伝説の打撃コーチと呼ばれる高畠導宏さんは、自分のコーチ体験を踏まえて、「欠点は治らない」と断言されています。彼の指導方針は明確であり、欠点を矯正しようとするのではなく、長所を伸ばそうとするのです。長所を褒め、選手の長所を引き出すことができる的を得た練習方法を工夫し、勇気づけて、ともに練習を繰り返すことで、見違えるように選手が力をつけて、結果的に30人以上のタイトルホルダーを育てることができたのです。
基本的に、人材を育成する方向性として、欠点を矯正するよりも長所を伸ばすこと、自信を砕くのではなく自尊心をはぐくむほうが、結果的に大きな成果につながるといえましょう。影は、目立つので、つつきたくなりますが、日のあたる側面のほうが圧倒的に大きいのです。人は、確かに欠点を持っている完ぺきではない存在ですが、断じて無力ではありません。その人の可能性や潜在性は、人の見立てや思い込みよりも、はるかに大きいのです。それをちっぽけにしか見れないのは、リーダーの器量のなさ、自身の勝手な絶望から来る偏見と言えましょう。自分自身に絶望している人は、他人にも可能性よりも絶望を見出します。自分自身を嫌っている人は、他人にも愛すべき長所よりも憎むべき欠点を見出します。リーダーとして、そんな偏見の罠に陥ってはいけません。自分にしろ、他人にしろ、人は、断じて欠点だらけの無力な存在ではありません。影よりの光のほうが圧倒的に大きく、その潜在性と可能性は、想像をはるかに超えて、壮大なのですから。(続く)
<関連記事>
<関連書籍>
電子書籍版『実践就活マニュアル 第1巻 就活に必要な心構え』
<関連プログラム>
コミュニケーション研修”アドベンチャー トゥ エンカウンター”
<動画「自尊心の重要性」>
①自尊心とその影響
②自尊心とプライドの違い
③日本における自尊心の現状
④自尊心と生き方