「そもそも、あなたは、何のために就職したいのだろうか?」
実は、採用担当者が、あなたと会う当初に知りたい事は、この質問の答えである。
あなたなら、この質問にどう答えるだろうか?この答えには、典型的な答え方が2つある。
ひとつは、「就職しないと生活できないし、将来が不安だから」という答え方だ。不安や恐怖にたきつけられて、どこでもいいから内定を得ようと奔走し、内定を得たならば、解雇されないようにしっかりと頑張ろうとする志向を持った学生の答え方である。こうした志向を「就社志向」と呼んでいる。
一方で、「自分にはその道のプロとして輝きたいという夢がある。その夢を実現するために就職したい。」という答え方もある。会社にぶら下がるのではなく、自分の夢を主体的に追い求めようとする生き方を志す学生の答えである。こうした志向を「就職志向」と呼んでいる。
採用担当者は、応募者が、就社志向なのか就職志向なのかを早めに見極めて、就社志向の応募者は、どんどん断ろうとする。ぶら下がり志向ではなくプロ志向、就社志向ではなく就職志向の学生を選ぶのだ。就職できない恐怖や将来が不安な学生の気持ちはわかるが、それから逃れようともがく学生は、至って不利であり、早い段階で敗退する事になってしまう。就活で勝利を目指す学生は、プロ志向、就職志向が必要なのだ。
私の知り合いで、長い間人事畑を歩んできた人事部長がいる。彼は、「実は、最終面接まで残る学生は、何も話さなくとも、ただ座っているだけで判る。」と言っていた。「勝ち残る学生は、何も語らなくとも、雰囲気が違う」そうなのだ。私が、「その様な雰囲気は、どうすればできるのでしょうか?」と聞いたとこ、「きっと志があるかどうかでしょうね」と答えてくれた。
志や夢を持って、それを生きようとする人は、見る人が見ればわかるのだ。考えても見て欲しい、2人の人が待合室で座っているとする。一人は、自信が折れて、あせっており、どこでもいいから内定を取りたがって前のめりになって緊張している。もう一人は、自分の夢に向けて希望に燃えており、自身に道で自然であり堂々としている。そうした2人を見比べると、素人目にも違いがわかるだろう。人事部長の不思議な感覚も、うなづけるものがあるだろう。
就職活動において必要なものの第一は、「こころざし」=「自分の夢と幸せのために就職をするのだという心構え」である。