新入社員研修に自尊心教育が必要な訳

 新入社員研修プログラムアトランティックプロジェクトの目的の一つは、”企業人としての心構えを学ぶ”と言うことです。企業人として活躍していくために必要な心構えには、様々なものがありますが、弊社では、”自尊心”が特に重要であると考えています。

 『何とかなる』『大丈夫』と考えることができるからこそ、粘り強さ、前向きな姿勢、高い志、チャレンジ精神を生み出すことができるのだろうと考えているからです。

 ただ、この自尊心は、とても勘違いされやすいものでもあります。よく、「新入社員には自尊心なんていらないよ」などと言われることがありますが、これは、傲慢さや自惚れと混同されているからこその誤解であり、私どもにとっては、この自尊心は、不要のものどころか、最近の若年層の問題となっている早期離職や成長格差、メンタルヘルスなどのあらゆる経営問題を解決するカギとなる重要テーマであると考えております。

 自信と傲慢さは、明らかに違うものです。日本では、「自信のある人、自尊心の高い人」と言う言葉は、ほめ言葉と言うよりは、陰のある言葉として認識されているようで、自信や自尊心は、持つべきではないというニュアンスがあるように感じます。しかし、英語では、この2つは、はっきりと違うものと認識されています。

 自尊心はSelf-esteem、傲慢さやうぬぼれはPrideであり、両者は、まったく違うもので、Prideには影がありますが、self-esteemは、持つべき美徳であると認識されていているのです。

 うぬぼれや傲慢さは、決して自信からは生まれません。むしろ、自信の欠如から生まれます。傲慢な人は、『自分の本質は、いやなやつで、ダメ人間だ』と思い込んでおり、そんな本当の姿がばれてしまったら、誰からも相手にされるわけがないと思い込んでいるので、本当の自分の姿が絶対にばれないように強がりで煙幕を張っているだけであり、その根底にある心情は、自信ではなく劣等感です。

 本当に自尊心を持っている人は、決して自惚れないし傲慢にもなりません。腰が低く、友人が多く、謙虚です。しかし、だからと言って決して卑屈ではない。堂々たる紳士淑女であって、誇り高き存在なのです。

 真の自信に裏付けられている人は、ぶれません。生きる機軸がしっかりしているので、目先の損得で振り回されたり、人によってコロコロ態度を変えたりしません。だから、周囲からは、分かりやすく信頼できる人と感じられます。

 また、真の自信に裏付けられている人は、簡単にあきらめません。困難にぶつかり窮地に陥っていても、未来の可能性を信じているうえに、使命感があるので簡単にはあきらめることなんかできないのです。だから、周囲からは、頼りがいのある存在と思われるので、リーダーとして活躍することが多いと言えましょう。

 様々な考え方の一つに過ぎませんが、私どもは、人が力強く輝いて活躍していくために必要な要素として、最も大切なものが、そのような意味での自尊心であると考えております。

 新入社員がたくましく成長していく基盤となる重要なメンタリティもしかりであり、私どもは、健全な自尊心を育むことによって、若者の様々な問題(=早期離職問題、成長格差問題、メンタルヘルス問題)を根本から解決していくことができると考えています。

 そのような考え方をもとに、アトランティックプロジェクトでは、折に触れてそうした考え方やメッセージを提供しています。本プログラムを通して、新入社員が自らの力でたくましく輝くキャリアへの第一歩を踏み出す後押しをしていきたいと願っております。

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