自尊心を回復することとは ~自分を変えようとするほど苦しくなる理由~

「自分を変えようとするほど、なぜか苦しくなる。

   それは、“別人になろうとしている”からかもしれません。」

 

 自尊心を回復するということは、別人になるということではありません。

 あすなろは檜になることはできませんし、ひまわりはバラになることはできません。

 自尊心の回復とは、特殊な努力をして別人になろうとすることではなく、もともとの自分の輝きを取り戻そうとする試みです。

 もともとの自分には、いまはまだ気づけていない想像をはるかに超えた可能性がまどろんでいます。しかし、いま認識している自分についてのイメージや思い込みが覆いとなって、それらの可能性を全く感じることはできていません。

 人は、多くの場合、自分の周囲に自分を囲い込み、封じ込める自分への呪いともいえる否定的な信念を持っているものです。

 「ダメ人間」「運が悪い人間」「必要のない人間」「何をやらせてもうまくできない人間」「人に嫌われる人間」「生まれてこなかった方が良かった人間」・・・。

 自尊心の回復とは、そうした呪いから自由になるということです。新たな信念を植え付けて自分を洗脳するということではなく、すでに植え付けられてしまっている呪い(思い込み)を解き、自由を取り戻すことを意味しています。

 自由を取り戻すことができた時に初めて、真の自己探求が可能となります。

 よく、自己探求は、潜水に例えられます。

 海でのダイビングは、潜れる世界しか見ることはできません。浅くしか潜れない人は、それが体験の全てであり、その世界が全てだと思い込んでしまいますが。海はもっともっと深いのです。海の深みには想像をはるかに超えた“静けさと、美しさが隠されています。その美しさは準備が整った人にしか開示されないミステリーなのです。

 自己探求も同じで、浅くしか体験できていない理解で自己概念を固めて、それを自分だと追い込んでいますが、実は、深くには、想像をはるかに超えた可能性がまどろんでおり、深く潜れば潜るほど見える景色が変わってくるのです。

 小さく貧しい自己イメージからの束縛から自由になった時に初めて、本格的なダイビングが可能となってきます。

 謙虚になって体験に耳を傾け、真剣に探究をしていくと、自分自身の魅力的で生命力にあふれた想像をはるかに超えた力強さと可能性、喜びに気づいていきます。

 自分は実は多層的な存在で、無限の深みが存在しています、その深みには、いまは想像もできないようなミステリーが隠されているのです。

 人は、別人になることはできませんが、自分らしい輝きを取り戻すことなら不可能ではありません。あなたは、本来のあなたでいる時こそが一番輝いている。ひまわりはひまわりとして堂々と咲いている時にこそ、一番輝くのです。

 以前の私と同様に、日本には自分のことを好きになれずに困っている人がたくさんいらっしゃると言われています。

 今困っているからこそ、起こる奇跡も大きいのだろうと思います。

 今の困難は、光の差し込まない黎明だからこその苦しみです。

 明けない夜が無いように、乗り越えられない苦悩もありません。

 光に勝る闇が無いように、真実に勝る誤解はありません。

 おそれず、あきらめずに、自分をもっともっと大切に、そして自分を探求してみませんか。

 本当の秘密は聞く耳を持った人にしかやってきません。

 戸を叩かない人には、可能性の扉は決して開かれません。

 勇気をもって奇跡への一歩を踏み出してみましょう。

 

 「あなたにとって、ほんとうのあなたって、だれですか?」

 

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