徹底したトレーニングを経て、ある程度納得の行く答え方が出来るようになった彼女は、エントリーを再会した。当時の彼女は、すっかりと自信を失い、対人恐怖症のような状態になっていたので、面接そのものを恐れていた。だから本当は、面接になど行きたくなかったのだ。しかし、幸か不幸か、エントリーが通った会社と面接の予約が取れたので、「どうせだめだろう」という気持ちに圧倒されながらも、残った勇気を奮い立たせて面接に向かった。その結果、あっけなく1次面接をパスしたのだ。
4ヶ月にわたりあれだけ頑張って通らなかった1次面接が、あっけなく通り、驚いた彼女は、他の会社でも試したくなり、どんどん面接に行くようになった。驚く事に、練習の後では、とんとん拍子に面接がパスしていくのだ。そんな成功体験を経て、今までは、面接官と会う事が恐ろしかったのだが、特訓の後は、面接官にあって自己表現できることが楽しみになり、今までは、面接官に突っ込まれて質問される事が恐怖だったのだが、特訓の後は、「そこが言い足りなかったところでよく聞いてくれた」と喜んで質問に答えるようになり、面接に対する意識が、180度劇的に変わったのだ。
年別アーカイブ: 2010年
就活対策講座「準備を整えて勝利した先輩の事例」②
当時の彼女は、就活戦線に敗北し、すっかりと自信を失い、暗く落ち込んだ様子で、持ち前の大きな声もなりを潜めて、小さな声で「最近は、就活のことよりも富士の樹海の事ばかり考えてしまう」と言った。
私は、一通り彼女の活動の概要を聞き、彼女の問題は、ひとえに準備不足にあると判断し、「怯んではいけない。裁かれているのは、あなたそのものではなく、あなたの準備してきたものなのだ。あなたの準備はあまりに粗末で、あなたそのものの素晴らしさのほんのひとかけらも表現できていない。あなたのすばらしさを表現できるように、この一覧表にある質問に対してそれぞれ1分で答えられるようにしっかりと考えて準備を整え、徹底的に練習して、リベンジマッチに挑むように!」と上記の<代表的な質問一覧表>を渡し、準備を整えるように檄を飛ばした。学生は、一旦こうしようと思うと徹底的にやり遂げるタイプであり、ボイスレコーダーを購入し、それぞれの質問に対する答え方を徹底的に練習した。その練習は、ただひたすら終日独り言を繰り返すものであり、3日間にも渡って徹底的に行われた。ご両親が「この子はストレスでおかしくなってしまったのではないか」と心配するくらいのすさまじい特訓だったのだ。
就活対策講座「準備を整えて勝利した先輩の事例」①
私が担当した学生の事例を紹介しよう。彼女は、大柄で元気がよく、声が大きなはつらつとした学生である。大学3年生の12月から就活を開始し、持ち前の行動力を活かして、積極的に企業訪問を繰り返した。しかし、厳しい就職氷河期と呼ばれた就活環境下で、思い通りには事が運ばずに、多くはエントリーシートの段階で落とされ、例え書類選考が通っても、一次面接で、すべて敗退してしまった。「下手な鉄砲数うちゃ当たる」の格言を信じて、落ち込む気持ちを奮い立たせてエントリーを繰り返し、4ヶ月で50社を訪問した。しかし、そんな努力をあざ笑うかのように事は進まず、すべての企業で2時面接まで進む事が出来ずに敗退してしまったのだ。疲れ切ってどうしても前に進む事が出来なくなってしまい、4月上旬にキャリアアドバイザーである私のところに相談に来たのだ。
コミュニケーション研修を担当しました(20101017)
小売大手の労働組合で、コミュニケーション研修を担当しました。概要は以下の通りです。
【コミュニケーション研修 ”Adventure to Encounter”】
<プログラムの目的>
「コミュニケーションスキルを高め、チームのすばらしい可能性を引き出す。」
1.コミュニケーションの原点である自信と誇りの重要性について学ぶ。
2.コミュニケーションの重要性と意義を学ぶ。
3.コミュニケーションを改善するためのポイントを学ぶ。
<プログラムの内容>1:00~5;00
セッション1「自信と誇りの重要性」
・講義「自己イメージの心理学」
セッション2「コミュニケーションの重要性」
・実習「絵によるコミュニケーション」
・小講義「コミュニケーションと創造性」
セッション3「コミュニケーションの改善ポイント」
・実習「ポスターを復元せよ」
・小講義「コミュニケーションの改善ポイント」
参加メンバーは、29名。千葉の九十九里浜にある美しい環境のホテルで、半日にわたって、コミュニケーションについて、さまざまな視点から探求していく展開となりました。参加メンバーの皆さんは、組合をリードしていく代表者であり、職場リーダーとして、現場で活躍する若きリーダーの方々です。
忙しい中を縫って、しかも、休日の土曜日に、活動の一環として参加してくださった意識の高いみなさんばかりであり、研修は、最初から、とても集中度の高い、クオリティの高い雰囲気の中で展開していきました。醸し出されるエネルギーの高さと集中力には、圧倒されそうなものがありました。素晴らしい充実した学びの場となったのではないかと思います。参加メンバーの皆さんと応援してくださったスタッフの皆さんのおかげであり、心から感謝申し上げます。
研修を通して、「コミュニケーションは、大切であること」「メンバーひとりひとりのポテンシャルと可能性にはとても大きなものがあること」「仲間の力は偉大であること」「たったひとつの思いやりと勇気でコミュニケーションはいくらでも改善できること」「本気になれば、困難であっても乗り越えられること」「そして、何よりも、自分たちは、未来を拓く上での十分な力量と可能性を持っていること」を学ぶことができたのではないかと思います。
メンバーの皆さんは、職場リーダーとして、厳しい時代である現在の職場の矢面に立って頑張っているみなさんばかりです。だからこそ、エネルギーと集中力と負けん気と問題解決能力に秀でている素晴らしい方々だと実感いたしましいた。私自身も、素晴らしいメンバーとともに学ぶことができて、エネルギーと集中を分かち合い、とてもさわやかで元気を頂けました。素晴らしいメンバーの皆さん本当にありがとうございました。
厳しい時代ですが、未来を拓くために共に闘う戦士として、これからもがんばっていきましょう。
そして、講座の中で、「実は、このプログラムは、続きがあるんです!」と申し上げましたが、また、いつか今回の講座の続きを担当させていただき、再びお会いできますことを楽しみにしております。
コミュニケーション研修を担当します
明日は、小売大手の労組主催のコミュニケーション研修を担当します。概要は以下の通りです。
【Kコミュニケーション研修】
<プログラムの目的>
「コミュニケーションスキルを高め、チームのすばらしい可能性を引き出す。」
1.コミュニケーションの原点である自信と誇りの重要性について学ぶ。
2.コミュニケーションの重要性と意義を学ぶ。
3.コミュニケーションを改善するためのポイントを学ぶ。
<プログラムの内容>1:00~5;00
セッション1「自信と誇りの重要性」
セッション2「コミュニケーションの重要性」
セッション3「コミュニケーションの改善ポイント」
当労組さんでは、6年前にも研修を担当しており、今回は、その時の改訂版のバージョンアッププログラムとなります。6年前のプログラムを思い出していただき、再び選んでいただけたことは、大変光栄なことです。日々お忙しくいらっしゃる皆さんが、一同に会するせっかくのチャンクでもあり、充実した素敵な学びの場となれるように、一生懸命に頑張りたいと思います。では、行ってまいります!
就活対策講座「志の重要性」
「そもそも、あなたは、何のために就職したいのだろうか?」
実は、採用担当者が、あなたと会う当初に知りたい事は、この質問の答えである。
あなたなら、この質問にどう答えるだろうか?この答えには、典型的な答え方が2つある。
ひとつは、「就職しないと生活できないし、将来が不安だから」という答え方だ。不安や恐怖にたきつけられて、どこでもいいから内定を得ようと奔走し、内定を得たならば、解雇されないようにしっかりと頑張ろうとする志向を持った学生の答え方である。こうした志向を「就社志向」と呼んでいる。
一方で、「自分にはその道のプロとして輝きたいという夢がある。その夢を実現するために就職したい。」という答え方もある。会社にぶら下がるのではなく、自分の夢を主体的に追い求めようとする生き方を志す学生の答えである。こうした志向を「就職志向」と呼んでいる。
採用担当者は、応募者が、就社志向なのか就職志向なのかを早めに見極めて、就社志向の応募者は、どんどん断ろうとする。ぶら下がり志向ではなくプロ志向、就社志向ではなく就職志向の学生を選ぶのだ。就職できない恐怖や将来が不安な学生の気持ちはわかるが、それから逃れようともがく学生は、至って不利であり、早い段階で敗退する事になってしまう。就活で勝利を目指す学生は、プロ志向、就職志向が必要なのだ。
私の知り合いで、長い間人事畑を歩んできた人事部長がいる。彼は、「実は、最終面接まで残る学生は、何も話さなくとも、ただ座っているだけで判る。」と言っていた。「勝ち残る学生は、何も語らなくとも、雰囲気が違う」そうなのだ。私が、「その様な雰囲気は、どうすればできるのでしょうか?」と聞いたとこ、「きっと志があるかどうかでしょうね」と答えてくれた。
志や夢を持って、それを生きようとする人は、見る人が見ればわかるのだ。考えても見て欲しい、2人の人が待合室で座っているとする。一人は、自信が折れて、あせっており、どこでもいいから内定を取りたがって前のめりになって緊張している。もう一人は、自分の夢に向けて希望に燃えており、自身に道で自然であり堂々としている。そうした2人を見比べると、素人目にも違いがわかるだろう。人事部長の不思議な感覚も、うなづけるものがあるだろう。
就職活動において必要なものの第一は、「こころざし」=「自分の夢と幸せのために就職をするのだという心構え」である。
就活対策講座「就活を勝ち抜くために必要なこと」②
だから、もしあなたが面接で落とされたとしたら、それは誤解で落とされたのである。あなたにどんなにすばらしい可能性があったとしても、もしあなたの表現する自己PRが拙いものであったとしたら、あなたは拙い人だと思い込まれるのだ。それは、真理ではなく誤解なのだが、面接の現場では誤解が真実となる。とても恐ろしい現実である。
採用面接において、勝ち抜くためには、あなた自身を無理に変える必要は無い。あなた自身は既にすばらしい宝なのだ。ただ、面接に勝ち抜くためには、そのすばらしさを誤解されないように表現する必要がある。
すなわち、就活に勝ち抜くために必要な要素は、準備なのだ。
就活で内定を取れる学生に共通するものは、能力でも才能でも、ましてや容姿でもない。就活で内定を取れる学生に共通する要素は、すなわち”準備”である。準備が整わない学生は、どんなに能力があっても才能があってもすばらしい実績があっても内定を取れない。逆に、どんなに不器用で誇れるものが無いと思い込んでいる学生でも、徹底的に準備を整えていけば、必ず内定につながる。準備を整えれば、恐れるものなど無いのだ。
ところで、準備には、①心構えの準備 と ②実践的な武器と防具の準備 の2つの要素がある。それぞれについて、詳細を検討していこう。
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就活対策講座「就活を勝ち抜くために必要なこと」①
そもそも、就活を勝ち抜くために必要な事とは何だろう?どうすれば、厳しい就活戦線に勝ち抜く事が出来るのだろう?どんな学生が、内定を獲得しているのだろう?いったい何が、内定に結びつく秘訣なのだろう?
それは、才能なのだろうか?
それは、容姿なのだろうか?
それは、体力や知力などの能力なのだろうか?
それは、資格などの技能なのだろうか?
長年にわたり就活戦線に立ち向かう学生のアドバイザーとして経験し学んだ事は、就活において成功する秘訣は、才能や能力や、ましてや容姿なんかではないという事。実は、そうした属人的な要因は、面接担当者には、見抜けないのだ。
考えても見てもらいたい。どんなに人を見抜く能力を持った人でも、たとえ超能力を持った人でも、たかだか数十分の面接時間で、その人のすばらしい潜在性や可能性を見抜く事なんか出来ない。
採用担当者が見ているものは、その人そのものではなく、その人が表現するものである。
要するに、その人が表現する自己PRによって、その人のよしあしを決めているのだ。たかだか1分程度の自己PRで、その人を評価し、判断しいている。
もちろん、その人そのものと、その人が表現する自己PRは、似て非なるものである。自己PRでは、その人の素晴らしさのほんのひとかけらも表現することはできないだろう。すなわち、採用面接の現場では、途方も無い誤解が起こっているのである。(続く)
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劉暁波氏 ノーベル平和賞受賞!
ノーベル賞委員長、中国に「人権」改善求める
(2010年10月8日21時21分 読売新聞)
【オスロ=大内佐紀】ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は8日の記者会見で、中国で服役中の民主活動家・劉暁波氏へのノーベル平和賞授与の理由について、「今、中国での人権抑圧に目をつぶれば、世界での(人権の)基準を下げることに直結する」と述べた。
中国に人権状況の改善を求めると同時に、中国が「世界第2の経済大国」となるに伴い、人権批判を弱める国際社会に警鐘を鳴らした。
委員長は「経済などの権益のため、人権という普遍的価値の基準を下げることがあってはならない。だからこそ、我々が声を上げた」と述べた。
中国外務次官が6月に同委員会のルンデスタッド事務長と会談した際、劉氏に授賞しないよう事前に圧力をかけたと報じられたことについて、「毎年のように(委員会に)圧力はかかる。よくあることだ」と認め、中国政府に限らず、人権抑圧国が自国の反体制活動家に平和賞を授与しないよう何度も働きかけてきたことを明かした。ソ連で民主化を訴えた物理学者アンドレイ・サハロフ博士(1975年)、ミャンマーの民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん(1991年)、イランで人権擁護を訴える弁護士シリン・エバディさん(2003年)のいずれが受賞した時も、出身国は同委の決定に猛反発した。
中国の民主化運動の活動をしたとして中国共産党に投獄されている劉氏がノーベル平和賞を受賞しました。受賞した劉さんも賞を提供したスウェーデンにも大きな拍手を贈りたい思います。
中国共産党は、チベットの問題、ウイグルの問題、法輪功の問題、など、多くの人権問題を抱えている国であり、現実に行われていることを調べれば調べるほど、想像を超える恐ろしい現実が起こっていることに慄きます。外国にも伝わってくるほどですから、そこで住んでいる人であれば、中央政府の意向に逆らったとしたら、どんな理不尽な暴力にさらされてしまうのかは、痛いほどに分かっていると思いますが、劉さんは、そのような環境の中であっても、自分の信念を貫いて活動を展開した人です。私は、本当に勇者だと思います。
また、火中の栗を拾うような振る舞いとなる今回の賞を提供したスウェーデン政府も勇気ある決定だと思います。きっと、ノーベル賞の様な賞が本当に貢献できるとしたら、こうした形の貢献であり、本当に素晴らしいことではないかと私は思います。
世界の人たちも、この一件をスルーするのではなく、他人事と思わずに、世界の中で人権がどう扱われているかについて、しっかりと関心を持つべきだと思いますね。また、願わくば、中国共産党も、自分たちの在り方を反省する機会とすべきでしょう。
世界を変える力は、まさにこうした勇気から生まれてくるのだと思います。こうした勇者たちにエールを送ると同時に、心から世界平和を祈ります。