証券会社で新人フォロー研修

都内証券会社で新人フォローアップ研修を担当してきました。研修の概要は以下の通り。

 

【証券会社新人フォローアップ研修】

<プログラムのテーマ>

 「力強く輝く中堅社員に向けての第一歩を踏み出す。」

 

<プログラムのねらい>

    ①力強く輝いて活躍する基盤となるポイントを学ぶ。

   ②本音で関わる対話力を高める。

   ③自己理解を深め、自分の強みと弱みを把握する。

   ④力強いキャリアを導くキャリアヴィジョンを設定する。

<プログラムの内容>

 セッション1「自尊心の重要性」
 

 セッション2「本音で関わる対話力」

   ①入社から現在までを振り返る

   ②コミュニケーションの重要性

   ③本音でかかわる対話力  

                                
 セッション3「自己理解を深める」

   ①前向きな生き方の重要性                                     

   ②自分の可能性を探求する

 

 セッション4「ヴィジョンを定める」

 

 参加人数は、90名強。すべて女性のメンバーでした。

 1日のプログラムですが、1日の割には、内容が多く、少々詰め込みすぎたきらいもありましたが、すばらしい受講メンバーのご協力のおかげで、元気で明るくパワフルな学びの場となりました。

 当証券会社さんとは、今回のこの研修が初めてのご縁でしたが、運よくすばらしい場となり、メンバーのアンケートからも、大変高い評価を頂けて、幸先の良いご縁の始まりとなりました。

 メンバーは、入社後1年目の新入社員のみなさんです。入社1年目と言うものは、キャリアの危機とも言われており、学生から企業人への急激でダイナミックな環境変化の中、何もわからない五里霧中の中を手探りで進み、痛い思いをしたり、叱られたりなど、大変な思いをしながら徐々に一人前に近づいていくという、とてもハードな時期ともいえます。彼女たちは、そのような危機を乗り越えてきた面々であり、へこんでいる人も多いのかなぁと思いきや、結構明るく元気で、たくましさの片りんをのぞかせている頼もしい雰囲気のメンバーでした。

 プログラムを通して、自尊心の重要性、コミュニケーションの大きな力、自分自身の限りない可能性、前向きな生き方について学び、激動期の疲れを癒し、英気を養ってもらえたのではないかと思います。

 研修レポートの中には、「自尊心が重要だなんて考えたこともなかったけれども、本当に大切なんだということが分かった」「メンタル的にへこんでおり、この研修は、本当にタイムリーだった。前向きに職場に向かえそうです。」「元気をもらえました。」など、うれしい感想も書いてくれた人が多くあったそうです。

 こうしたよき学びの場、癒しの場、希望の場を提供する仕事をできるということ、これは本当にありがたく、こんなにうれしいことはありません。最近、この仕事がますますおもしろくなってきました。今後に向けて、もっともっと良い仕事をして、元気と勇気と信頼に向けての使者となりたい気持ちでいっぱいです!

協力会の監督者研修3(20150206)

先日、大手製造メーカーの協力会の企業さんの監督者研修を担当してきました。この研修は、3回連続の講座であり、今回は最終回の第3回目です。概要は以下の通り。

【協力会監督者研修3回目(最終回)概要】

<テーマ>

 「プロジェクトチームのシミュレーションを通して、効果的な組織運営のポイントを学ぶ。」

 

<ねらい>

 ①戦略の基礎と効果的なあり方を学ぶ。

 ②マネジメントの効果的なあり方を学ぶ。

 ③企業財務の仕組みと分析方法を学ぶ。

 ④効果的な組織運営に必要な要素を学ぶ。

 ②人とチームの力を引き出すポイントを学ぶ。

 

<プログラムの内容>

組織実習「アトランティックプロジェクト」

     ・組織編制

     ・経営計画の策定

     ・実習の実施

     ・損益計算と決算報告

 

 本研修は、3回にわたって実施されており、それぞれのテーマが、第1回目「コミュニケーション」、第2回目「チームビルディング」、第3回目「最強組織の法則」と言う展開となっています。今回は、その最終回の組織をテーマとしたセッションとなりました。

 プログラムは、弊社の組織実習「アトランティックプロジェクト」です。アトランティックプロジェクトは、現在は、新入社員研修プログラムとして販売しておりますが、もともと企画した時は、リーダーシップ研修の教材として開発したものでした。それが、想像以上に力強い実習であり、お客様からのおすすめもあり、それを中心として総合的な新入社員研修プログラムとしても開発したのですが、もともとは、リーダーシップ研修プログラムであり、現在でも、新人以外の階層で多くご活用いただいております。

 今回も、まさに、マネージャー研修プログラムとして、アトランティックプロジェクトを実施いたしました。

 1回目、2回目と、コミュニケーションとチームビルディングを学び、チームは、よき仲間として、十分な力を発揮できる体制が整っております。そのような状況で、困難な課題に挑戦する形となりました。

 結果は、見事に全チームが大成功となりました。もともとは、初対面の全く他人同士だったチームが、徐々に心を通わせて、よきチームとなり、最終的には、困難な課題に立ち向かって見事に成功する。そのダイナミズムは、圧巻でした。

 最終的には、チームが作り上げたアトランティックカーの走行検査を行うことで売上が確定することになるのですが、その検査の際に、努力の結晶となる作品が見事に検査をクリアーするシーンは、感動的でもありましたね。

 自画自賛ではありますが、アトランティックプロジェクトは、すごいプログラムです。

 いやいや、参加いただいたメンバーのみなさんが素晴らしかったからこそ、プログラムが生きたのです。

 改めて、スタッフのみなさん、メンバーのみなさんに心から感謝申し上げたいと思います。

 メンバーのみなさんは、みなさんこわもての顔であり、現場のリーダー然としていらっしゃる方々ばかりです。しかし、顔からはわかりませんが、とても温かい心の持ち主たちであり、そうは見えませんが、優しく、不器用ではあるものの心配りが細やかで、熱い情熱を胸に持った、すばらしいメンバーたちです。

 最終回でもあり、研修終了後、懇親会を開催してくださったのですが、その際に、メンバーのみなさんと職場のことについていろいろとお話をさせていただきましたが、みなさん職場を愛し、真剣に良くしようと熱い思いを語っていらっしゃいましたね。こうしたリーダーが製造の現場を指揮しているということは、日本もまだまだ捨てたものではない。明るい希望を持てたような体験でした。

 素晴らしいメンバーのみなさん、そしてスタッフのみなさん、こうした学びのチャンスを頂けたことは、大変光栄で、また貴重な体験でした。本当にありがとうございました。情勢は依然厳しくはありますが、みなさんならば、大丈夫。自信をもって立ち向かってい行きましょう!

 

 

 

大学サークルリーダー研修20150209

 大学のサークルリーダー研修を担当してまいりました。概要は以下の通り。

【J大学サークルリーダー研修概要】

(テーマ) 「自分らしく輝くサークルリーダーとなる」

(ねらい)

  ①リーダーシップの原点となる自尊心の重要性を学ぶ。
  ②コミュニケーションの重要性と改善ポイントを学ぶ。
  ③チーム力を高めるためのポイントを学ぶ。
     ④サークルリーダーとしての志・目標を定める。

(内容)

セッション1「自尊心の重要性」

セッション2「コミュニケーション」

セッション3「チーム力を高める」

 ①力強いチームを作るためのポイント

 ②信頼関係を育む

セッション4「ヴィジョンを定める」

 

本プログラムは、今回で7回目であり、ずいぶん長く担当させていただいております。

今回は、特に、参加人数も多く、2人の講師で、2会場に分けての実施となりました。

今回も、意欲的で意識の高い学生たちに恵まれて、すばらしい学びの場となりました。

学生たちの書いてくれた感想がありますのでご紹介します。

 

【大学サークルリーダー研修感想】

・今日の時間ほど充実し、来て良かったと思った日は、これまでの大学生活でなかったかもしれません。家で資料を見直し、考えて行動していきたいと思った。

・サークルリーダーとしてだけではなく、自分自身のためになる内容であった。

・自尊心を高めることは、周りの人を大切にすることにもつながる、と言うことに印象を受けた。自分は何をしてもダメだと思わずに、前向きな考え方をしようと思った。

・すごい満足した。学べるものが多かったと思うし、得ることも多かった。グループ学習の楽しさを感じることができた。

・今まで不安に思っていたことや迷いが、同じ立場の人たちと話したことで、自分だけではないと気づき、安心したし、講義やワークショップを通じて多くのことを学べてよかった。

・日本語の自尊心ではネガティブな印象を受けていたが、本来の意味は、自分自身の存在を認めてやるという考え方であると知り、自分自身を認めてやるという考えが大切なんだと思えた。楽観主義であることは悪いことではないのだと思った。

・自分に自信を持つことが、コミュニケーションに関係していると気づき、自信をもっていいんだ、と思うことができた。

・リーダーとしてどうあるべきかを考えることができ、これからのサークル活動に有益であった。

・同じ立場の人たちと初対面ではあるがワークショップを通して関わることで、自分の意識の高まりや新たな気づき、そして今後どうすればよいか明確にわかり、とっても良い機会だった。

・言葉やジェスチャーなしでの意思疎通の難しさを改めて知りました。私がいかに言葉に頼っていたか。もっと人のちょっとした動きで心がわかるような人になりたい。

・参加できてとてもよかったと思った。学んだことを部員にも伝えていきたいし、絶対、自分らしいかっこいいリーダーになるとちかった!

・フィードバックの実習で、班員の方に言われて、自分にはこういう所があったと気づいたときは、驚きました。

・とても親身で、私たちに自信を持たせてくれたり、良いプログラムだったと思います。長時間が全く苦ではなかったです。

・コミュニケーションのゲームは、部内でもやって、親睦を深めるきっかけにしてみたいと思った。

・リーダーとして不安に思っていたが、今回の講習を通じて、自分に自信を持てるようになりました。

・自分のビジョンが明確になり、サークルに対してだけではなく自分の将来についても改めて考えさせられた。

 

まだまだたくさんの素敵な感想を寄せてくれましたが、紙面の都合で割愛しています。

メンバーのみなさん、素敵な感想をありがとう。

こうした充実した力強いよき学びの場場となれたのも、すばらしいメンバーと温かく支援くださったスタッフのみなさんと、ともに研修を運営した素敵なファシリテーターのおかげです。こころから感謝申し上げます。ありがとうございました。

参加メンバーのみなさん。感想でも書いてありましたが、みなさんなら大丈夫。必ず立派でかっこいいリーダーになりますよ。

皆さんの活躍を心から応援しています!

女性リーダー研修を担当してまいりました20150210

 都内で、労働組合女性職場リーダー研修を担当してまいりました。研修の概要は、以下の通りです。

【S社労働組合女性リーダー研修】

<テーマ> 「職場を活性化する力強いリーダーとなるために」

<ねらい>

   ①コミュニケーションやリーダーシップの基盤となる自尊心の重要性を学ぶ。

   ②コミュニケーションの重要性と改善ポイントを学ぶ。

   ③志の重要性を学び、ヴィジョンを定める。

<プログラムの内容>

セッション1「自尊心の重要性」

セッション2「コミュニケーションの重要性と改善ポイント」

  第1ステップ「コミュニケーションの重要性と業績に与える影響」

  第2ステップ「コミュニケーションの改善ポイント」

セッション3「ヴィジョンを定める」

 

 参加メンバーのみなさんは、すでに女性リーダーとして現場で活躍されていらっしゃる方々ばかりであり、もともと高い問題意識と意欲をもっていらっしゃる方々で、すでに力強く輝くリーダーシップを発揮されていらっしゃるわけですが、成長には限界がないとも言われておりますので、今回は、より自分らしく、魅力的に輝いて活躍していただくためのヒント、きっかけとしていただくことをテーマとして開催しました。

 私どもは、リーダーシップを発揮して活躍するための大切なポイントには3つあると考えております。一つは、健全な自尊心を持つこと。2つ目は、コミュニケーション。そして3つ目はこころざしをもつことです。

 今回の講座では、まさにそれらの3つの要素について学んでいく展開となりました。

 午後半日と言う短い時間ではありましたが、すばらしいメンバーとスタッフのみなさんに恵まれて、本当に充実した楽しくパワフルな学びの場となりました。

 今回の参加メンバーのみなさんは、すべて女性であり、みなさんが、もともとヒューマンスキルが高く、人間性の高いみなさんだったからでしょうか、雰囲気は、静かで穏やかで、やさしさと明るさに満ちた、繊細かつパワフル、光あるというか、その場にいるだけで元気になれる、幸せな気持ちになれるような、とても素敵な雰囲気でした。

 まさに、人間関係の本質が、豊かで尊いものなんだということを改めて教えてもらえた気がします。

 今回、当組合の女性リーダー研修を担当させていただくことは、初めてだったのですが、すばらしいメンバーのみなさんと共に学んでみて、まさにこの女性リーダーのみなさんこそが、全く新しい大いなる可能性なんだろうと確信しました。

 今、経済は、不安定であり、世相は、暗く、悲嘆、憎悪、絶望が蔓延する時代となっています。

 しかし、そのような時代の波に飲み込まれて、我々も同様に暗くなってはいけないんだろうと思います。

 天使に囲まれた中で天使として生きるのは簡単であり、誰でもできることですが、争い、残酷、闇の中で気高く生きることは、容易ではありません。しかしだからこそ、そんな暗さの中で天使として生きるあり方が、かっこいいのではないでしょうか。

 今回の参加メンバーのみなさんは、そんなかっこいいリーダーの素養を十分にお持ちの方々ばかりだと思います。

 メンバーのみなさんの輝きが、職場の健康、前向きな気持ちを引き出し、ひいては、会社全体、日本、世界をてらす力となりますように。

 そんな大きなヴィジョンを信じられるような、そんな素敵な場でした。

 メンバーのみなさん、そしてスタッフのみなさん、本当にありがとうございました。素晴らしいメンバーのみなさんと共に学べましたこと、大変光栄に思っております。

 いろんな困難はあるかもしれませんが、みなさんなら大丈夫!ともに頑張っていきましょう!

明日から研修が続きます

明日から来週にかけて、連続して研修が続きます。

最近は、その準備や、4月の新入社員研修に向けての様々な打ち合わせで、ブログが全然更新できていませんでした。

こうして、お仕事、いろんなお問い合わせを頂いていることは、大変光栄で、ありがたいことです。

明日からの研修、よき研修となるように頑張ってきたいと思います!

大学授業 今期最後の授業

 大学での今期の授業が、先日無事終了しました。半期の授業であり、自分らしく力強くキャリアをはぐくみ生きていくうえでの必要な心構えやスキル、ポイントを学ぶことをテーマとした講座で、同じ講座を2教室受け持っています。

 今年も、受講するすばらしい学生諸君に恵まれて、とても充実した静かで穏やかでパワフルな学びの場となりました。担当する私自身も、とても楽しく、いろんな気付きを与えてくれた講座でした。これも素晴らしい学生諸君のおかげでもあり、心から感謝したいと思います。

 5年前にこの授業を受けてくれた学生の一人が、その後、社会人野球で活躍し、さらには、今年ドラフトで楽天球団にはいり、今年からプロ野球の選手として活躍することになりました。この授業が功を奏してというわけではありませんが、私としては、大いに自慢であり、何もできませんが、大いに応援したいと思っております。楽天に入団したかっこいいアンダースローのピッチャー、加藤正志選手です。

 授業の最終段階では、将来の理想、夢、ヴィジョンを設定するのですが、今期受講してくれた学生たちも、力強い大きな志を設定し、実現に向けての一歩を踏み出してくれました。

 そうは見えませんが優しいところがあって、そうは見えませんが胸に熱いものをもっていて、決して器用ではありませんが、事に当たっては真剣に一生懸命に頑張る、そんな彼ら彼女らが、とても大好きです。こころから学生たちの人生を応援したいと思います。

 皆さんの未来に栄光がありますように!

平和への祈り

 先日1月11日にフランスで、週刊誌を襲ったテロを受けての平和デモが行われましたが、その1シーンだそうです。

 ジョンレノンのイマジンを多くの人たちが一緒に歌っています。平和への願い、祈りのうた。見ていてとても感動したので、ご紹介します。

 

 

 

地球上から、憎悪が癒され、暴力がなくなりますように。

「自尊心の重要性」動画をアップ

 従来から、自尊心の重要性をテーマとする動画をyoutubeにアップしておりますが、映像が暗かったりなど問題があったので、改めて撮影をし直して作成し、本日総入れ替えをしました。

 「自尊心の重要性」をテーマとする講義は、通常は、企業研修や大学での講義でお話をさせていただいていておりますが、そうした場に出てこれない方々にも聞いてもらえたらと言う願いを込めて、動画を作成し発表をさせていただきました。

 動画は、全部で4部構成で、概要は以下の通りです。

 

【動画「自尊心の重要性」概要】

 その1 自尊心とその影響

 その2 自尊心とプライドの違い

 その3 日本における自尊心の現状

 その4 自尊心と生き方

 

 以下、リンクを張っていきますので、ぜひご覧ください。

 こうした情報が、多くの共感いただける方々に届き、勇気の輪が広がっていくことを願っております。

 

【動画「自尊心の重要性」】

①自尊心とその影響

 

②自尊心とプライドの違い

 

③日本における自尊心の現状

 

④自尊心と生き方

 

この動画が、多くの方々の元気と勇気を応援できますように!

 

<関連書籍>

・電子書籍「自尊心の重要性

ヴィーナス通信「B動機とD動機(2015年新春号)」

以下、ヴィーナス通信からの転載です。

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明けましておめでとうございます。ヴィーナスアソシエイションの手塚美和子です。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

寒波が来て、寒いですがみなさんお体大切になさってくださいね。

 

さてヴィーナス通信新春号をお送りします。

今回はB動機とD動機について弊社代表手塚芳晴が寄稿致します。

お仕事の合間にどうぞお読みください。

それではヴィーナス通信新春号発信です!!

 

※ヴィーナス通信は、ヴィーナスアソシエイションにご縁のあった方々にお送りして

いるメールマガジンです。配信中止を希望される方は、お手数ですが、下記連絡先

までご連絡ください。

reference@venus-association.com

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ テーマ「B動機とD動機」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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1.D動機(欠乏動機)とB動機(実存動機)

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 A.マズローは、人には、本質的に全く性質の異なる2種類の欲求があると主張した。1つは、D動機(欠乏動機)であり、もう一つはB動機(実存動機)である。

D動機とは、「そうしたいからする」と言うよりは、「そうしないと恐ろしいからする」と言うタイプの欲求である。「私には、何かが欠けている。欠けている何かを得なければ生存の危機にさらされる。万難を排して欠けている何かを手に入れなければならない。」という自己認識に基づく欲求であり、生存の危機を起因とした、不安や恐怖に焚きつけられた渇望といえよう。
そのような特徴から、マズローは、Deficiency(欠乏)の頭文字をとってD動機(欠乏動機)と名付けた。
一方、マズローは、人間の欲求は、D動機とは全く性質の異なる欲求も存在すると主張した。D動機は、不安や恐怖から逃れるために起こる様々な欲求であることに対して、それは、自分の本当の本音、魂の本質からたち起こってくる欲求であることからBeingの頭文字をとってB動機(実存動機)と名付けた。
B動機は、前提として「自分自身は充分である。自分自身は価値に値する。自分自身は今ここで満足であり幸せである。」という自己認識に立っている人が、「素晴らしい自分自身を表現したい。自分の理想を実現したい。自分らしく生きたい。自分にとって意義のあることにチャレンジしたい。」というハートの奥底からやってくる力強い喜びや意欲によって突き動かされる情熱でもある。
それは怖いからするのではなく、本当にそうしたいからするのだ。また、下位の欲求が満足されることによって発現されるタイプの欲求でもない。D動機に基づく欲求が十分に満たされたからと言ってB動機が発現されるわけではない。逆に、死の恐怖にさらされているからと言ってB動機が起こらないわけではない。B動機は、D動機の満足不満足と言うよりはむしろ、D動機の束縛から自由になった人、恐怖や不安に強く支配されることから解放されたハートにやってくるのだ。

だから、恐怖や不安の真っただ中でも自己実現の欲求は起こる。

取り残された人を救うために、自分の命を顧みずに炎に飛び込む消防士、

子供たちの命を救うために、自らの命をかけて戦う戦士、

聖なるものとの出会いを求めて無一文で出家し修行する僧、

貧乏のどん底にあって最高の芸術を生み出すアーティスト、

B動機は、今の人の現状とは関係なくやってくる。その人の置かれている外部環境というよりは、その人の内面のあり方、生き方、哲学とかかわるのだ。

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2.動機づけのマネジメント

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 経営管理の視点からこの欲求理論を考えた場合、D動機とB動機のそれぞれのマネジメントの特徴を整理すると、以下のとおりである。

 

<D動機によるマネジメントの特徴>
①強み
・コントロールしやすい
恐怖と不安による動機付けなので、経営の意図に確実に従うことを期待できる。

・見通しが立ちやすい
命じたことに関して、ある程度確実に成果を期待できる。

・計画を立てやすい
したがって、将来の計画を立てやすい。

②弱み
・低いモチベーション
脅されてすることで、生きがいと情熱を感じることはあり得ない。

・官僚主義的体質
言われたことしかやらない。保身が優先事項であり、官僚主義的となる。

・低い生産性
結果、生産性は頭打ちで、低調にとどまる。
<B動機によるマネジメントの特徴>
①強み
・高いモチベーション
人の本音の喜びに働きかけるので、情熱と強い意欲を引き起こす。

・クリエイティビティとイノベーション
新商品の開発、新規販路の開拓、新機軸の誕生など、過去からの延長ではない全く新しイノベーションを創造する。

・オープンでエネルギッシュ
組織懸念が低く、オープンで気の置けない家族のような信頼関係があり、総じてネガティブなストレスは低く、健康であり、元気である。結果、高い生産性や創造性を生み出すことにつながる。

 

②弱み
・不安定
いつも好調とは限らない。好不調の波は決して小さくない。

・見通しが立ちづらい
予測不可能なイノベーション(奇跡)による成長なので、奇跡は予測することは本質的に不可能であり、計画を立てづらい。

・成功の保証がない
人を大切にして、人間主義的なマネジメントを貫いたからと言って、必ずそれに応えてもらえる(成功する)保証はない。

 

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3.D動機の経営

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 経済活動の現状を観察すると、世界中の多くの経営や組織が、D動機を基盤としていることが分かる。弱肉強食、適者生存という世界観のもとで、存続と成長を勝ち取ろうとする経営の目的自体が、D動機そのものである。
D動機による経営は、「自分は弱く、何かが欠けており、周囲からの脅威にさらされている被害者であり、このままではそう遠くない未来に必ず破綻が来る」と言う信念に基づいて、サバイバルをかけて懸命な努力を繰り広げる。
しかし、行き過ぎた被害者意識、危機感は、時には手段を択ばない常軌を逸したふるまいにつながり、結果的に強欲さや乱暴さ、不祥事につながってしまうだろう。日々のニュースの中で、そうした企業の暴挙が報道されている事例は、枚挙に暇がない。
大容量の情報が瞬時に行き交う情報化社会の時代、ディスクローズの時代、そのような企業の振る舞いは、ただちに消費者の反感を呼び起こし、売り上げ、利益、株価の低迷につながってしまうだろう。
もちろんD動機は大切な動機であり、否定すべきではない。生活の安定、安全の確保、適度な防衛力がない存在は、ただのお人よしのおバカさんである。しかし、だからと言って、全面的にD動機に依存し、その奴隷となるべきではない。人は、パンのみにて生きるにあらず。人は、逃げるために生きるわけではない。人は、幸せのために生きるのだ。

 

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4.B動機の経営

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 ところで、経営の目的は、存続と成長ではない。それは手段であって目的ではない。経営の目的は、こころざしにある。創業の精神、大義、社会貢献への思い、哲学、気高い理想にある。企業経営者は、このことを決して忘れてはいけない。経営の目的は、株主に文句を言われないことでも、シェアーを伸ばすことでも、コストを削減し利益を絞り出すことでもない。それらは、方便であって本質ではない。本当のところ経営の目的は、経営理念なのだ。

陰気な皮肉屋の「理想や理念では飯は食えない」という言葉に惑わされてはいけない。青臭い理想こそが未来を拓くイノベーションの源となる。

「戦争の真っただ中にあって、夢だの希望だの浮ついた甘いことを考えるなんて、間抜けでいかれた青二才だ」と言うトゲトゲしく不機嫌な頑固者の言葉に惑わされてはいけない。実のところ、経営が存続していくためには、未来の奇跡が必要である。現状の枠組みの中で5年後10年後もうまくやれると言う考えは幻想である。未来において新機軸となる新商品、新市場の開拓、全く新しい協力関係、多くの感動の創出が起こらなければ、現状以上の売り上げは確保できない。そして、未来に起こるイノベーションは、現在において予測することは全く不可能である。なぜならそれは現在のあらゆる想定を超えているからだ。そんな奇跡を生み出すためには、恐怖から逃げ惑うD動機の萎縮し攻撃的で孤独、感受性の鈍いハートには不可能である。それは、理想に向けて陽気で元気で前向きで他者への深い関心と愛を持った感受性豊かなメンタリティにこそ可能なのだ。

B動機による経営にシフトすることは、経営者にとって勇気が必要である。D動機による支配体制を敷いている分には経営者は楽である。あめとムチによって容易にコントロールできる上に、命じたことは確実にやり遂げることを見込めるので、簡単に未来を予測できる。だから、仕事の基軸は、脅すこと、弱みに付け込むことであり、それは、巧妙に計画し考えれば誰でもできうる。

一方、B動機によるマネジメントを展開しようとする経営者は、勇気と度量が必要である。人間主義的で温かく働きやすい環境を創るために多大なエネルギーと投資が必要であると同時に、そのようにしたからと言って成功の保証はない。従業員はそれを意気に感じて一生懸命に働いてくれる保証はないし、新商品を生み出すマジックを見せてくれる確証は全くない。効果は、現れるとも現れないとも言えないうえに、それが表れるとしても長期的である。だから、経営者は投資効果の責任を問われ、口うるさい利害団体からの攻撃の矢面に立たされる。高いストレスの中にありながら、気高い精神性を維持し、愛を持って従業員の可能性を信じきる必要がある。まさに、不退転の武将としての勇気と部下をいつくしむ仏の両面を持つ必要があるのだ。

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5.B動機の時代がやってくる

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 今、時代は大きく変わろうとしている。D動機からB動機へと、競争から協力へと、隠蔽から開示へと、緊張から解放へと、戦いから許容へと、恐怖から喜びへと、時代は大きく舵を切ろうとしている。

ギリシャ問題など、としだいに深まる資本主義経済の綻び。自然環境の破壊による異常気象と度重なる自然災害。ますます増加する経済的弱者と飢餓問題。国家間の対立と紛争。解決不能とも思える様々な諸問題は、D動機による文化の限界を指し示すものであり、同時にD動機による文化の破綻を象徴する出来事でもある。

D動機は、結果的に奴隷の生き方をもたらすことになる。
人が人らしく生きる生き方は、B動機の生き方。情熱、挑戦、気高い思い、理想、こころざしに従った生き方である。

ちょうど今、D動機の文化からB動機の文化へと大きく時代が変わろうとしているのだ。

次々と報道されている悲惨、暴力、犯罪だけをみて世を絶望してはいけない。苦悩は十分だと悲劇を選択することを拒絶し始めた市民が一人、また一人と増えてきているのだ。

エコに向けてできることを一歩ずつ実践し始めた草の根の市民、フェイスブックで公然と戦争反対を訴える戦争当事国の市民、困っている人がいたら手を差し伸べる善良な市民。きっと、テレビでは放映されない草の根では、悲惨な事件の数十倍もの素晴らしいささやかでたくさんの幸せが起こっているだろう。

本当のところ、人は、パンのみにて生きているわけではない。人は、やりがい、愛、情熱、喜び、価値ある人間性や美徳のためにこそ本気になれるのである。そして、人は本気になったら、どんな人でも、想像をはるかに超えたすばらしい仕事をやり遂げることができる。人は、自分で思い込んでいるほどちっぽけな存在ではない。本当のところ、人の可能性は、想像をはるかに超えて偉大なのだ。

企業も、D動機という古いやりかたを乗り越えて、B動機という大きな宝を開拓すべきだ。単なるコストリーダーシップ戦略は、最終的には破たんをもたらす。持続的成長のためには、イノベーションが必要不可欠であり、イノベーションを生み出す源泉は、B動機によって動機づけられた人間意識なのである。

既述の通り、B動機によるマネジメントには、経営陣の勇気が必要だ。予測不可能性、不確実性、不安定性のリスクを引き受けなければならない。しかし、そこにこそイノベーションの活路がある。そこにこそ消費者と共感し消費者に愛される会社になれる活路がある。

今こそ、B動機の経営に舵を切ろう。人を大切にして、人の真実の可能性を引き出す経営をしよう。

B動機には、リスクに挑戦し勇気をもって取り組む価値がある。B動機の時代は、まさにやってこようとしているのだから。

買っちゃいました

 奥さんがせっせと貯めていてくれた貯金箱の貯金を原資に、とうとう買っちゃいました。

 sony hdr-cx535です。

 
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 明暗差を調整してくれたりなど、優れものだそうです。(まだ試してないんでわかりませんが。)

 最近、仕事で、動画を作成することが多くなってきたので、優れたビデオが来てくれるのは、本当にありがたい。奥さんに感謝です。

 さっそく、来週の月曜日は、小講義動画の撮影です。うまく撮れますように!