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マズローの欲求理論② 「B動機」

一方、マズローは、人間の欲求は、D動機だけではなく、D動機とは全く性質の異なる欲求も存在すると主張した。D動機は、本質的には死の恐怖から逃れるために起こる様々な欲求であることに対して、それは、恐怖や不安からではなく、自分の本当の本音、魂の本質からたち起こってくる欲求であることからBeingの頭文字をとってB動機(実存動機)と名付けた。

B動機は、前提として「自分自身は充分である。自分自身は価値に値する。自分自身は今ここで満足であり幸せである。」という自己認識に立っている人が、「素晴らしい自分自身を表現したい。自分の理想を実現したい。自分らしく生きたい。自分にとって意義のあることにチャレンジしたい。」というハートの奥底からやってくる力強い喜びや意欲によって突き動かされる情熱でもある。

マズローは、B動機に該当する欲求を「自己実現の欲求」と名付けた。自己実現の欲求は、明らかにD動機の様々な欲求とは異なる。それは怖いからするのではなく、本当にそうしたいからするのだ。また、下位の欲求が満足されることによって発現されるタイプの欲求でもない。自我の欲求が満足できたからと言って自己実現の欲求が発現されるわけではない。逆に、死の恐怖にさらされているからと言って自己実現の欲求が起こらないわけではない。自己実現の欲求は、D動機の満足不満足と言うよりはむしろ、D動機の束縛から自由になった人、恐怖や不安に強く支配されることから解放されたハートにやってくるのだ。

だから、恐怖や不安の真っただ中でも自己実現の欲求は起こる。

取り残された人を救うために、自分の命を顧みずに炎に飛び込む消防士、

子供たちの命を救うために、自らの命をかけて戦う戦士、

聖なるものとの出会いを求めて無一文で出家し修行する僧、

貧乏のどん底にあって最高の芸術を生み出すアーティスト、

痛みを知っているからこそ思いやりとやさしさを忘れないホームレス、

自己実現の欲求は、今の人の現状とは関係なくやってくる。その人の外部の状況というよりは、その人の内面のあり方、生き方、哲学とかかわるのだ。(続く)

 

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マズローの欲求理論①「D動機」

マズローの欲求理論②「B動機」

マズローの欲求理論③「動機づけのマネジメント」

マズローの欲求理論④「D動機の経営」

マズローの欲求理論⑤「B動機の経営」

マズローの欲求理論⑥「B動機の経営事例」

マズローの欲求理論⑦「D動機の生き方」

マズローの欲求理論⑧「B動機の生き方」

マズローの欲求理論⑨「B動機の時代がやってくる」

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

マズローの欲求理論① 「D動機」

 A.マズローは、欲求階層説という理論を発表し、そのなかで、人間の欲求は、低次から高次へと階層をなしており、低次の欲求が満足されると、1階層上の欲求が発現してくると言う仮説を提示した。

 もっとも基盤となる低次の欲求は、『生理的欲求』であり、生き残りたいというサバイバルの欲求である。おもに、食欲、性欲、睡眠欲などにかかわる欲求といえる。

 生理的欲求が満たされたならば、次に発現してくる欲求が『安全欲求』である。単に生き残るだけではなく、生存が保証されたい、安定的に安全でありたいという欲求で、衣食住の安定とかかわる欲求である。

 安全欲求が満たされたならば、次に発現してくる欲求が『社会的欲求』である。社会の一員でありたい、仲間外れにされたくないという欲求である。

 社会的欲求が満たされたならば、次に発現してくる欲求が『自我の欲求』である。単に社会の一員であるだけではなく、社会の中でひとかどの人間になりたい、他の人たちよりも尊敬を集める人間でありたいという欲求である。

 マズローは、以上の欲求には、共通した要素があると考えた。それは、それらの欲求が、ある前提を基盤として起こっているということである。その前提とは、「私には、何かが欠けている。欠けている何かを得なければ生存の危機にさらされる。万難を排して欠けている何かを手に入れなければならない。」という自己認識である。そのような特徴から、マズローは、以上の欲求をDeficiency(欠乏)の頭文字をとってD動機(欠乏動機)と名付けた。

 D動機(欠乏動機)とは、生存の危機を起因とした、不安や恐怖に焚きつけられた渇望といえよう。

 一方、マズローは、人間の欲求は、D動機だけではなく、まったD動機とは性質の異なる欲求も存在すると主張した。(続き)

 

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キャリアアドバイザーの今期

J大学で、キャリアアドバイザーを担当しておりますが、おとといから今期が始まりました。

相談に来る学生たちも真剣で、相当危機感を感じているようでした。

就職と就社という言葉があります。

 就社とは、文字通り”社”に就くという意味であり、極端にいえば会社にぶら下がろうとする志向が強いあり方を言います。どちらかといえば、そうしないと不安で怖いから就活を展開している学生たちであり、とにかくどこかに内定を取りたくて前のめりで焦っている様子がよく目につきます。

 就職とは、職に就くという意味であり、自分自身に夢があり、自分の幸せに向けてその道のプロとして主体的にキャリアをはぐくもうと志しているあり方を言います。自分の志を持ち、幸せや夢を実現するのだという強い意志を持ち、前向きで自信がある学生たちが多いといえましょう。

 実は、就社志向の学生と就職志向の学生を並べると、何も言わずに待合室で座っているだけでどちらが魅力的なのかということがはっきりとわかってしまうという恐ろしい現実があります。自信が折れて卑屈になりしょぼくれながらも就職できない恐怖に焚きつけられて焦って活動している学生の雰囲気と、超強気であり夢や幸せに向けて前向きで何を聞かれても怖くないという雰囲気の学生とでは、素人目でもオーラの違いがわかってしまいますよね。そのような点からも、単に内定を取ろうとして焦ることが大切なのではなく、本当の自分の幸せについて真剣に考え、志としてまとめ、大きな夢に向けてその実現のための第一歩として就職活動を展開するのだという心構えがどうしても必要になるのです。

 かく言う私も、就職活動のときは就社志向が強く、どこか大きな会社に勤められれば一生安泰だという願いは強くありましたよ。私だけではなく、たいていの友人たちがそんな思いを持っていたんじゃないかな。だから、今の学生にそれではだめということは大変な酷な言い方だと思いますが、かわいそうだとは思いますが、今の厳しい就活戦線の中では、就社志向は通用しないのです。

 心身ともに追い込まれている状況で、夢だの志だのと言われても、そんな雲をつかむ話に集中できないという思いはよくわかりますが、やはり、そんな夢や志がしっかりしている学生が内定を取っている事実には変わりないのです。ここは、しっかりと腰を据えて、自分の本当の幸せ、志を定め、胸にしっかりととどめて就活戦略を練り直す必要があると思います。

 追い込まれている学生にはなかなか信じることができないと思いますが、人は自分で思っているほどちっぽけな存在でありません。本気を出せば、どんな人でも本当に素晴らしい仕事をする力を持っている。預言者でもない限り、未来の素晴らしい可能性は預言できません。そして、未来の可能性は、今は想像もできないくらい大きく偉大で素晴らしい奇跡が待ち受けているのですから。

 だからこそ、夢を大きく持って、それを実現できる自分の力量と可能性、自分の人生の骨太でたくましく力強いあり方を信じて、超強気で就活戦線に立ち向かってほしいですね。

 がんばれ、4年生!

キャリアスキル講座の今期

 おとといの月曜日は、T大学のキャリアスキル講座を担当してきました。本講座は、就職活動やキャリア形成に必要なコミュニケーションやプレゼンテーションスキルを体得することをテーマとした講座で、①就職活動の基礎知識を学ぶ。 ②コミュニケーションスキルを体得する。 ③面接スキルを体得する。の3つを学習目的としています。

 今年で担当するのが3年目となりますが、受講人数が例年以上に多く、驚きました。本講座は、人数制限のある講座であり、定員が50名です。昨年は、2教室分で50名、定員の半分だったのですが、今年は、なんと定員いっぱいで、両クラスとも50名。全体で100名となってしまいました。厳しい就活事情を背景にした危機感が、学生たちにのしかかっているからだろうと思います。正直、グループワーク主体の講座ですので、少々多すぎる感が否めないのですが、意欲を持って本講座を選んでくれた学生たちのために、できる限りのクオリティを実現したいと思います。全13回の講座で、7月中旬が最終講です。充実した価値ある講座となるように頑張りたいと思います。

キャリアスキル演習1講目

今日から、T大学の授業キャリアスキル(プレゼンディスカッション)演習が始まります。

今日はその第1講目です。テーマは、オリエンテーションと就職活動に向けての基礎知識です。

3時限目と4時限目の2教室を担当します。まだ何名が受講するのかはわかりませんが、どんな学生と出会えるのか、とても楽しみです。

大学・短大向けキャリア教育プログラム説明会のご案内

<大学・短大向けキャリア教育プログラム説明会>

 

○開催日  第1回開催  2010611()

      第2回開催  20107  9()

 

○時 間  午後1:005:00

 

○会 場  稲城市立iプラザ(東京都:京王線若葉台駅下車3分)

 

○参加費   無料

 

○ 概 要

大学・短大向けのキャリア教育プログラムの説明会を開催します。

ご紹介するプログラムは、長年大学教育に多くの実績をもつヴィーナスアソシエイションが提供する以下の3つのプログラムです。

 

1.キャリア教育講座…主に大学12年、短大1年生を対象とした、人間力形成をテーマとした長期的な生き方を探求するプログラムです。

 

2.実践就活対策講座…主に大学34年、短大2年を対象とした、実践的な就活スキルを体得する就活戦線を勝ち抜くための支援講座です。

 

3.サークルリーダー講座…大学・短大の新任のサークルリーダー養成講座です。

 

本説明会では、これらのプログラムを一部体験を交えながらご紹介いたします。

貴校の新しいキャリア教育の参考となる貴重な情報を提供いたします。

ぜひご参加ください。

 

 

<お申し込み方法>

参加する講座(商品)を明記の上、会社名、氏名、ご連絡先を以下のメールにてお送り下さい。

mailto:reference@venus-association.com

 

大学の授業が始まります

 来週から、T大学で、「プレゼン・ディスカッションスキル」の授業が始まります。数多くあるキャリア講座の一つであり、半期の2単位、キャリア形成や就職活動に必要なプレゼンテーションやコミュニケーションのスキルを学ぶ講座です。今年で3年目になる講座であり、こうして担当できますこと、大変光栄に思っております。

 本講座は、実践演習の多い講座であり、例年学生たちの情熱や素晴らしい個性に出会える私にとって大変楽しみにしている講座でもあります。今年も、学生たちの人生や就活にとって価値ある授業となるように一生懸命に頑張りたいと思います。

新入社員研修を担当しました(20100407)

 東京のT社で新入社員研修を担当しました。T社は、テレビ番組制作に関する専門家の派遣会社であり、今年で2度目の担当となります。

 さすが、厳しい就活戦線を通り抜けてきた猛者たちだけに、問題解決の力も人間関係の力も併せ持つ魅力的な若者たちばかりでした。

 新入社員にとっては、この人間関係の力はとてつもなく大切であり、どんなに優秀な問題解決力もっていたとしても、たとえそれが超能力だったとしても、職場で先輩たちからかわいがってもらえなければ、何一つ力を発揮することができないでしょう。しかも、職場は忙しく、新入社員から挨拶をして声をかけていかなければ、仕事を教えてもらうことはできません。そんなコミュニケーションのスキルがどうしても必要になるのです。

 T社の新入社員は、この人間関係の力が特に強いように思いました。みな基本的に明るく人懐っこく可愛げのある若者ばかりであり、周りに元気を振りまいてくれるような人材ばかりでした。そんな才能を生かしていけば、きっと職場でもいち早く受け入れられて活躍の舞台が広がっていくでしょう。きっと10年後は職場を引っ張るリーダーとなっていると思います。

 元気であるということは若者の特権でもあります、そんな特権を最大限生かして、ぜひ頑張ってほしいと思います。新入社員の皆さんに祝福がありますように!

明日も新入社員研修を担当します

 先週は、神奈川県のM社で、新入社員研修アトランティックプロジェクトを担当しました。素晴らしいメンバーとスタッフの皆さんに助けられて、素晴らしい研修となりました。皆さんありがとうございました。

 明日は、また、別の東京のT社において、新入社員研修を担当します。こちらの会社では、今年で2年目の担当となります。こちらでも素晴らしい研修となるように頑張ってきたいと思います!