今朝(2009年10月26日)の朝日新聞朝刊で、川原尚行さん(44)とおっしゃる医師の記事が掲載されていましたので、ご紹介します。
川原さんは、もと外務省の職員であり、アフリカ北東部スーダンに、日本大使館医務官として赴任していました。しかし、スーダンでは、マラリアやコレラで多くの子供が亡くなっており、10人に一人が5歳まで生きられない状況だったのです。川原さんは、そんな現状を目の当たりにして、医師としていたたまれない思いだったとのことです。しかし、大使館の医務官としては、現地の人たちを診察することは許されないので、なんと、外務省を退職し、現地の医師免許を取得して医療活動を始めたのです。現地では、お金を得ることもできずに、1700万円だった所得が無収入になったとのことです。
名誉も権威も安定した職も所得も投げうって、困っている人たちのために従事する。世俗の価値観に染まった立場から考えると、途方もない人生の意思決定です。いまどき、こんなに熱い人がいるのかと、驚いたと同時に同じ日本人として誇らしい気持ちにもなりました。
川原さんは、NPO法人「ロシナンテス」を設立し、活動資金を寄付で賄っているとのことです。私も少しでも役に立てればとわずかではありますが、寄付をするつもりです。
「混乱が続く国で子供たちの夢を持ってほしい。子供に必要なのは、笑顔で遊ぶこと」を志を語る川原さん。その志が実現されることを心から応援したいと思いました。