2005年4月17日 Medical News Today.comにおいて、認知症と悲観主義傾向に関する調査研究の記事が掲載されました。
この研究は、アメリカ・ミネソタ州メイヨークリニックのYonas Geda博士と同僚医師によるもので、研究の結果「悲観傾向や不安傾向の強い人は、30年から40年後に認知症となる危険性が30%~40%高まる」ことが分かりました。
この研究は、1962年~1965年に、メイヨークリニックでの研究計画の一部として実施されたミネソタ多面的 パーソナリティ インベントリーを受けた50,000人から、Olmsted郡(ミネソタ)に住んでいるおよそ3,500の個人のサンプルを抽出し、医療データ収集や聞き取り調査を行い、どのようなタイプの性格や認知傾向が、認知症と関わっているのかを分析することを目的に実施されたものです。
この研究の結果、「精神医学上の問題を持っているわけではないが、性格が悲観主義傾向にある人は、数十年後に認知症となる確率が30%高くなり、悲観傾向に加え、強い不安感を持っている人たちは、認知症となる危険性が、40%も高くなっていた。」ことが分かりました。
Geda博士は、「この研究は、集団レヴェルの調査であり、それを個人レヴェルにそのまま適応できない」として「このように研究を解釈することに用心深くなければならない」としていますが、認知症が、性格や認知傾向と関わる可能性を示唆する大変貴重な研究と言えましょう。
弊社では、自己効力感や認知傾向が、組織や個人のパフォーマンスに大きく影響を及ぼしていると考えており、健全でたくましい自己信頼感や人生に対する信頼、ありのままに認識する力の育成に取り組んでおりますが、悲観傾向や過度な不安が、単に生産性や創造性ではなく、認知症といった健康や生命にもかかわるような病気とつながっている可能性があると言うことは、衝撃的です。
認知症の原因は、今の医学では、まだ分からないことが多く、いずれの理論も仮説として理解する必要があると思いますが、やはり、過度に悲観的になったり、不安にどっぷりと浸かってしまうことは、注意する必要があると言えましょう。やはり、明るく楽しく人生を謳歌することが、認知症の予防にもつながることは間違いないと言えましょう。
人生において起こる事柄は、決して喜ばしいことばかりとは限りませんが、私たちは、断じて無力ではありません。闇の暗さに気が遠くなるときもありますが、光あってこその闇であり、また、光に勝る闇はありません。
健康のため、豊かで幸せな人生のために、大いに前向きに生きようではありませんか。