私が担当した学生の事例を紹介しよう。彼女は、大柄で元気がよく、声が大きなはつらつとした学生である。大学3年生の12月から就活を開始し、持ち前の行動力を活かして、積極的に企業訪問を繰り返した。しかし、厳しい就職氷河期と呼ばれた就活環境下で、思い通りには事が運ばずに、多くはエントリーシートの段階で落とされ、例え書類選考が通っても、一次面接で、すべて敗退してしまった。「下手な鉄砲数うちゃ当たる」の格言を信じて、落ち込む気持ちを奮い立たせてエントリーを繰り返し、4ヶ月で50社を訪問した。しかし、そんな努力をあざ笑うかのように事は進まず、すべての企業で2時面接まで進む事が出来ずに敗退してしまったのだ。疲れ切ってどうしても前に進む事が出来なくなってしまい、4月上旬にキャリアアドバイザーである私のところに相談に来たのだ。