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自尊心の重要性④ 「欠点は治らない」

伝説の打撃コーチと呼ばれる高畠導宏さんは、自分のコーチ体験を踏まえて、「欠点は治らない」と断言されています。彼の指導方針は明確であり、欠点を矯正しようとするのではなく、長所を伸ばそうとするのです。長所を褒め、選手の長所を引き出すことができる的を得た練習方法を工夫し、勇気づけて、ともに練習を繰り返すことで、見違えるように選手が力をつけて、結果的に30人以上のタイトルホルダーを育てることができたのです。

基本的に、人材を育成する方向性として、欠点を矯正するよりも長所を伸ばすこと、自信を砕くのではなく自尊心をはぐくむほうが、結果的に大きな成果につながるといえましょう。影は、目立つので、つつきたくなりますが、日のあたる側面のほうが圧倒的に大きいのです。人は、確かに欠点を持っている完ぺきではない存在ですが、断じて無力ではありません。その人の可能性や潜在性は、人の見立てや思い込みよりも、はるかに大きいのです。それをちっぽけにしか見れないのは、リーダーの器量のなさ、自身の勝手な絶望から来る偏見と言えましょう。自分自身に絶望している人は、他人にも可能性よりも絶望を見出します。自分自身を嫌っている人は、他人にも愛すべき長所よりも憎むべき欠点を見出します。リーダーとして、そんな偏見の罠に陥ってはいけません。自分にしろ、他人にしろ、人は、断じて欠点だらけの無力な存在ではありません。影よりの光のほうが圧倒的に大きく、その潜在性と可能性は、想像をはるかに超えて、壮大なのですから。(続く)

 

<関連記事>

自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

自尊心の重要性③「自尊心とプライドの違い」

自尊心の重要性④「欠点は治らない」

自尊心の重要性⑤「カマスの教え」

動画「自尊心の重要性」

 

 

<関連書籍>

電子書籍『自尊心の重要性』

 

単行本『実践就活マニュアル』

電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』

 

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

体験型新入社員研修”アトランティックプロジェクト”

 

<動画「自尊心の重要性」>

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方

 

自尊心の重要性③ 「自尊心とプライドの違い」

 日本では、この自尊心と傲慢さは、同じようなものと同一視されてしまっているようですが、英語では、自尊心と傲慢さは、はっきりと言葉で違えて認識しています。自尊心は、Self-esteemであり、傲慢さは、Prideと表現されて、それぞれは、全く違うものであると認識されているのです。

 Self-esteem(自尊心)とPride(プライド)の違いを整理してみると、 次の事が言えると思います。

 

<Self-esteem(自尊心)>

・自信に由来する

・自分の存在そのものを尊いと感じる

・欠点も含めて自分を受け入れられる

・失敗にめげずチャレンジング

・基本的に安心

 

<Pride(プライド)>

・劣等感に由来する

・他者と比較して、自分が上(下) と感じる

・自分の欠点の存在を許せず責める

・失敗を恐れて防衛的、保守的

・基本的に不安

 

○Self-esteem(自尊心)は、自信に由来するのに対して、Pride(プラ イド)は、自信の欠如=劣等感に由来する。

 だから、本当の自尊心は、決して傲慢ではない。礼儀正しい紳士淑女であり、自分も大切にすると同時に仲間も大切にする。 一方、プライドは、本当の自分は欠点だらけで弱く、嫌な奴だと思い込んでいるので、それがばれないように隠したり、逆にあたかも強くふる まったりするので傲慢、うぬぼれとなる。

 

○Self-esteem(自尊心)は、自分の存在そのものに価値があると感じる のに対して、Pride(プライド)は、他者との比較において、自分が上(また は下)と認識する。

 だから、プライドは、自分の価値がいつも他者との比較の中で決定する ので、自分の価値は、常に揺らいでおり、脅威にさらされている。 一方、自尊心は、自分の価値を認識するのに他者は必要ない。 他者がどうあれ、自分の尊さには揺らぎがないのだ。

 

○Self-esteem(自尊心)は、欠点も含めて自分を受け入れて尊重すること ができるが、Pride(プライド)は、自分に欠点があることを許せない。

 自尊心は、発展途上の自分が好きであり、自分が完璧ではなくともそれを自然に受け入れることができる。だから、他人にも完璧さを求めないし、欠点ある他人を快く受け入れる。 一方、プライドは、自分に欠点があることを許せないので、他者から欠点を指摘されると猛烈な恐怖と怒りを感じる。だから、完璧になどなれるわけが ないのに、完璧ではない自分でいることが不安であり落ち着かなく、欠点を隠そうとして傲慢になる。自分の欠点を憎むように、他人の欠点にも敏感で それを嫌う。だから、他人にも完璧さを求め、基準を押し付け、矯正しようとする。

 

○Self-esteem(自尊心)は、失敗にめげることなく、前向きにチャレンジングに生きるが、Pride(プライド)は、失敗を恐れて防衛的、保守的に生きる。

 だから、プライドの人生は、壁を作り、分離感を強め、引きこもり、攻撃的に被害者又は加害者として生きるが、自尊心の人生は、壁を乗り越え、分かち合い、知恵と愛と勇気をもって創造者として生きる。

 

○したがって、Self-esteem(自尊心)は、日常が安心と喜びであるのに対して、Pride(プライド)は、日常が不安と恐怖との戦いである。

 だから、自尊心の人生は、基本的に明るく元気で信頼に満ちている。健康的で、平和で、クリエイティブ。自分らしく勇気を持って人生の冒険に乗り出すことができる。一方、プライドの人生は、素晴らしい自分の潜在性や可能性よりも醜い自分の欠点の存在に焦点が当たり、それを克服することがテーマとなるので、基本的に後ろ向きであり、戦いであり、不安である。本来の自分らしさ、明るく大胆で温かい側面が封じ込められ、生き残りをかける猛々しい本能の側面で生きることになる。本来そうあるはずではなかった痛くみじめな自分らしくない生き方を選ぶことになるのだ。

  

<プライドではなく自尊心を持って生きよう>

 基本的に、人が成長する方向性として、欠点を矯正するよりも長所を伸ばす事、 自信を砕くのではなく自尊心を育む事の方が、結果的に大きな成果につながると言えましょう。

 影は、目立つので、つつきたくなりますが、日のあたる側面のほうが圧倒的に大きい事を忘れてはいけません。人は、確かに欠点を持っている完璧ではない存在ですが、断じて無力ではありません。その人の可能性や潜在性は、人の見立てや思い込みよりも、はるかに壮大です。

 それをちっぽけにしか見れないのは、そう認識す るエゴの器量のなさ、自身の勝手な絶望から来る偏見と言えましょう。そんな勘違いの罠に陥ってはいけません。人は、断じて欠点だらけの無力な存在ではありません。本気を出せば、どんな人でも素晴らしい仕事を成し遂げる力を持っています。

そんな自分に自信を持って生きてみませんか。

完璧な存在になどなる必要はまったくありません。

「もう少し背が高ければ自信がもてるのだけど・・・」

「もう少し頭がよければ自信が もてるのだけど・・・」

などとけちくさい事を言ってはいけません。

人は、皆、発展途上の存在であり、完璧になどなることは、そもそもできません。

発展途上の自分を大切にしましょう。

発展途上の自分を信じてみましょう。

発展途上とは言え、あなたには今のあなたの想像をはるかに超えた可能性がまどろんでいます。

あなたの人生は思っている以上に頼もしい力があるのですから。

そんな力と可能性を大切にしてみませんか。(続く)

 

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自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

自尊心の重要性③「自尊心とプライドの違い」

自尊心の重要性④「欠点は治らない」

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動画「自尊心の重要性」

 

 

<関連書籍>

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<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

体験型新入社員研修”アトランティックプロジェクト”

 

<動画「自尊心の重要性」>

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方

 

自尊心の重要性②「自尊心を巡る誤解」

このように、自尊心は、人の人としての生き方、コミュニケーション、人間関係、職業選択、仕事に取り組む姿勢、生きる態度、健康、人生そのものにとても大きな影響を及ぼす重要な要素であるといえます。

しかし、この自尊心についての教育は、実にお粗末であり、ほとんど手が打たれていない現状です。こうした自尊心教育がなされていない原因の一つとして、自尊心をめぐる大きな誤解があるのではないかと私は思っています。

自尊心は、よく、傲慢さや、うぬぼれと誤解されることが多いのではないでしょうか。自尊心を高く持つことは、鼻もちならない生意気で傲慢な危ない人間になることだという勘違いがあり、だから、自尊心はよいものというよりは、悪いもの、持つべきではないものという思い込みがあるように私には思えます。

本当の自尊心は、自分を尊い存在と思えると同時に、相手も大切な存在と感じるので、謙虚であり、思いやりがある紳士淑女として生きることにつながります。一方、傲慢さやうぬぼれは、自分を尊いとは思えないので、欠点を他人に隠そうとしたり、欠点などないふりをしようとしたりする無理からやってくるものであり、むしろ、自尊心の欠如からやってくるものと言えましょう。

日本では、この自尊心と傲慢さは、同じようなものと同一視されてしまっているようですが、英語では、自尊心と傲慢さは、はっきりと言葉で違えて認識しています。自尊心は、Self-esteemであり、傲慢さは、Prideと表現されて、それぞれは、全く違うものであると認識されているのです。(続く)

 

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<動画「自尊心の重要性」>

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方

 

自尊心の重要性①「自尊心とは」

自尊感情とは、自分自身を尊い存在であると認識し、愛し、大切にする意識を言いますが、この自尊心は、古くから、人が人として生きる上で大切なものであるといわれてきています。たとえば、

・汝自身を敬え  ピタゴラス

・独立自尊  福沢諭吉

・天上天下唯我独尊  釈迦

名だたる先哲たちの伝えてきたメッセージとして、自分を大切にすることの重要性が伝えられてきています。

また、自尊心は、現代心理学の重要なテーマの一つでもあります。というのは、自尊感情の低さが引き起こすと考えられる深刻なトラブルや事件が後を絶たないからです。

たとえば、依存症の問題。依存症は、自分に何かが欠けており、その不安や恐怖に追い立てられて、自分以外の何かに頼ろうとする志向が病的にまで固着した場合を言いますが、現代社会では、この依存症はいたるところで顔を出してきます。多発する覚せい剤事件を筆頭とする薬物依存、アルコール依存症、パチンコ依存症、買い物依存症、過食、ネトゲ廃人などなど、枚挙に暇がありません。これらの依存症の根本的な原因の一つが自尊感情の欠如と言えます。

また、学校における学級崩壊の問題。ベテランの力ある教師でさえも学級崩壊を止められないといわれています。なぜ崩壊が起こるのか?その主原因の一つに、生徒たちの自尊感情の問題が挙げられています。生徒の自尊感情が十分高ければ、「今自分は大丈夫であり、勉強も楽しく、先生も友達も悪い人ではない」と感じていますので、落ち着いて席に座り、先生の指導を聴くことも出来れば、友達と仲良くかかわることもできますが、自尊感情が低い場合は、「今の自分は、自分でさえも嫌いであり、当然周りにも嫌われているだろう。だから危機にさらされており、自分でそれを乗り越えられない」と思い込んでいますので、なにもされていないにもかかわらず不安で落ち着かなく、席にじっと座ることがでずに授業中なのに歩きまわり、先生の言うことも、嫌われていると思い込んでいるので、言うことを聞きません。この状態を、従来の対処法としての”しかる”ということで乗り越えようとすると、ますます子供たちの自尊感情を損ねて、泥沼にはまり込んでしまいます。だから、現在、学校では、子供たちの自尊感情をどう高めていくのかに挑戦している真っ最中なのです。

幼児虐待やドメスティックバイオレンスなどの虐待問題にも、この自尊感情の問題が影を落としていると考えられています。さまざまな意識調査や研究の結果、虐待を繰り返す人の共通した心理状態として自尊感情の欠如があげられることが分かってきました。虐待を繰り返す人は、対象者が憎くてやっているのではないのです。自分に絶望し、自分が嫌いであり、自分なんか死んだほうがよいと思っている人が、自分に常に加えている攻撃や脅しを自分の延長上と認識している子供や妻に向けてしまう。子供や妻が憎くてやるのではなく、まさに自分が憎くてやってしまっているのです。自尊感情の欠如は、自分だけではなく、愛する周りの人たちにまで深刻なトラブルに巻き込んでしまうのです。

この自尊感情の欠如の問題は、他にも多くの悲劇を引き起こしています。うつ、凶悪少年犯罪、自殺、などなど、現代社会を彩る様々な病理の背景のすべてにこの自尊心の問題が影を落としているといえましょう。(続く)

 

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①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方