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京都の神社参り

 奈良の天河大弁財天社にお参りに行ったついでに、京都に宿泊し、翌日、貴船神社から鞍馬寺へとお参りに行ってきました。京都駅から複雑な乗り継ぎを経て、ついたのが、貴船神社。

 貴船神社は、「たかおかみのかみ」とおっしゃる水神様をお祭りしています。いたるところに清水が湧き出でて、美しい川のせせらぎが聞こえるすがすがしい神社でした。

 貴船神社から鞍馬寺まで、電車で行くこともできますが、歩いて行けるコースもあり、どんなコースなのかは分かりませんでしたが、行ってみることにしました。

 行ってみると、そこは、本格的な山道であり、登りが結構厳しい本格的な登山道だったのでした。この上りのきつさは、ハイキングじゃなくて、修業です。そんなつもりじゃなかったのですが、もう汗だくです。京都まで来て、お出かけの恰好で、汗だくです。妻も私も汗だくです。踏み出したからにはもう戻れません。気を引き締めて、がんばったのでした!

 途中、奥の院、

不動堂を経て、

ようやく鞍馬寺に到着です。

 汗だくではありましたが、さわやかな風と、涼しさに包まれて、身も心もリフレッシュできたような素敵な時間でした。

 両神社ともに、いくつかの意味深い詩やメッセージを掲示されており、ハートにまっすぐと届くような感じがして、感動しました。後日、それらのメッセージを当ブログでもお知らせしたいと思います。

 さて、鞍馬寺を出て、下山し、柚木神社を経て、

 

門前の商店街に出たところ、おなかもすいてきたので、おいしそうなお蕎麦屋さんに入ったのでした。そのお蕎麦がこれ、

 実は、ニシンが麺の下に隠されているニシンそばなのです。昆布とカツオのだしがきいており、おなかがすいていたこともあって、それはもう、ものすごくおいしかった!期せずして体験した神社巡りの修行のご褒美の様で、ありがたく頂きました。

 実は、今回の旅は、衝動買いの様な旅であり、奥さんの本当にちょっとした思い付きで、スケジュール的に無理があったのですが、思いきっていってしまった旅だったのです。どんな展開になるか分からない、行き当たりばったりの旅でしたが、行ってみると、とっても素敵な旅となりました。おかげさまで、心身ともにリフレッシュできて、英気を養うことができました。

 奈良と京都の山々と神々に、そして、奥さんの思いつきに感謝です!

天河神社に行ってきました

天河大弁財天社が、ちょうど11月2日に秋季大祭が開かれたので、お参りに行ってまいりました。

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お祭りで、たくさんの人たちが集まり、活気にあふれてましたよ。

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天河神社は、役行者が開かれたといわれている奈良の山の奥深くにひっそりとたたずむ神聖な場所。

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家族、そして友人たちが、健康で、豊かで、幸せでありますように。

会社にたくさんの仕事が来て、良い仕事がたくさんできますように。

世界が平和で、生きとし生けるすべての存在が、幸せでありますように。

考え方で能力が変わる

  子どもが勉強を覚えるのが早いかどうかは、褒め方の違いにあり?
       pouch(.http://youpouch.com/2011/10/12/090038/)より引用

 

あっという間に新しいことを学んでしまう人たち。彼らは特別な能力を持った天才なのでしょうか?
最近発表された研究によると、そうとも限らないようです。大切なのは「失敗をどうとらえるか」。考え方次第で、学習するスピードに著しい変化があるのだそうです。
米国スタンフォード大学の心理学者、キャロル・ドゥウェック氏たちは、ニューヨークで400人以上の5年生を対象に3つの調査を行いました。

【1つ目の調査…ほめ言葉がどれだけ成果に影響するか】
「MMMMM」や 「NNMNN」というような、5文字並んだアルファベットの真ん中の文字を回答するという単純なテストです。
テストの後、子供たちに点数を教えて一言ずつ声をかけました。1つ目のグループの子供たちには「頭がいいね!」と賢さをほめ、2つ目のグループには「頑張ったね!」と努力をほめました。
そのあと子どもたちは、下の二つから次に受けるテストを選ぶように言われます。
・さっきより難しいが、受けることで勉強になるテスト
・さっきと内容が似ていて、より簡単なテスト
すると、努力をほめられたグループのうち90パーセントが難しいテストに挑戦しました。しかし賢さをほめられたグループは、ほとんどが簡単なテストを選んだそうです。
ドゥウェック氏によると、2つ目のグループは「頭が良く見られたい」ため、失敗を恐れて簡単なテストを選んだのではないかと結論付けています。

【2つ目の調査…失敗を怒れる気持ちが、学習にどのくらい影響するのか】
同じ子供たちに、今度は中学生向けの難しい問題を解いてもらいました。難問にどんな反応をするのか調べるためです。
すると努力をほめられた子どもたちは、頑張ってその問題を解くことができましたが、賢さをほめられた子どもたちはすぐにやる気をなくして諦めてしまいました。
次に子供たちに、高得点と低得点のテスト結果のどちらか一方を見ても良いと伝えます。
賢さをほめられた子どもたちは、低得点のテストを見たがりました。自分の点数よりも低い結果を見ることで、自信を回復し元気を出すためだと考えられます。
一方で、努力をほめられたこともたちは、高得点のテストに興味を持ちました。自分の間違いを理解して、改善するにはどうしたら良いのかを知るためです。

【3つ目の調査…もう一度同じテストを受けてもらう】
再テストの結果、努力を誉められたグループは30パーセントもスコアが伸びたそうです。挑戦することに抵抗がなく、最初は間違えた問題でも、次には正解できると考えるからです。
しかし、賢さを誉められた子供たちは、なんと20パーセントもスコアが下がったのです! 失敗の経験は、こちらのグループにとってはかなり辛いものだったのでしょう。彼らのテスト結果にまで影響してしまいました。たった一言のほめ言葉が、こんなに大きな影響を生むとは驚きですね。
誰しも自分の間違いを認めることは簡単ではありません。しかし、自分の失敗に目を向けてそこから学ぶことが、成功への近道だということでしょう。「失敗は成功のもと」ということわざは、昔の人の知恵が詰まったものなのですね。
 
参照元:wired.com(英文)
画像:flickr
 
          以上.pouch(.http://youpouch.com/2011/10/12/090038/)より引用
 
 

 失敗を恐れる気持ちと、立ち向かう前向きなメンタリティとでは、同じ能力を持った人でも、全く異なる成果を出すことができることを証明する実験であり、分かりやすい意義のある実験だと思います。

 ・人の能力は、前向きな気持ちによって、どんどん引き出されること。

 ・失敗をとがめるよりも、失敗を乗り越えられる力があると勇気づけるほうが、結果的により強い能力を引き出すこと。

 昔からよく言われていることですが、これは真実であり、私たちも、本当にこうした考え方を大切にしなければならないと思います。

 昨今、教育を改革するために必要なものは、能力主義、競争主義、厳罰主義などと、教職員や子供たちの危機感をあおり、弱さを責めて、脅迫的に成長を迫ろうとする施策を推し進めようとする人たちがいますが、そのような人たちは、こうした実験の結果を真摯に学んでほしいですね。

 あめとムチで人を成長させることができると信じ込んでいる人たちが、こうした無理難題を教育現場に押しつけようとしているのだろうと思いますが、そのような人たちは、勉強が足りない。あめとムチは、教育にはつながらず、最終的には学習性無力感を生み出し、ウツや悲劇につながってしまうのですよ。

 教育改革に必要なものは、恐怖ではなく信頼なのだろうと思います。恐怖による施策と、信頼による施策では、とてつもなく大きな異なった未来を作ることになるでしょう。願わくば、政治家やリーダーたる人たちが、こうした真実に真摯に目を向けて、勇気を持って信頼の教育改革に乗り出してもらえることを願いたいと思います。

内定者研修を担当しました(20111031)

 先週末に、内定者研修を担当してまいりました。弊社のアトランティックプロジェクトを中心としたプログラムであり、2日間にわたる研修となりました。概要は以下の通りです。

【K社内定者研修『アトランティックプロジェクト』概要】

<テーマ> 自分らしく輝く魅力的なビジネスパーソンとなるための第一歩を踏み出す。

<ねらい>
  1.企業活動の全体像を理解する。
  2.コミュニケーションとチームスキルを体得する。
  3.プレゼンテーションスキルの向上を図る。
 4.ビジネスパーソンに必要な知識(損益のしくみ、仕事の進め方、組織のしくみ、創造性の大切さ、など)について学ぶ。
 
<スケジュール>

(初日) 

第1部「キックオフ編」

  ・オリエンテーション

  ・コミュニケーションの重要性

  ・実習「ポスターを復元せよ」

  ・効果的なコミュニケーションのために

 

第2部「プロジェクト編」

  ・組織実習「アトランティックプロジェクト」

 

(2日目)

第3部「プレゼンテーション編」

  ・プレゼンテーションの基礎知識

  ・実習「新車発表プレゼンテーション大会」

 

第4部「キャリアヴィジョン編」

 第1ステップ「自己探求」

  ・信頼関係と輝く生き方

  ・実習「風の卵の物語」

  ・長所を伸ばすことの重要性

 第2ステップ「ヴィジョンの設定」

  ・社会人となるための心構え

  ・ヴィジョンの重要性

  ・実習「マイエンブレム」

 

 本講座は、2日間にわたる研修であり、来年の4月の入社に向けて、企業人としての心構えや基礎知識、スキルを体得することを通して、入社に向けた不安や疑問を解消し、自信と勇気を持って入社に立ち向かってもらうことをテーマとしたプログラムとなります。

 内定者の皆さんにとって、こうした長時間の研修は、生まれて初めての体験だろうと思います。いろんな心配を持ちながらの参加だったと思いますが、みなさん、集中をとぎらすことなく、果敢に真剣に講座に向き合ってくれました。素晴らしいメンバーと、温かいスタッフの皆さんのおかげで、充実した力強い学びの場となりました。心から感謝申し上げます。

 プログラムは、グループワークが中心であり、次から次へと、困難な課題が提示されて行く展開となりますが、グループメンバーは、全員で知恵を出し、協力し合い、本気で努力することによって、見事に乗り越えてくれました。一つ一つの課題に対して、着実にしっかりと、確実に結果を出すことによって、勝利し、乗り越えて、成長を遂げていくことができました。

 研修開始当初は、心配そうな固い表情で、少々警戒しながら静かにしていた内定者たちも、研修の最終には、何かをやり遂げることができた喜びと、力強い笑顔と、チームメンバーとの絆と、自信を得ることができたようで、勇気を持って4月の入社に立ち向かっていく覚悟ができたのではないかと思います。

 当社の内定者の皆さんは、基本的に一本筋が通っており、一見穏やかで静かではあるけれども、内面に熱いものを秘めている面々であり、やる時はやるといった覚悟が出来ており、落ち着いた振る舞いの中にも、熱い情熱を感じる、さわやかな若者たちでした。彼ら彼女らならば、厳しい経済環境の中でも、決してうろたえたり怯んだりすることなく、十分に作戦を練って強気で立ち向かっていくことができるのだろうと思います。磨けば大きく光るまさにダイヤの原石なのだろうと実感いたしました。

 これから迎えようとする企業経済社会の現状は、決して甘いものではありませんが、皆さんなら大丈夫。志を胸に、諦めない強い心を胸に、たくましく立ち向かっていくことだろうと思います。共に企業戦士として、共にがんばりましょう!

 最後に、共に良き研修を作ってくださいましたスタッフのみなさん、そして、メンバーの皆さんに感謝を申し上げます。ありがとうございました。

明日から内定者研修

 明日から2日間、内定者研修を担当します。概要は以下の通り。

【K社内定者研修『アトランティックプロジェクト』概要】

<テーマ> 自分らしく輝く魅力的なビジネスパーソンとなるための第一歩を踏み出す。

<ねらい>
  1.企業活動の全体像を理解する。
  2.コミュニケーションとチームスキルを体得する。
  3.プレゼンテーションスキルの向上を図る。
 4.ビジネスパーソンに必要な知識(損益のしくみ、仕事の進め方、組織のしくみ、創造性の大切さ、など)について学ぶ。
 
<スケジュール>

(初日) 

 第1部「キックオフ編」

 第2部「プロジェクト編」

(2日目)

 第3部「プレゼンテーション編」

 第4部「キャリアヴィジョン編」

 

 弊社プログラム『アトランティックプロジェクト』を中心に展開するプログラムとなります。本プログラムを実施するのは、今年で5回目となります。大切な内定者研修を、長期にわたって担当できますこと、大変光栄なことと思っております。

 毎年感じることですが、K社の内定者諸君は、筋が通った穏やかさを持ちながらも、内面に熱いものを持っており、集中力と問題解決力のある少々勝気な、とてもさわやかで気のおけないいい奴ばかりです。今年も、きっと素敵な面々と会えるだろうと思います。今からとっても楽しみです。

 この大切な内定者研修の場を、素敵な学びの場とできるよう、しっかりと頑張ってきたいと思います。

 というわけなので、今週は、当ブログを更新できません。来週またご報告したいと思います。

思考の世界と関係の世界

思考の世界とは、自己対話の世界。

自分の頭の中で、自分以外の世界で起こった出来事を

あれこれと納得できるように分析解説する世界。

自他の分離と対立の中で、自分を守るために作られた世界。

過去の痛みや苦しみの記憶に満ちている。

現実をありのままに理解するのではなく、過去の記憶に照らし合わせて解釈する。

だから、思考の世界は、今ここにいることはできない。

そこでは、今ここの現実の姿は、過去の記憶に照らし合わせなければ認識できない。

だからそこで見ているものは、リアリティではなく過去の亡霊なのだ。

しかも、あらゆる現実は、痛みの色眼鏡を通してゆがんで見える。

いつも攻め込まれる不安と恐怖に焚きつけられている世界。

だから、この世界を作っている原動力は、恐怖心だ。

それは、他から孤立している世界。

それは、閉ざされた世界。

固く防衛された扉からは、光が差し込むことはできない。

脅威を信じているので、愛と信頼を受け入れることはできない。

孤独で不安で悲しい世界だ。

 

関係の世界とは、ありのままの世界。

今ここで起こっているありのままを知覚する世界。

そこは開かれており、自の呼びかけに他が応え、他の働きかけに自が応える世界。

他がいとおしく思える世界。

他の痛みを体験し、他の喜びを体験する世界。

他を他と感じられない世界。

自他の境界が消えていく世界。

分離感を癒し、自他の関係を取り持つもの。

それは、愛だ。

不安、恐怖、怒り、悲しみは、すべて分離感を前提として分離感を強めるもの。

愛こそが、分断された部分を優しくつなげることができる。

だから、関係の世界の原動力は、愛だ。

それは、開かれている世界。

関われば関わるほど、秘密が開示されていく世界。

汲みつくせないほどの魅力と不思議と奇跡に満ちている世界。

今ここの真実の世界だ。

 

思考の世界と関係の世界は、2者択一だ。

どちらかを選べば、どちらかを犠牲にする。

私は、きっと、ずっと思考の世界を生きてきた。

これからは、関係の世界を生きよう。

勇気を持って真実に一歩踏み出そう。

それがきっと本当の自分らしい人生なのだから。

今日で50歳です

 今日は、私の誕生日です。とうとう50歳の大台に乗ってしまいました。50歳なんて、ずいぶん遠い印象を持っており、私がそうなるなんて思っていませんでしたが、やはり来るべきものは来る。お天道様は、しっかりと着実に毎日昇る。私も毎年しっかりと年をとるのです。

 50代と言えば、心理学的には壮年期と言う位置づけなんでしょうか。その時代の課題は、「社会の中核を担うと共に、次世代の教育をし一線を退く準備をする」と言うこと。私も、経済社会の問題を嘆き、糾弾するではなく、社会をリードし、新しい時代を作る貢献をするのだという気概を持っていろんなことにチャレンジしていきたいと思います。

 私の尊敬する日野原重明さんが、100歳はゴールではなくスタートラインなのだとおっしゃいました。その若々しく元気で明るい見通しを頂いて、私も、50代を生き生きと生きたいと願っております。

 早速今日は、これから、大学の授業です。テーマは、「志の重要性」についてです。若者たちに、大切なことは自信と誇りであること、大切なことは愛すべき仲間であること、大切なことは理想と志であることを説いてきたいと思います。では、行ってまいります。

内定者研修の準備

 今日は、終日、来週に控えた内定者研修の準備となります。プログラムは、弊社のアトランティックプロジェクトを中心として展開してくものとなります。

 アトランティックプロジェクトが、こうした新入社員研修関係の場で活躍できることは、大変光栄なこと。良い研修となるよう、しっかりと教材の準備を整えたいと思います。

足跡

        砂の上の足跡

               メアリースティーブンソン

 

ある夜、私は夢を見た。

夢の中で、私は神とともに浜辺を歩いていた。

空には、私の人生のさまざまな場面がフラッシュのように映し出される。

そのそれぞれの場面で、私は2人分の足跡が砂浜についているのを見た。

ひとつは私のもの、そしてもうひとつは神のものだった。

私の人生の最後の場面が映し出されたとき、私はそれまでの人生の足跡を振り返ってみた。

驚いたことに、何度も私の人生の中で足跡が1人分しかない時があることに気がついた。

そして、それは人生でもっとも暗く悲しい時期ばかりだったのだ。

私は神に尋ねた。

「神様、あなたは仰いました。一度私があなたについていくと決めたなら、あなたはずっと一緒に歩いてくださると…

しかし、私が最も辛い時期に、砂浜には1人分の足跡しかありませんでした。

なぜ私が最もあなたを必要としているときに、私からお離れになっていたのか理解できません。」

神は答えた。

「いとしいわが子よ、

私は、お前が最も苦しい試練の最中にいる時にも決してそばを離れることはなかった。

1人分の足跡しかなかった時は、私がお前を背負って歩いたのだよ。」

徐々に変わる風向き

       朝日新聞 天声人語. 2011年10月10日(月)付

 震災後、ひどい略奪が起きない日本を世界は称賛したが、人影が消えた被災地は出店荒らしや空き巣にやられていた。どさくさこそ稼ぎ時とみるのは、こそ泥ばかりではない▼「人々が精神的なよりどころも物理的な居場所も失って、無防備な状態にあるそのときこそ、彼らにとっては世界改変の作業に着手するチャンスなのである」。近刊『ショック・ドクトリン』(ナオミ・クライン著、幾島幸子・村上由見子訳、岩波書店)の一節だ▼彼らとは、戦争や内乱、災害などの混乱に乗じ、改革と称してひともうけを企(たくら)む勢力を指す。筆者のカナダ人ジャーナリストは、イラク復興に群がるグローバル企業を取材して執筆を決めたという▼茫然(ぼうぜん)自失の人々をよそに、彼らは権力に取り入り、白紙に好きな絵を描く。惨事便乗の商売は途上国に限らない。財政難で強まる官から民へ、市場任せの風潮も好機らしい。俗耳になじんだ「小さな政府」への異議に、ざらりとした読後感が残った▼震災も「彼ら」には商機だろう。そこには生活と街と産業の再建にもがく住民がいて、予算がつけば総額十数兆円の復興計画が動き出す。東北3県は、スーツ姿の火事場泥棒にもご用心である▼「強欲の自由」は、各国で貧富の差を広げ、職なき若者の怒りは本家本元の米国にも広がった。自由競争の功は多々あれど、過ぎた市場信仰は社会に不安定の災いをもたらす。すでに深手を負った被災地ぐらい、部外者の金もうけとは無縁の場所でありたい。 (以上、朝日新聞より引用)

 

 今月10日の朝日新聞天声人語からの引用です。文中、ショックドクトリンについての言及がありますね。ショックドクトリンとは、『「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」のことであり、戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危機につけこんで、あるいはそれを意識的に招いて、人びとがショックと茫然自失から覚める前に、およそ不可能と思われた過激な経済改革を強行する(『』内amazon商品案内より引用)』政治手法を言うそうです。ナオミクラインさんとおっしゃる方が、岩波書店より新刊を出版しており、その中では、アメリカとグローバル企業などが進めてきた手法とのこと。

 戦争や自然災害、政変などの危機に付け込んで、あるいはそれを意図的に招いて、自分の都合の良い施策を強引に押し通そうとする。まさに悪魔的な手法です。本によるとこのような手法をアメリカやグローバル企業等が多用してきており、現代社会の混乱の元凶ともなっているとのこと。

 以前ならば、こうした話は、陰謀論などのレッテルを貼られて、異端扱いされており、大マスコミで取り上げられることなど全くなかったのですが、今回は、新聞の天声人語に引用されるようになっている。時代は変わってきたのですね。

 こうした、今までは闇に隠されていた悪意や強欲さが明るみに出てきて、広く知れ渡ることは、本当に素晴らしいことだと思います。こうした話は、以前から数多くの名著があり、勇気ある少数の先駆者が告発してきたのですが、背景に必ず利権や権力の問題があり、マスコミは、それに楯突くことを恐れて、関与していなかったように思えます。しかし、次第次第に風向きが変わってきたのでしょう、勇気あるプロが発言するようになってきたように思えます。

 こうした流れは、若者たちが立ち上がり世界に広がっている格差問題のデモ、中東の政権交代、原発の闇の告発、などなど、すべてにかかわっているように私には思えます。一見、混乱の様相を深めている世界情勢ですが、意外に本当の民主主義の未来は近くにあるのかもしれません。願わくば、平和的に、ジェントルに真実がオープンになっていくこと、変化が進行していくことを願いたいと思います。