思考の世界とは、自己対話の世界。
自分の頭の中で、自分以外の世界で起こった出来事を
あれこれと納得できるように分析解説する世界。
自他の分離と対立の中で、自分を守るために作られた世界。
過去の痛みや苦しみの記憶に満ちている。
現実をありのままに理解するのではなく、過去の記憶に照らし合わせて解釈する。
だから、思考の世界は、今ここにいることはできない。
そこでは、今ここの現実の姿は、過去の記憶に照らし合わせなければ認識できない。
だからそこで見ているものは、リアリティではなく過去の亡霊なのだ。
しかも、あらゆる現実は、痛みの色眼鏡を通してゆがんで見える。
いつも攻め込まれる不安と恐怖に焚きつけられている世界。
だから、この世界を作っている原動力は、恐怖心だ。
それは、他から孤立している世界。
それは、閉ざされた世界。
固く防衛された扉からは、光が差し込むことはできない。
脅威を信じているので、愛と信頼を受け入れることはできない。
孤独で不安で悲しい世界だ。
関係の世界とは、ありのままの世界。
今ここで起こっているありのままを知覚する世界。
そこは開かれており、自の呼びかけに他が応え、他の働きかけに自が応える世界。
他がいとおしく思える世界。
他の痛みを体験し、他の喜びを体験する世界。
他を他と感じられない世界。
自他の境界が消えていく世界。
分離感を癒し、自他の関係を取り持つもの。
それは、愛だ。
不安、恐怖、怒り、悲しみは、すべて分離感を前提として分離感を強めるもの。
愛こそが、分断された部分を優しくつなげることができる。
だから、関係の世界の原動力は、愛だ。
それは、開かれている世界。
関われば関わるほど、秘密が開示されていく世界。
汲みつくせないほどの魅力と不思議と奇跡に満ちている世界。
今ここの真実の世界だ。
思考の世界と関係の世界は、2者択一だ。
どちらかを選べば、どちらかを犠牲にする。
私は、きっと、ずっと思考の世界を生きてきた。
これからは、関係の世界を生きよう。
勇気を持って真実に一歩踏み出そう。
それがきっと本当の自分らしい人生なのだから。