カテゴリー別アーカイブ: 07.就職活動支援

就活を勝ち抜くための秘訣

     内定率まだ7割弱…大卒の就職戦線”超氷河期” 
        MSN産経ニュースWEB(2010.9.4 01:51)より引用

  長引く不況で、大学生の就職戦線は”超氷河期”状態のまま9月の「秋採用」シーズンを迎えた。来春卒業する大卒者の内定率は7月現在7割以下で、10年前の就職氷河期並みに落ち込んだ平成22年度をさらに下回る見通しだ。秋採用とはいえども、大手企業の採用はすでに終了。前年からの就職浪人組も多く、残り少ない求人枠を奪い合う熾烈(しれつ)な戦いとなるのは必至だ。(蕎麦谷里志)

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厚生労働省によると、大卒者の就職内定率は”就職氷河期”といわれた12年度の91・1%を底に、一時は96・9%(20年度)まで回復した。しかし、以降は下落が続き、22年度は氷河期並みの91・8%にまで落ち込んだ。加えて23年度はさらに悪化することを多くの専門家が予測している。

 就職サイト「ディスコ」が行った調査でも、7月時点の内定率は68・7%と前年同期を0・9ポイント下回った。同社は「今年の学生は昨年の厳しい状況を目の当たりにしており、現実路線で大手志向は弱い。にもかかわらず内定率が下がっているのは、それだけ厳しいということだ」という。

 ツイッターで就職情報を交換するサイト「就活なう」を運営する山川雄志氏も「内定をもらえる人は5、6社からもらっているが、もらえない人は全然もらえない。二極化がいっそう進んでいる」と分析する。

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 ニュースの通り、就活戦線は、相当厳しい状況にあります。ここまで過酷になることは、めったにないのではないでしょうか。運命とはいえ、自分ではどうしようもない景気に翻弄される学生たちが、本当にかわいそうで胸が痛みます。

 ただ、こんな環境下でも、内定をいくつも取る学生がいるわけなのです。その秘訣を身につければ、苦戦している学生も、必ず有利に戦うことができる。私自身は、このキャリア教育に携わるようになって5年目となります。始めたころには、内定を取れる学生というのは、成績優秀でサークルなど実績があり、能力が高く、容姿端麗で、派手な学生が内定を取るだろうと思いこんでいましたが、実際にこの仕事に長年携わって分かったことは、実はそうした優等生的な要素は、内定にはほとんど関係がないということ。どんなに優等生な条件を兼ね備えている学生でも、内定をとれない人はとれません。逆に、全然優等生の素養のない学生でもどんどん内定を取る学生もいるのです。

 私なりに、体験を通して、内定を獲得するための要件、就活を勝ち抜くための秘訣を3つにまとめています。その3つを簡単に言うと、以下の通りです。

①自信と誇りを持つこと

②志を持ち、哲学や夢が自己PRや志望動機などすべてを貫くこと

③徹底的に準備をすること

 現在、これらのテーマを、就活に直面している学生たちにプログラムとして展開しています。受けてくれた学生は、もちろん、その後の戦いは優位になり、成功報告を送ってくれて、講師冥利に尽きる喜びを感じております。

 こうした戦い方、戦略的な就活方法をぜひいろんな学生たちに教えたいですね。就活は戦いであって、武器と防具を身につけていない無防備な学生は、どんなにいい人でも勝てるわけがありません。

 やはり、戦場では戦い方を心得た人が勝つのですから。一方で、多くの学生たちは、就活の場を戦いの場とは思わずに、のんきに丸腰でお人よしの状態で向かうものが多いように感じております。

 多くの若者たちが自分らしい、本当に幸せな人生に向かって、最善のファーストキャリアを踏み出してもらえるために、これからも頑張って仕事をしたいと思います。頑張れ学生たち!

 

 

 

就活対策講座を担当します

 来週の月曜日は、東京のS短期大学にて、2年生向けの就活対策講座を担当します。講座の概要は以下の通りです。

 

【後学期就活リベンジマッチ概要】

<カリキュラムの目的>
テーマ「就活を継続中の2年生を対象として、就活のスキルをバージョンアップして、就職活動後半戦に立ち向かう体制を作る。」

<ねらい> 
1.就活を勝ち抜くための心構えを学ぶ。

2.「自己PR」の見直しと再構築

3.「志望動機」の見直しと再構築

4.面接を勝ち抜くための実践スキルを体得する。

 

<日程>1日(10:00~5:00)

 

 就活も後半となっています。まだ内定を得ていない学生にとって、この厳しい就活戦線を勝ち抜いていくことは容易なことではありません。

 今回のプログラムは、私が、キャリア教育の実践を通して得てきた様々なノウハウのすべてを提供するつもりです。

 私は、就活を勝ち抜くためのポイントとして、①自信と誇りを持つこと ②自分の幸せ(志)をあきらめないこと ③「志(哲学)-夢-自己PR-志望動機」とすべてに自分の哲学を貫き、筋を通すこと ④徹底的に準備を整え、武器と防具を身につけること 以上の4つに尽きると考えております。今回のプログラムでは、これらのポイントに従って、確実にバージョンアップを図り、就活スキルを高めて、戦いに立ち向かっていくための後押しをしたいと思っております。

 厳しい戦いに直面している学生たちの少しでも役に立てるように、しっかりと頑張りたいと思います。

就活対策講座「自己PRを作るための心構え」④ あなたなら大丈夫!

(3)自分を応援する力強い視点で就職活動を勝ち抜こう

私たちは、悲しいけれども、自分に対して、検事や裁判官として自分を理解し対応する事には慣れていて、上手ではあるけれども、友人や弁護士、広告宣伝局長として対応する事は、不慣れであり、とても不器用であるといえましょう。

どんな見方をしてもそれは、基本的には個人の自由なのですが、こと就職活動に限っては、私は、肯定的な見方を最優先して、否定的な見方は控えるべきであると考えています。

就職活動は、とても厳しい場であり、ある意味で戦場といえます。厳しい戦いの真っ只中で、単身矢面に立って立ち向かい、勝ち抜いていく必要があるのです。そんな厳しい環境の中では、自分の意気地をくじき、不安と恐怖を掻き立ててしまう検事や裁判官の立場は、自分の足を引っ張るマイナス要因になってしまいます。あくまでも、友人、弁護士、広告宣伝局長として、自分の弱みや欠点ではなく、強みや長所に着目して、それを伸ばそうとする視点、強みで勝負し、勝ち抜こうとする視点が必要なのです。自己PRは、自分を応援する力強い視点を大切にして作っていきましょう。

 

単行本『実践就活マニュアル』より抜粋

 

 

<関連記事>

・就活対策講座「自己PRを作るための心構え」①自信の重要性

・就活対策講座「自己PRを作るための心構え」②自分に対するネガティブな視点

・就活対策講座「自己PRを作るための心構え」③自分に対するポジティブな視点

・就活対策講座「自己PRを作るための心構え」④あなたなら大丈夫!

 

 

<関連書籍>

 

単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

 

就活対策講座「自己PRを作るための心構え」③ 自分に対するポジティブな視点

(2)自分に対する2つの視点

②ポジティブな視点

他方、自分に対して、肯定的に温かい目で見る見方もあります。例えて言うならば、友人の視点であり、就職活動に必要な視点としては弁護士や広告宣伝局長の視点といえましょう。以下にその立場による見方の具体例を見て行きましょう。

 

A.友人の視点

「自分は、いいやつだ。」「自分は、運がよい。」「自分の人生は、総じて言えばいい人生だ。」「失敗したって良いんだよ。」「自分は、世界でたった一人のかけがえの無い大切な人間だ。」「自分は、すばらしい環境がふさわしい。」「生きていてくれてありがとう」「自分は、大丈夫だ。何とかなる。」「自分は、限りない可能性と潜在性をもつ大きな存在だ。」「自分は、信頼に値する。」「つらければつらいほど幸せも大きい。」

 

B.弁護士の視点

「今は出来ないが、きっと出来るようになる。」「完璧な人間なんていないし、誰も完璧なんて求めていない。だから、自分が欠点があっても何の問題も無い。」「自分は、悪くない。」「苦しいのは今だけだ。」「明けない夜は無い。」「自分は、負けてない。」

 

C.広告宣伝局長の視点
 「自分には、可能性がある。」 「自分は、きっとうまくいく。」「自分は、絶対成功する。」 「自分はこんないいところがある。」「自分の長所は、世界一だ。」「自分のすばらしさを語ろうとしても、言葉だけでは、その魅力のほんのかけらも表現できない。」「失敗は成功のもと」

 

いかがでしょうか?自分に対して、とても優しく、とても力強く応援し、とても温かい目で自分を認識していますね。こうした言葉を他人から投げかけられたら、きっと嬉しくて、勇気付けられる事でしょう。しかし、不思議ですが、嬉しいにもかかわらすこうした声を自分に掛けてあげることはめったに無いのではないでしょうか。肯定的な視点は、前述の否定的な視点から比べると、驚くほど弱く、かぼそく、消え入りそうなはかなさを持っています。

 

単行本『実践就活マニュアル』より抜粋

 

 

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単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

就活対策講座「自己PRを作るための心構え」② 自分に対するネガティブな視点

(2)自分に対する2つの視点

①ネガティブな視点

人は、”自分”に対して、いくつかの異なった立場で、自分を認識しています。

大きく分けると、否定的な視点と肯定的な視点があるでしょう。否定的な視点とは、「私」に対して基本的に不満であり、欠点に注目し、糾弾し、裁き、変化を迫る視点です。例えるならば、検事と裁判官の視点といえましょう。以下にその立場による見方の具体例をみていきましょう。

A.検事の視点

「自分は、だめなやつだ。」「こんな事も出来ない自分は、無能だ。」「こんな馬鹿な自分は、死んだ方がよい。」「自分は、偽善者だ。」「自分は、うそつきだ。」「自分は、つみびとだ。」「自分は、失敗人間だ。」「自分は、最低最悪の人間だ。」 

B.裁判官の視点

「疑惑がある。」「裁かれるべき人だ。」「今のままではダメ人間だ。」「矯正し変わらなければならない。」「劣悪な環境がふさわしい人だ。」

 

いかがでしょうか?自分に対して、とても厳しく、とても鋭く糾弾し、とても冷たい目で裁いていますね。こんな事を他人から言われたら、きっとけんかになるはずですが、不思議ながらも、自分では自分のことをこんな風に評価する人は少なくありません。いや、むしろ、自己イメージが矮小で否定的な日本人にとっては、こうした視点は、おなじみのものなのかもしれません。(続く)

 

単行本『実践就活マニュアル』より抜粋

 

 

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単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

就活対策講座「自己PRを作るための心構え」①自信の重要性

(1)自分をどう見るかは、人生そのものに大きな影響を与える

自己PRを作る上で、どうしても必要な事は、自分に対する自信と誇りです。しかし、この自信の問題というものが、日本人にとっては厄介な問題であり。さまざまな意識調査の結果を分析すると、諸外国に比べて、日本人は、自己イメージがとても貧しく矮小で否定的であるといわれています。

実は、自信は、単に自己PRを作る上で重要な要素と言うわけではなく、人間関係や健康、キャリアや人生にまで影響を与える重要な要素であると言われています。ですから、自分に自尊心を持ち、自分の人生を基本的に信頼できるという心理的な基盤は、自分らしく輝く力強いキャリアをはぐくむこと自体にとってきわめて重要な要素となるのです。人生にとって重要なターニングポイントとなる就職活動の激動期であるからこそ、改めて自分に対する見方を改めて見直してみましょう。(続く)

 

単行本『実践就活マニュアル』より抜粋

 

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単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

前期キャリアアドバイザーが終了しました

 J大学のキャリアアドバイザーの前期分が終了しました。今年は、本当に厳しい年で、学生たちも相当厳しい戦いを強いられている状況です。できれば、夏休み中もバックアップしてあげたいのですが、そうできない事情もあり、学生たちの奮闘を祈りたいと思います。

 こんなに厳しい状況の中でも、内定をいくつか取ってくる学生がいるのですが、そんな学生に共通する要素は、ひとえに準備なのだろうと思います。就活は、戦争なのです。戦争になんの準備もなく無防備の丸腰で出かけて行ったならば、どんなに優秀な人間でも勝てるわけがありません。有利に戦うためには、それなりの武器と防具が必要なのです。

 そもそも、採用担当者は、その人の本質や可能性のすべてなど見ることはできません。短時間で赤の他人の本質を理解するなど、超能力者でも無理なのですから。彼ら彼女らの見ているものは、学生たちの武器と防具、学生たちの準備してきた自己PRと志望動機なのです。

 ですから、自己PRと志望動機が練られていない面白くないものであれば、練られていない面白くない人だと思いこまれてしまうのです。自己PRなど、たった1~2分程度のプレゼンですが、そんなプレゼンの在り方でいい人か悪い人の判断が下されてしまうのです。これは相当現場では誤解がありますよ。ですから、落とされたとしたら、それは誤解なのです。

 人は、たいていの場合、想像している以上の存在。ダイヤモンドの原石、素晴らしい可能性の塊なのです。その可能性を誤解なく表現できるように十分に練って、最強の脚本とセリフと練習をして本番に向かわなければなりません。内定がと取れる学生は、優秀なのでも才能があるのでもありません。この心構えと準備ができているだけなのです。だから、あせらないで、十分に準備を整えて、勝負に向かってください。

 キャリアアドバイザーの来期は、9月から再開します。それまで、直接のアドバイスはできませんが、心から応援しています。頑張れ就活生!

PCスキルよりも国際情勢知識

    就活でPCスキルはペケ、国際情勢に好印象 学生と企業に認識ズレ

                                   産経news 2010.6.16

  学生はPCスキル、採用担当者は国際情勢知識を重視。日興アセットマネジメントが、就活中の大学生と企業の採用担当者を対象に実施した「有利だと思うスキル」についてのアンケートで、こんな認識のズレが浮き彫りになった。

 学生が就職活動に向け身につけようとするスキルの1位は、パソコンで38・4%を占め、次いで英検・TOEIC(35.0%)、3位が経済・国際情勢に関する知識(19.0%)となっている。

 これに対し、採用担当者にPCスキルをアピールされて受ける印象をたずねたところ、「身につける努力をして当然」(34.5%)、「他の学生と大差ない」(23.8%)との回答が多数を占め、アピールしても効果は薄いようだ。

 一方、経済・国際情勢に関する知識をアピールする学生に対しては、「頼もしい」(25.2%)と「向上心がある」(同)がトップで好印象。売上高が1000億円以上の大企業では、「頼もしい」が48・3%にも上った。

 

 そうですか、企業サイドからすると、国際情勢知識のほうが、PCスキルよりも評価が高いんですね。しかし、大学生は、就活のために一番頑張ろうとしていることがPCスキルであるとのこと。こうしてみると、すれ違いって、思った以上に大きいのですね。とはいえ、国際情勢知識か・・・。勉強したほうが良いと言うことは簡単ですが、その現実は、とてつもなく広く深く誤解が大きく、真相がわかりづらいものでもありますよね。国際情勢について就活的に勉強を深めるにはどうすべきか?研究が必要ですね。


新卒切りに気をつけて

  「新卒切り」に気をつけて 甘い採用計画、新人が「調整弁」 2010年5月24日 朝日新聞

 4月の入社時期の前後、内定学生や新入社員が理不尽な要求をされ、内定辞退や退職を迫られるケースが目立っている。「新卒切り」とでも言うべき事態だ。専門家は「きちんと採用計画も持たず、新人を調整弁にする企業もある」として、就職活動をする学生に注意を呼びかけている。

■怒鳴られ続け、9日目「自主退職」

 今春、京都市の私大大学院を卒業した男性(25)は、入社9日目で「自主退職」した。

 神戸市に本社を置くITコンサルタント会社に内々定が決まったのは昨年5月。東京に配属されたため都内に引っ越し、4月1日に入社した。

 初日。少し早めの15分前に出社した。いきなり上司から「他の人はもっと早く来ている。意欲が足りない」と叱責(しっせき)された。その後も、電話の応対や退社時間をとがめられ、「落ちこぼれ」「分をわきまえろ」「君が劇的に変わらなければ一切仕事はさせない」と怒鳴られ続けた。

 出社3日目からは、連日反省文を書かされた。

 そして4月9日の夜。上司から会議室に呼び出され「もうしんどいやろ?」と退職を迫られた。「まだまだ頑張れます」と反論したが、上司は「給料だけもらって居座るのか」とたたみかける。2時間近くたって疲れ果てた頃、退職届が目の前に差し出された。ぼうぜんとしたまま「自己都合」としてサインした。

 男性は先月末、この会社に復職するつもりはないものの「無理やり書かされた退職届は無効」として、社員としての地位確認と3年分の給与支払いを求める労働審判を東京地裁に申し立てた。

 「入社までに配属予定先が二転三転したり、同期4人が入社直前に内定辞退したりと、いま思えばおかしい点が多かった」と振り返る。当面、実家か親類宅に身を寄せて職を探す。「今度こそ注意深く選びたいが、新卒でもなく、えり好みできない現実もある」

  この会社は朝日新聞の取材に「コメントすることはない」としている。

 NPO法人「労働相談センター」(東京都葛飾区)には4月以降、「この業界に向いていない」「協調性がない」などの理由で解雇通知や退職勧奨を受けた新入社員からの相談が10件以上あった。

 相談員の須田光照さんによると、景気が回復せず採用計画の見込みが外れたという企業もあれば、とりあえず多めに採用し、後から適当に切っていくつもりだったとしか思えない企業もあるという。「(即戦力にならず)目算が狂ったと簡単に切り捨てる企業が増えている。人材を育てる意識が薄い」と指摘する。

■3月入社強要/「四つ資格取れ」

 内定学生が入社直前に、辞退に追い込まれるケースも。都内の私大女子学生(23)は昨秋、人材派遣会社の内定式で突然「3月に入社して下さい」と言われた。

 卒業旅行の日程を変えて「入社」。特別に休暇がもらえた卒業式の日と土日以外、毎日午前9時から午後6時まで、パソコンの使い方を覚えるというメニューだけで拘束された。大学に相談すると「あまりに異常」。悩んだが内定辞退した。同期120人の5分の1が辞めていくことを後で知った。「人を育てる姿勢がなかった。多く辞めることを見込んで採用しているとしか思えない」

 留年し、元後輩たちに交じって就職活動を続けている。

 都内の私大の元女子学生(24)の場合は、「内定切り」に遭い、昨年度留年して就職活動をした。

 内定していた都内のITコンサルタント会社からメールが来たのは一昨年10月。「入社前に取得して下さい」と四つの民間資格が示されていた。年明けの2月には直接呼び出され、いきなりIT知識を問うテストがあった。結果を見た執行役員から「君の大学では一生上に上がれない」「クズと同じだ」と面罵(めんば)された。涙が出た。

 卒業式前日、「情報を一切漏らしません」と署名し、内定を辞退した。大学のキャリアセンターは「内定取り消しと同様の悪質な事例」と判断し、会社に正式に抗議してくれた。1年間10万円で在籍できる特例措置も認められた。

 再就活中は、キャリアセンターの相談員と常に連絡を取り合い、圧迫面接を受けたことや内々定後にどの程度拘束されたかを逐一報告した。「後輩のためにも、会社の情報は大学に伝え、共有することが大切だと思った」。今春、別のIT系企業に就職。2回目の就活は「納得できた」という。

 元女子学生が内定辞退した会社は朝日新聞の取材に、事実関係を認めた上で「内定切りや新人切りではない。ゆとり世代の学生は甘いところがあり、厳しく接するのは教育」としている。

■内定期間も「労働者」、相談を

 内定期間や試用期間であっても、正当な理由のない解雇や退職勧奨は無効だ。だが、「自主辞退」や「自己都合」の場合、企業側の責任を認めさせるのは容易ではない。

 一昨年に内定取り消しが社会問題化し、厚生労働省は09年3月卒の学生2143人が取り消しに遭ったとして、悪質な企業15社を公表した。しかし、今春の卒業生については厚労省は「ごく少数」として公表しておらず、公表企業も出ていない。

 全国247私大の就職支援部署の責任者で作る「全国私立大学就職指導研究会」の土橋久忠会長は「取り消しという形で表面化した事例は一部。内定切り批判が高まり、むしろ企業の対応は巧妙化した」と指摘する。

 「首都圏青年ユニオン」(東京都豊島区)の河添誠書記長は心得として次の3点を挙げる。

 一つは、納得できない書類にはサインしないこと。退職届を書くよう迫られても「家族と相談したい」などと言ってとにかくその場を逃れる。二つ目は、内定期間や試用期間であっても「労働者」としての権利があると認識する。解雇は、客観的に合理的な理由があり、社会通念に照らしても妥当だと認められない場合は無効で、使用者と交渉する権利がある。三つ目は、いざという時の相談窓口を把握しておくことだ。(三島あずさ、石川智也)

    ◇

■主な相談窓口

◇大学生の場合は、まず大学の就職課などへ

◇全国の労働基準監督署

 所在地や連絡先は厚労省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html)から確認できる(平日8時半~17時15分)

◇首都圏青年ユニオン

 03-5395-5359(平日10~18時)

◇NPO労働相談センター

 03-3604-1294(平日9~17時)

 メール consult@rodosodan.org

◇連合の労働相談ダイヤル

 0120-154-052(平日9時半~17時半)

 

 

 企業は、営利目的で活動しているとはいえ、これはひどいですね。入社させたはいいけれども、その後都合が悪くなったからといって、自己都合の退職を装うために、何日にもわたって終日どなり、罵倒し、脅し、退職強要する。これは、もはや人の道を外れている。正義を全く失ったえげつない会社の振る舞いに怒りを禁じえません。こうした扱いを受けた若者は、記事にある通り、相談に乗ってもらって、少しでも補償を獲得し、次のステップへの糧にしたほうがよいと思います。

 現代社会は、インターネットで、どんな情報でも得られる時代となりましたよね。テレビで報道されなくとも、こうした極悪の所業は、野火のように広まっていく。「ばれなければ何をやってもいい」と思い込んでいる企業は、それがとんでもない思い違いだと思い知らされることと思います。新聞では企業名はさらされていませんが、ネットの世界では、ばればれなのですから。正義に反する強引な所業であっても遂げたいとおもったことよりも、イメージダウンで失ったことのほうがはるかに大きい。悪徳を積むことに躊躇しない企業は、よくよく世界中から非難の矢面になることを覚悟したほうがよいでしょう。

大卒就職率、過去2番目の低さ

   大卒就職率91・8%、過去2番目の低さ    2010年5月21日  読売新聞

 大学を今春卒業した就職希望者の就職率(今年4月1日現在)が、前年同期を3・9ポイント下回る91・8%で、過去最低だった2000年卒(91・1%)に次いで低かったことが厚生労働省の調査でわかった。

 前年同期を下回るのは2年連続で、下げ幅は過去最大。厚労省は、「08年秋のリーマンショックの影響で『就職氷河期』並みの就職難となった」と分析している。

 調査は、全国各地の62大学を抽出して実施。男子の就職率は、前年同期比で3・9ポイント減の92・0%、女子は同3・9ポイント減の91・5%で、男女共に過去最大の下げ幅となった。

 

 就職率が、過去2番目の低さだったとのこと。大学のキャリア教育に携わる担当者として、その厳しさは、肌で感じておりましたが、確かに去年の事情は、最悪の状況と言えたんだろうと思いますね。

 そんな年にめぐり合わせてしまった学生がかわいそうです。苦難が人を育てるとはいえ、一生懸命に頑張った末に、どこからも内定を得られずに、卒業後も、ハンデを背負いながら就職先を探している若者たちの苦難を思うと、胸が痛みます。でも、人生は不思議なもの。苦難の後には幸せがあるということは本当のことだと思いますね。自分の幸せをあきらめずに、志をハートにしっかりと持って、粘り強くことに当たってほしいと思いますね。きっと今は想像もできないようなチャンスが必ずやってくると思います。

 さて、今年の就活事情ですが、確かに厳しいことには変わりはありませんが、なんとなく、昨年とは違った雰囲気を感じますね。学生も焦っていますが、企業も思い通りの成果を出せていないような雰囲気です。少し求人数が回復してきているのかもしれませんね。きっと学生たちにもチャンスが増えてくると思います。希望を持って粘り強くアタックしてほしいですね。頑張る学生たちに心から応援していきたいと思います。