氷河期到来?

        太陽、まもなく「冬眠」   朝日新聞 [10/03/19]

                             東京科学グループ・東山正宜

 

 太陽が「冬眠」準備に入ったらしい。国立天文台などの観測から、約11年で繰り返してきた太陽活動の周期が2割ほど長くなり、表面の磁場も観測史上最低レベルを記録したことがわかった。こうした現象は活動が弱まる直前の特徴として知られる。実際、太陽はこの数世紀、11年周期以外に、ほぼ100年ごとに活動の増減を繰り返している。ただ、そのしくみや、地球の気候への影響などはよくわかっていない。

 昨年末から今年にかけて、太陽に久しぶりに現れた黒点に研究者らの話題は持ちきりになった。表面の爆発現象「フレア」も観測され始めた。この数年、100~200年ぶりの弱さを記録した太陽活動は、ひとまず回復の兆しを見せている。

 この活動再開によって、直近の太陽の活動周期が確定した。ベルギーの太陽黒点数データセンターのまとめでは、約12年7カ月。普段より1年半長い。周期が延びるのは、太陽が冬眠の時期に入る前の特徴とされる。

 太陽活動はおよそ11年ごとの周期に加え、ほぼ100年ごとに活動が弱まる大きな波がある。特に1700年前後の冬眠はマウンダー極小期と呼ばれ、ほぼ70年間にわたってほとんど黒点が現れなかった。

 11年周期は太陽のN極とS極が周期的に逆転するために起きる現象と解釈されているが、100年の大きな波が起きるしくみは分かっていない。ただ、近年、宇宙航空研究開発機構の人工衛星「ひので」のように高い解像度での観察が可能になり、解明が期待されている。

 国立天文台の常田佐久教授は「次の周期の活動は、極めて弱いものになるのではないか。衛星で太陽を観測できるようになって初めて起きる極小期だけに、どんな現象が見えるか楽しみだ」と話す。

 地球の気候へはどのように影響するか。過去には、マウンダー極小期に英国のテムズ川が凍るなど寒冷化の現象が起きた。過去1千年に起きた主な太陽活動の極小期でもおおむね、地球は寒冷化したとされている。ただ、その相関がどのようなしくみで起きたかはよくわかっていない。次に予想される極小期がどの程度の規模か、再びミニ氷河期が来るかどうかは、はっきりしないという。

 地球の気候への影響で考えられる要因に日射量がある。だが、太陽活動が弱まっても日射量は0・1%ほどしか変化せず、影響は小さいと見られている。

 放射線(宇宙線)量の変化もある。太陽の磁場は、太陽系外から降り注ぐ宇宙線から地球を守っている。活動低下に伴って太陽の磁場が弱まると、宇宙線量は15%ほど増えるらしい。

 宇宙線には雲をつくる効果があり、宇宙線が増えると太陽光が反射されて地球が冷えるとする研究がある一方、雲をつくる効果はわずかだとの主張や、雲ができると逆に地球の熱が逃げにくくなって温暖化する説もあり、専門家の間でも意見は分かれている。

 米国では今冬、東海岸のワシントンが100年ぶりの大雪に見舞われた。東京大宇宙線研究所の宮原ひろ子特任助教によると、太陽活動の弱さや宇宙線の多さも100年ぶりのレベルだった。宮原さんは「太陽活動と気候変動のつながりをさらに詳しく調べたい」と話す。

 

 太陽の活動が極小期に突入するとのこと。今年の大雪は、太陽活動の低調化の表れなんでしょうかね。地球温暖化の問題が大きく取り上げられてきたので、地球はだんだん暑くなるとばかり思っていましたが、この記事によると、逆に地球は氷河期に突入するかもしれない様子です。温暖化か寒冷化?いったいどっちの方向に進んでいくんでしょうかね。もし氷河期が来るのならば、温暖化を防ぐために企画されている炭素税や原発の推進などは、的外れな対策となってしまいますよ。これは大きな問題なんじゃないでしょうかね。今後も注目していきたいと思います。

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