分離感は、境界の性質とその状態の2つの視点から特徴を捉えることが出来る。
1.境界の性質
自他の境界は、時と場合に応じて変化する。自分と大変親和的で自分が受け入れやすい対象に対しては、境界線は柔軟であいまいになる。例えば、自分の大好きな食べ物は、自分の口の中に受け入れ、ついには自分の体と同化し、自分の一部になる。自分の大好きな人とは”もらい泣き”のような共感が起こり、自他の感情の共鳴と相互理解が起こる。
逆に、自分と親和しない受け入れづらい対象に対しては、境界線は固くはっきりと浮き上がり、まるで戦争当事国同士の国境線の様に緊張と対立が起こる。
2.分離感の状態
①戦いの状態
”他”に対して脅威や反感を感じ、”自”を守ろうとする状態であり、”自分”が、”他”の脅威にさらされて萎縮し弱い犠牲者のように感じる。自他の境界線は厚くなり、固く、高い壁ができた状態となる。個の状態になると、基本的に”他”は、どんな存在であれ、潜在的な敵であり、どんなフレンドリーな装いをしていてもいつかは攻撃に回る信用のならない拒絶すべきよそ者となる。だから、他からの働きかけは、どんなにそれに愛があるように見えようが、それは何かを奪おうとしている操作や攻撃に感じ、あらゆる働きかけにプレッシャーを感じる。結果、人間関係は、競争とサバイバル、戦闘と防衛の関係となる。(続く)
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