ステージ1 自然児
自然の恵みと家族の庇護、世話を受けながら生きる純粋無垢で素朴な子供です。まさにダイヤモンドの原石であり、途方もない可能性に満ちています。
自然児は、周囲の思いやり、配慮や庇護、世話を受けることによって、自己信頼や他者への信頼の気持ち、愛し、愛される方法。そして楽観性を育むことができます。
自然児が求めるものは、安全であり続けること、安心であり続けることです。自然児は、弱く傷つきやすい存在であり、生きていくためには周囲の庇護や面倒、配慮が必要なのです。自然児は自分がそうした弱さを持つ特別な存在なので、周囲から面倒を見られ庇護を受けることが当然であると認識しており、周囲の配慮が自分の期待よりも低かった場合は、見捨てられる不安や被害者意識が惹起されて、火が付いたように泣き、怒ります。親の庇護や恵まれた環境が、いかに特別なもので、楽園であり、ありがたく感謝すべきものであるのかがまだ分かっていないのです。
自然児は、純真な心と、元気いっぱいであふれんばかりの生命力に満ちており、とても魅力的です。相手に対して無条件の関心と愛でかかわり、相手の言うことを一生懸命に聴いて吸収し、自分のものとしていきます。周囲の人たちは、そうした自然児の天性の明るさや無条件の愛に癒され、元気を取り戻します。自然児は、その存在そのものが太陽なのです。
しかし、一方で、自然児は、自分は特別な存在で、無条件に愛されること、庇護や配慮や面倒を見てもらうことは当たり前で、いつまでも満たされるべきものであるという自分中心の極めて利己的な枠組みを持っており、時に、わがままで、周囲への配慮に欠けるところもあります。
また、痛みや困難、悪意、人生の苦労については、その存在を知らないか、または体験しても起こるべきことではないと考えており、それを拒否するか、無視しがちです。「闇なんか存在しない」「この世には良い人しかいない」「闇があっても私には関係ない」と考えています。
自然児が最も恐れることは、見捨てられることです。自分には力が無いと思い込んでいる自然児にとって、見捨てられることはすなわち死を意味します。ですので、それを避けるために、泣き、怒り、時に笑顔や甘えで相手に関心を向けてもらい、面倒を見てもらえる方法を学びます。
自然児にとっての課題は、依存からの脱却と感謝の心です。一つ目には、他者や周囲に期待するのではなく、自分で自分の面倒を見れるように自立する力を身につけること。そして、二つ目には、自分の面倒を見てくれる周囲の愛や配慮を、当然のことと思うのではなく、そこには相手の努力と犠牲があることを理解し、感謝することが必要です。
【新刊“To be a Hero”の内容紹介】
①おわりに
②ヒーローズジャーニー
③ヒーローズジャーニーをもとにした人の成長プロセス
④ステージ1 自然児
⑤ステージ2 傷ついた子供
⑥ステージ3 放浪者
⑦ステージ4 求道者
⑧ステージ5 戦士
⑨ステージ6 達人
⑩ステージ7 魔法使い
⑪ステージ8 変革者
⑫ステージ9 勇者
⑫ステージ10 覇王
⑬ステージ11 仙人
⑭ステージ12 賢者
⑮ヒーローズジャーニーの教え