東京都のA社にて、新入社員フォローアップ研修を担当してまいりました。プログラムは、弊社の新入社員研修プログラム「アトランティックプロジェクト」をアレンジして、フォローアップ研修向けに再編しなおしたものです。概要は以下の通り。
【新入社員フォローアップ研修概要】
(テーマ) 「力強く輝く中堅社員に向けての第一歩を踏み出す。」
(ねらい)
①入社から現在までを振り返り自分の課題を整理する。
②企業経営の全体像を学び、全体から見た自分の役割を理解する。
③本音で関わる対話力を高める。
④自己理解を深め、自分の長所と短所を把握する。
⑤力強いキャリアを導くキャリアヴィジョンを設定する。
(プログラムの内容)
セッション1 「入社から現在までを振り返る」
・入社後半年が経過した新入社員の現状の課題と期待
・実習「四つの問い」
セッション2「企業経営の全体像」
・実習「アトランティックプロジェクト」
・マネジメントの基礎
・企業財務の仕組みと分析方法
・チャレンジ精神の重要性
セッション3「本音で関わる対話力」
・実習「高価な薬」
・ディスカッションとダイアローグ
・受け入れるということ
セッション4「自己理解を深める」
・実習「風の卵の物語」
・ほめることの重要性
・人の偉大なる可能性
セッション5「ヴィジョンを作る」
・前向きな生き方の重要性
・実習「私のキャリアヴィジョン」
本プログラムは、新入社員フォローアップ研修であり、元気と勇気と自信を回復し、新入社員意識から中堅リーダーへの意識転換を図ることが研修のテーマとなります。
当社は、放送業界であり、新入社員のみなさんは、入社当初より、極めて専門性の高い責任ある仕事を早くから期待されることが多く、ゆえに、この6か月間は、しかられたりプレッシャーを感じたりなど、大変な厳しさを体験し、そんな中で頑張り、激動の時代を切り抜けてきたことになります。
私は、当社の新入社員導入研修も担当しているので、彼ら彼女らとは、2度目の再会となりますが、新入社員当時とはずいぶん変わって、たくましく、一回り大きくなったような雰囲気となっていました。やはり、困難は、人を育てるのですね。激動の時期を見事に乗り越えた顔は、みな立派でした。
しかし、そうした激動の時代もすでに半年が経過しており、新入社員という位置づけも次第に薄まり、周囲からは徐々にもっと大きな役割を期待されるようになってきています。
今回のプログラムは、そうした状況を背景に、新入社員のみなさんが、より大きな役割である中堅社員として必要な心構えやスキル、知識を学び、もっとスケールの大きな存在として、若手リーダーとして活躍していく基礎作りをすることがテーマとなります。
プログラムの展開は、
①入社から現在までの激動の体験を振り返り、整理すると同時に、同期とその体験を分かち合う。
②共同作業を通して、仕事の喜び、挑戦心、自己信頼と他者への信頼、情熱を回復、確認する。
③自己理解を深め、自分の留意する点と偉大な可能性に気づく。
④志の重要性を学び、志を定める。
という流れとなり、不慣れな企業社会へのランディングで、大きく成長を遂げたと同時に、少々疲れている心身を癒し、元気と勇気と自信を回復し、新たな気持ちで、さらに一回り大きな存在となって職場に立ち向かっていく準備を整えていく展開となりました。
メンバーは、思いのほか元気であり、癒される必要があるほどへこたれていないように私には感じましたね。これは、当社の現場の教育力が影響しているのかもしれません。初日の夕刻に懇親会があり、現場の部長や新人の教育担当の方々とお話ししましたが、本当にメンバーを大切に育てている様子がよくわかりました。当社は、やはり人を大切にする会社であり、彼ら彼女らは、なんだかんだ言って恵まれています。厳しくも温かく育む風土があるからこそ、新入社員も短期間で凛々しくたくましく元気を失わずに育ったのでしょう。メンバーのみなさんは、誰ひとり斜に構える者はおらず、元気に楽しく真剣に講座に参加してくれました。
素晴らしいメンバーのおかげで、プログラムも大変楽しく元気で力強い雰囲気の中で、大切なことを学ぶことができました。
・仕事は確かに厳しく苦しい側面があるが、その本質は喜びであり、楽しくロマンあふれる挑戦であること。
・流されてはいけない。自ら考え行動し反省するという主体性(マネジメント)を放棄してはいけない。
・企業財務は、会社のドラマ、血と汗と涙を読み解く暗号である。
・コミュニケーションから逃げてはいけない。向き合えば必ず展望が開ける。
・自分の注意すべき欠点と偉大なる長所。
・人は、断じて無力ではない。その可能性は、人の想像をはるかに超えて大きい。
・あなたはダイヤの原石。磨いて大いに輝こう。
・若手リーダーに必要なものは、コミュニケーション、自己信頼、そしてこころざしである。
・ハートに熱い志を持ち、勇気をもって冒険へと繰り出そう。
そんな大切なことを学ぶことができました。
すばらしく充実した学びの場となったのは、ひとえに素晴らしいメンバーとスタッフのみなさんにに恵まれたからこそ。
ともに研修運営を担ってくださったスタッフのみなさんに心から感謝申し上げたいと思います。
そして、メンバーのみなさん。入社時は、やさしくさわやかで人懐っこいけれども少々傷つきやすさのある若者たちでしたが、半年たって見事に成長し、そんな素敵な基盤の上に、負けん気と粘り強さとチャレンジスピリットを身に着けたみなさん。本当によく成長してくれたと思います。私もみなさんの研修にかかわれて大変光栄です。これからもいろんな課題が出てくるでしょうが、みなさんなら大丈夫。何とかなりますよ。
ともに頑張り、自分らしく力強く活躍していきましょう。