歯科医院にて、イノベーティングプロジェクトを担当してきました。概要は以下の通りです。
【歯科医院によるイノベーティングプロジェクト概要】
<テーマ>「共有のビジョンを設定し、それに向けて医院全体で問題解決を図る体制を作る。」
<ねらい>
1.強いチームとなるためのポイントを学ぶ。
2.より強いチームとなるための課題を明らかにする。
3.チームとしての共有のビジョンを明確化する。
4.ビジョンを実現するための協力体制とアクションプランを確定する。
<内容>
1.チームの強み
①強いチームの基盤となる自尊心の重要性
②話し合いのルール
③チームの強み
2.チームの課題
①前向きな生き方の重要性
②チームの課題
3.チーム共有のビジョン
4.イノベーティングプロジェクトの発足
イノベーティングプロジェクトとは、弊社の問題解決ミーティングのプログラムです。職場の現状を整理して、課題を抽出し、共有のビジョンを設定すると同時に、目標に向けて一致団結して事に当たるための協力体制を作るといった展開となります。
イノベーティングプロジェクトの特徴は、超前向きな問題解決プログラムであるということでしょうか。通常、問題解決プログラムは、私が感じるには、深刻で重くて暗いというイメージがありますが、本プログラムは、明るく元気で、根本的かつ軽快な雰囲気で進められていきます。
そんな陽気でたくましい風土の中で話し合い、目標に向けた協力体制を作り上げることによって、従来のやり方では思いもつかなかったような新しい可能性を引き出そうとする試みです。今までの延長線上では思いもつかなかったようなまったく新しい可能性とは、それはすなわちミラクルなのです。本プログラムは、まさにミラクル=奇跡を引き出すことに挑戦しようとする試みなのです。
こちらの歯科医院さんは、弊社とずいぶん長くお付き合いをいただいています。もうかれこれ十数年になるのではないでしょうか。その間で、幾度も研修を担当させていただき、チームビルディングやリーダーシップの開発、組織風土の分析や改善に関わらせていただいております。
こんなに大切な様々な事柄を担当させていただいていることは、本当に光栄に思っております。寄せてくださっている深い信頼に心から感謝しております。
実は、当医院は、昨年、自前の病院施設(土地建物)を購入されて、新社屋に移転されました。その建物がとても素敵なのです。純和風の建物であり、病院の通常のイメージとは全く異なった木のぬくもりと落ち着き、温かい雰囲気が漂っているのです。
とても立派で大きな和風建築です。歯科医院さんには見えませんが、立派な歯科医院なのです。
この落ち着いた和風の暖かい雰囲気は、建物だけではなく、内部も同様です。
写真にはありませんが、治療中、特に子供たちが治療を怖がらないように、一台一台の椅子の天井にテレビがつけられていたり、絵や花、水槽、ぬいぐるみが備え付けられていたりなど、さまざまな配慮がなされています。さらに、当医院は、こうした見えている部分だけではなく、治療器具や消毒、水道水などにもきめ細やかな配慮がなされています。たとえば、当医院で使っている水は、すべて殺菌処理されているのです。
立地上、都心から離れていることもあり、引っ越し伴う不安も大きかったのですが、実際に移転してみると、その懸念の多くが杞憂に終わっており、患者さんが減るどころか、むしろより一層増えている状況にあります。患者さんが少ないことではなく、多すぎることが現在の心配の種となっている状況です。
引っ越しから1年経過し、ある程度落ち着きを取り戻した現在で、今回の研修が企画されました。新しい病院で、新たな気持ちで仕事に向き合うための一つのきっかけとしたいという願いから、前向きな問題解決プログラムとしてイノベーティングプロジェクトを実施することになった次第です。
今回の研修には、10名の医院スタッフが参加してくれました。メンバーは、多くは長年にわたってスタッフとして働いている方々であり、私も、十数年にわたってメンバーのみなさんと関わらせていただいております。一人一人がご縁を感じる方々ばかりであり、久しぶりにファミリーに再会したように私は感じております。
メンバーのみなさんは、明るく、元気で、てきぱきとしており、やさしく深い配慮と思いやりのある素敵な方々です。まさにそうしたあり方が建物になったならば、こうなるであろうと思える建物こそが新社屋なのです。
気のおけない仲間であり、率直、かつ正直で、明るく思いやりを持った風土が確立されているので、問題解決の話し合いも、まさに、オープンで、陽気に、しかも本音で根本的な問題にも向き合いながら進んでいきました。
長時間にわたる話し合いの結果、共有できる短期的戦略ヴィジョン=チャレンジングでわくわくする半年後までの目標とそれを実現するための組織=協力体制を確立することができました。
私のスケジュール見積もりに甘いところがあり、予定時間をかなりオーバーするなど、メンバーに負担をかけてしまったことが心残りですが、疲れた顔一つもすることなく快くプログラムを受け入れてくださって、楽しくプログラムに参加してくださったメンバーに心から感謝したいと思います。
完成した目標と管理体制は、今後の毎週のミーティングにて進捗が管理されていくことになりますが、このメンバーでしたら、半年後に見事な成果を出されることだろうと確信しました。
研修が終わって、日本にも、こうした素晴らしい医院があるんだということを、もっと多くの人たちに知ってもらいたい。そんな気持ちになりました。メンバーのみなさん、本当にありがとうございました。設定したヴィジョンに向けて、共にがんばっていきましょう!