大学生の「就業力」アップ、国が5年計画 (2010年3月14日 読売新聞web)
大学生の就職内定率が就職氷河期以来の落ち込みを記録する中、文部科学省は、2014年度までの5年を大学生・大学院生の「就業力」向上の重点期間と位置づけ、大学の財政支援などに乗り出す。
10年度予算案で、既存の補助金などと別枠で30億円を確保、公募により、インターンシップ(就業体験)を卒業単位に認定するなど積極的な指導を行う国公私立大130校に資金配分する。また、私大約500校に来年度まで就職相談員を配置、大学生らの就業危機脱出を支援する。
公募で選ばれた大学には、国立大への交付金や私学助成とは別枠で1校につき約2300万円ずつ配分する。選考基準は今後定めるが、1年生から将来の進路を考える科目が必修化されている金沢工業大(石川県)や、調査能力、国際感覚など社会人に必要な能力育成を意識した講義を行う東京女学館大(東京都)、就業体験を単位に認定している一橋大(同)などの例を念頭に置いている。
財政支援を行うことでこうした取り組みが他大学に波及する効果も期待している。大学院生や、就職が決まらない既卒者の支援も産業界などと連携して進める。
一方、就職相談員の配置は、企業で採用や人事を担当した経験者や民間の就職支援関連資格保有者の雇用費用を国が負担するもので、国公立大と一部私大を除く495校を対象に来年度まで支援する。
同省などが12日に発表した2月1日現在の大学生の就職内定率は80%(前年同期比6・3ポイント減)で、調査を始めた00年以降で過去最低。新卒で就職する学生の3割が3年以内に離職しているというデータもある。各大学は独自に指導を行っているが、個々の学生の個性や職業観を踏まえた職業教育を行う大学がある一方、「面接対策など小手先の指導にとどまる大学も多い」(文科省)という。
国の就活対策が、具体的に出てきました。大学を通しての就活バックアップ予算という形がはっきりしており、大学に就職支援を促す強力な後押しとなると思います。ちょっと前までは、大学の中でも、「大学は就職対策をする場ではない」とかたくなに主張する勢力が少なからずありましたが、近年の情勢を踏まえて、力を合わせて学生のキャリアを応援していこうとする基調ができてきたことは素晴らしいことだと思います。やはり、今の若者たちには、さまざまな意味で生き方、キャリア形成、就職活動に対する支援が必要だと思います。
ただ、単に企業に就職することだけを目的とするのではなく、たとえば起業家育成講座など、自立志向を促すことができる教育にも目を向ける必要があるのではないかと私は思います。若者たちは確かに経験不足であり頼りないように思えますが、新しいビジネスチャンスを捕まえる感性は、若者たちに勝るものはいませんよ。新しい時代を創る主人公は、常に若者たちであり、若者たちが、権威に頼るのではなく自分自身のアイデアと可能性をよりどころとして、勇気を持ってたくましく未来を拓くことが、結果的に未来の国の経済活力につながっていくのではないでしょうかね。
商売のはじめ方、会社の起こし方、物の売り方、利益の上げ方、お客さんとの付き合い方、仕事の喜び、会社の育て方、起業家としての心の持ち方、成功に必要な様々な要素、そんなことを学ぶことができたら、きっと若者たちも、自分たちの新しくみずみずしい視点でアイデアを引き出し、ビジネスチャンスをつかんでいくことがきっとできるんだろうと私は思います。
そんな起業家支援も、就活支援と同様に、国の政策として期待したいところです。