②自己イメージのポジティブな影響
しかし、一方で、自己イメージは、人間の偉大で気高い生き方を導くこともあります。
20世紀の卓越した経営者である松下幸之助(パナソニックの創始者)は、その大きな成功を遂げた理由を問われた時に、いつも答えていたことは「私は運が良い」でした。
確かに彼の成し遂げた偉大なる成功の結果だけをみれば、「なるほどそうかもしれない」と思いますが、しかし、松下幸之助の人生を振り返ってみると、決して運が良い人生とは言えない出来事がとても多いことが分かります。むしろ、思いもよらない不幸の数ならば、決して他人と引けはとらないと言えましょう。
しかし、どんな困難に直面しても、「私は運が良い」ことを信じて、決してあきらめることなく努力し、問題に正面から立ち向かっていった結果、とてつもなく大きな成功を切り開いて来たと言えるのです。まさに、自分への信頼が可能性を拓いた事例といえましょう。
次に、尊敬すべき偉大なる先哲がどのように自分自身を認識していたかの事例を書きますので、参考に見てみましょう。
<リーダーたちの自己イメージ>
「誰よりも自分が期待している。自信がなければこの場にいない。重圧がかかる選手であることは誇りに思う。」シアトルマリナーズ イチロー
「老後にとっときます。」(CMの出演料の使いみちを聞かれて)きんさん、ぎんさん104歳の時
「この世は何と美しく、人の命は何と甘美なものなのだろう…。」 瀬戸内寂聴著「釈迦」より
「あなたは、この世に望まれてきた大切な人。あなたがなんであり、どこの国の人であろうと、金持ちの人であろうと、貧乏であろうと、それは問題ありません。あなたは、同じ神様がおつくりになった、同じ神様のこどもです。」 マザーテレサ
いかがでしょうか?
いずれにしても、尊敬すべきリーダー達は、決して自分を卑下したり、罰したり、否定したりすること無く、むしろ、大切にし、心から愛し、信じていたことをうかがい知ることができます。
自己イメージが健全でパワフルである場合、人の輝かしい生き方を導く可能性があるのです。
これまでの事例から、自己イメージは、良くも悪くも、人の健康や職業、生き方、人生の様々な側面に、とても大きな影響を与えるということが分かりました。(続く)
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