満ちたロマン

2.自尊心を生きる

①成長とは

②恐怖を乗り越える

③理想を定める

第1ステップ 自分の使命に気づく

第2ステップ 自分の理想を定める

④自尊心をもって理想を生きる

 

以上が、kindle本「自尊心がすべてを変える」の全目次です。自尊心回復に向けての考え方を分かりやすく解説している良い本だと思います。続きはぜひ本でご覧ください。

 

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kindle本「自尊心が全てを変える」 ⑤人は変われる

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(以下、kindle本「自尊心がすべてを変える」より抜粋)

⑤人は変われる

実は、私自身が、若いころは(今でもときどきそうですが)、はだはだしく自尊心が欠如した人間であり、自分も嫌いだったし、人も嫌いでした。人間関係なんて煩わしく疲れるもので、さまざまな問題行動を起こし、関係各所の方々に多大なる迷惑をかけてきた人間だったのです。

そのような人間が自尊心について語るのはおこがましいのですが、だからこそ、自尊心が欠如した人たちの痛みが良くわかるし、その重要性も良くわかるので、こうした話をさせて頂いております。

そんな私でしたが、さまざまなすばらしい人達と出会い、関わりながら、さまざまな仕事に挑戦し、探求していくことを通して、ゆっくりと徐々に徐々に不信と絶望が解け、肩の力が抜けてきて、自分も捨てたものではないということが理解できるようになると同時に、人間関係も決して恐怖と不安、戦いと傷つけあいではなく、その本質は、明るく、温かく、ダイナミックでエネルギッシュであり、むしろ自分を元気にさせてくれる尊いものなのだという確信を得ることができるようになりました。

現在では、若いころの自尊心が低く問題ばかり起こしていたころの私には、まったく想像もつかなかったような素敵な仕事、人材育成、教育の仕事に関わることができるようになっています。

そんな体験を通して、「人は変われるのだ」と私は信じています。人は、たいていの場合、自分で思っているほどちっぽけな存在ではなく、その潜在性や可能性は、人の皮肉な思惑をはるかに超えて偉大であると私は考えています。そうした大きな可能性を引き出すことができるカギこそ自尊心であり、自尊心の回復が、健康で幸せな生き方、自分らしく力強い生き方を導くのだと私は思うのです。

 

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kindle本「自尊心が全てを変える」 ③日本人の自尊心は病んでおり、心には痛みが潜んでいる

(以下、kindle本「自尊心がすべてを変える」より抜粋)

③日本人の自尊心は病んでおり、心には痛みが潜んでいる

しかし、残念なことに、この自尊心について、日本では大変大きな問題を抱えていると言われています。

結論から言えば、さまざまな国際比較の意識調査から、日本人は、世界の中で、自尊心が低く、自分に対して否定的、自虐的な傾向が大変強いということが分かってきています。

日本人は、世界一自分はダメ人間だと想い、計画を立ててもやりとげる自信がないと感じており、世界一孤独感を感じており、世界一夢を持てないと思っているのです。

日本人には謙譲の美徳と言うものがあり、こうした意識調査では、自分を良しとすることができないのだと主張する人がいますが、自分をダメだと感じ、人と関われずに引きこもり、希望を持つことができない心情は、決して健全な謙虚さではありません。

謙虚さと自虐は違うのです。謙虚さは、自分も他人も大切な存在だと思える心情であり、末永く良き人間関係が続く可能性がありますが、自虐の人はそうではありません。

自虐の人は、初めのうちは腰が低く謙虚な人のようにふるまえますが、時間がたって関係性が近くなればなるほど、自分に対するやり方を人間関係にも投影するようになり、自分に攻撃的であるように、近づいてきた他人に攻撃をするようになってしまうので、末永く良い人間関係をはぐくむことが困難なのです。

さまざまな考え方がありますが、私は、日本人の自尊心には、問題があると考えています。
自分が嫌いであり、自分は愛されておらず、いなくても良い存在なのだと感じている人が多いのではないかと考えております。

自分のことを好きになるという当たり前のことができないがゆえに、生きづらさを感じている人、困難を抱えている人が多いのではないかと感じているのです。
 

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kindle本「自尊心が全てを変える」④日本が国力を失ったのは自尊心のせい?

(以下、kindle本「自尊心がすべてを変える」より抜粋)

④日本が国力を失ったのは自尊心のせい?

自尊心は、人の経済力にも影響を及ぼすと考えられています。自分に自信がなく、うしろ向きで、引きこもりがち、挑戦をせずにびくびくと生きるような生き方をしていたら、きっとその人が本来成し遂げうる輝かしい可能性が封じ込められてしまうことでしょう。

最近の日本は、かつて「ジャパン アズ ナンバーワン」と言われていた世界経済の頂点を極めつつあった黄金時代と比べて、その輝きを失ったと言われています。

「日本の労働生産性は、主要先進7か国中最下位」
「かつては1位だった日本の世界競争力が、2015年には27位に転落」
「日本の技術革新は欧米の周回遅れ」
「世界経済のリーダーから世界の下請けに没落」・・・、

最近の新聞報道をにぎわす日本経済の危機的な状況を挙げると、枚挙に暇がありません。

なぜこんな事態に陥ってしまったのか?さまざまな原因はあるのでしょうが、私には、日本がこうした政治・経済共に力を失ってしまった背景には、日本人の自尊心の低さがある様な気がしてしかたがありません。

「どんなに調子が良い時でも自分の悪い所を見つけて欠点を責め、嘆く」
「悪いことがあると、いつもそうだったし、これからもずっと悪いことが続くと思う」

自尊心が低い人にはそんな悲観主義的な傾向が強いと言われています。日本の没落の背景には、そうした否定的で後ろ向きなメンタリティが影響していると言えるのではないでしょうか。

 

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kindle本「自尊心が全てを変える」②自分を好きになっても構わない、と言うか好きにならなければ大変なことになる

(以下、kindle本「自尊心がすべてを変える」より抜粋)

②自分を好きになっても構わない、と言うか好きにならなければ大変なことになる

私は、大学においてキャリア関係の授業を2つ担当しており、その中で自尊心の重要性について良くお話をさせて頂いておりますが、よく受講した学生から「自分を好きになってもいいんですね」と質問を受けたりします。その通り、自分を好きになっても構わないし、むしろ好きにならなければ大変な事態が人生に起こってきてしまうでしょう。

そもそも自尊心とは、自分の存在を尊いと感じることであり、あたりまえと言えば当たり前の心情です。自分の人生には価値があると思えるからこそ、困難があっても立ち向かうことができるだろうし、自分には可能性があると信じられるからこそ人生における様々な課題に挑戦することができるのだと言えましょう。

もしそのあたりまえの自尊心が欠如してしまっていたら、人はどうなってしまうと思いますか?
自分は欠点だらけの無力な存在で、取るに足らない意味のない存在だと思い込んでいたとしたら、人はどうなってしまうのでしょう?

もし自分にはできないと思い込んでいたとしたら、目の前の仕事をやり遂げる自信もわいてこないだろうし、他人と友情を育み協力し合えるとも思えなくなってしまうでしょう。

そもそも、そんな価値のない人間の言葉など、人に聞かせること自体が迷惑になると思ってしまい、なにかを人に話すこと、普通に人と対話することもできなくなってしまうかもしれません。

自尊心は、まさに、人が自分らしく健康に生きていく上での基盤ともいえる大変重要な必須要素なのです。

ですから、自分を大切にするべきなのだと言えます。

自分のありのままをそのままで良しと受け入れるべきなのだと言えます。

完璧ではないものの発展途上で頑張っている自分を信じるべきなのだと言えます。

自分の人生や存在を愛するべきなのだと言えます。

だって、自分すら大切にできないのに、どうして家族やお客様、他人を大切にできるでしょうか。

自分すら受け入れることができないのに、どうして欠点ある他人を仲間として受け入れることができるでしょうか。

自分すら信じることができないのに、どうしてよくわからない他人を信じることができるのでしょうか。

本当の所、自分を愛せなければ、他人を心から愛することなどできません。そのように演じることはできるかもしれませんが、それは本音ではないのです。

それは、遠い関係の他人のみならず、近しい家族や恋人、自分の子供のように愛することが当たり前と考えられる人たちに対しても同様なのです。

 

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