天の川銀河の中心部にガンマ線の「泡」
AFPニュース 2010年11月12日 13:05 発信地:ワシントンD.C./米国
【11月12日 AFP】天の川銀河の中心部に、ガンマ線を放射する2つの巨大な「泡」を発見したとする論文が、9日の天体物理学誌「The Astrophysical Journal」に発表された。米ハーバード・スミソニアン天体物理学センター(Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics)の天文学者Doug Finkbeiner氏らが、米航空宇宙局(NASA)が公開したフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡の観測データを分析していたところ、2個の「泡」を発見した。
「泡」が広がっている範囲は、おとめ座からつる座までの5万光年、全天の半分以上に及んでいた。起源は数百万年前までさかのぼるとみられる。
■エネルギー源の謎
ガンマ線は、光線の中で最もエネルギーが高い。08年に国際プロジェクトとして観測を開始したフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡には、これまでで最高のガンマ線検出能力がある。
研究チームは現在、これらの「泡」の成立過程について分析を進めているが、2個の縁がいずれもはっきりしていることから、大量のエネルギーが比較的短期間に放出された跡と推測されるという。
放出されているエネルギーの源は謎のままだが、研究チームは2つの可能性を指摘する。1つは、ほかの銀河でも観測されているように、天の川銀河中心部の超大質量ブラックホールが放出したジェット粒子である可能性だ。あるいは、爆発的な星形成の際のガス流出によってこれらの「泡」が生じた可能性もあるという。(c)AFP/Jean-Louis Santini
Image:NASA Goddard
最近は、宇宙に関して、どんどん新しい事実が明らかになってきていますね。月や火星には従来の想定以上に水があること。暗黒物質や暗黒エネルギーの発見。そして、今回は、銀河系の新しい姿が発見されたとのこと。これは、すごいことですよ。従来の銀河系のイメージががらりと変わりますよね。それにしても5万光年にわたる泡!とてつもない大きさです!そもそも泡って何なんでしょうか?いったいなぜできて、どんな物質からできていて、その中ではどんなことが起こっているのか?謎は深まります。今後の研究に期待したいですね。