体験学習とは? 体験学習の原点

<体験学習の原点>

 体験学習の歴史は、K.レヴィン(Lewin,K,.1890-1947)の活動に端を発しています。
 レヴィンは、社会心理学の偉人であり、小集団の人間関係(コミュニケーション、リーダーシップ、信頼関係など)がそのパフォーマンスに大きな影響を与えているだろうとの考え方をもとに、多くの小集団の実践研究を展開し、グループダイナミクスと呼ばれる小集団の社会心理学の分野を創始しました。

 彼の研究を通して発見された理論や方法は、大変効果的で有用なものが多く、『パーソナリティの力学説』『アクションリサーチ』『力の場の理論』『グループダイナミックス』など、現在でも多くの理論や技術が幅広く活用され、応用されています。
 その技術の中の1つに、Tグループと呼ばれる人間関係を学ぶことを目的とした学習方法があります。

 Tグループは、「人間関係スキルの向上、個人の人間的成長、リーダーシップなどのグループスキルの向上」などを目的として開催される集中セッションであり、通常5泊6日程度の合宿で開催されることが多いといえます。
 プログラムは、主に、Tセッションと呼ばれる80分にわたる集中セッションが、休憩を挟んで1日4~5回程度繰り返される展開となります。
 Tセッションでは、椅子だけが人数分円形に並べられており、ファシリテーターとメンバーは、自由に着席します。実施内容は、何も決められておらず、すべてがその場で起こったことを元に進められていきます。学習の素材は、「いまここ」であり、今ここで起こっている気持ちや人間関係、ダイナミックスを個々人が言語化して、お互いに対話することを通して理解を深めていく展開となるのです。
 主に、昼食後の午後一番には、Gセッションと呼ばれるセッションが実施されることがあります。Gセッションとは、Tセッションとは違った状況の中で、プロセスへの理解を促進するために実施されるセッションで、あらかじめ構造化された実習やツールを使用して自分について、自他の影響関係について学ぶことになります。実習は、たいていよく工夫されており、刺激的で、楽しいことが多く、グループで起こっている人間関係やダイナミックスが浮き彫りになり、とても探求しやすくなることが多いといえましょう。

 体験学習とは、実は、このTグループを応用した学習方法であります。
 現実的に6日程度の日程を研修に使えない企業や組織の事情を背景に、もっと短時間で効果的な方法をということで、主に、Tグループにおける午後一番で実施される構造化された実習を元にしたGセッションだけを集めて実施するようになったものが、体験学習だったのです。

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