分離感について⑥ 「分離感と施策」その2

 マイケルムーア監督作品の「キャピタリズム ~マネーは踊る~」で紹介された安定的に成長する優良企業がある。ウィスコンシン州のイスムス社(ISTHMUS)である。当社は、民主主義を経営に取り入れているユニークな会社である。従業員は、全員平等な経営者として扱われ、アイデアや意見は尊重され、会社の方針や意思決定は、すべて話合いと多数決で決められる。それだけではない。末端の社員とCEOの給与が同じなのだ。利益を真の意味で分かち合うファミリーなのだ。社員は、平等に扱われることに満足しており、仕事に生きがいとやる気と感謝を持って取り組んでいる。

 埼玉県川口にコミー株式会社という広角ミラーの製造販売を営むユニークな会社がある。当社は、非競争主義を提唱している。社長の小宮山氏は、競争原理で肉食獣のように熱くたたかうことは疲れるからいやだというのだ。肉食獣ではなく、もっと穏やかに、日々の仕事を大切にして、創意工夫を最大限に活かして経営をしていこうと志向されているのだ。だから、コミー社の日々の仕事は、コミーの物語として、丁寧に記録され、関係各社に公開し、共感と協力を呼んでいる。小宮山社長は、競争が成長の原点であるという考え方は、勘違い、幻想ではないかとおっしゃる。そんな疲れることをするよりも、丁寧に日々の仕事の中で起こっていることをよく理解し、しっかりと考え、工夫していくことが、会社の成長につながるという信念で経営されているのだ。結果、防犯ミラー業界において国内シェアーは、80%であり、顧客から絶大な信頼を得ている。

 長野県伊那市に伊那食品工業という素晴らしい会社がある。社長の塚越氏は、自分の仕事は、社員を大切にすることと公言し、リストラなしの年輪経営をモットーに、社員を家族として本当に大切にする施策を展開している。多くの工夫があるが、その最たるものが、情報公開主義であろう。伊那食品では、あらゆる情報が、隠されることなくすべて公開される。信頼は、取り繕って作るものではなく、隠し事やうそのない正直さからくるのだ。また、人事制度は徹底した年功序列である。社員は、社長の方針を意気に感じ、高いモチベーションで仕事に取り組んでいる。結果、48年にわたる連続の増収増益を達成した。

 分離感を弱める方針、一体感を高める経営哲学は、会社の偉大な成長をもたらすのだ。(続く)

 

<関連記事>

分離感について①「分離感とは」

分離感について②「分離感の状態」

分離感について③「分離感の状態」その2

分離感について④「分離感と生産性」

分離感について⑤「分離感と施策」

分離感について⑥「分離感と施策」その2

分離感について⑦「分離感は幻想」

分離感について⑧「自然本来の社会性」

分離感について⑨「人と組織の新しい可能性」

 

<関連プログラム>

リーダーシップ研修”To be a Hero”

コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)