カテゴリー別アーカイブ: 07.就職活動支援

内定を得られていない4年生へ

 先日のキャリアアドバイザーの日に、ある学生が内定報告に来てくれました。その生徒は、相談に初めて来たときには、一目で疲れきっている様子が分かり、自信が折れていて、伏し目がちの落ち込んだ雰囲気を漂わせていたものです。

 確かに、就活は、大変ですよ。一生のうちで一度か二度あるかどうかの強烈な試練なのではないでしょうか。今までの受験のように、自分の頭脳だけではなく、自分の生き様や人間力そのものが評価の目にさらされて、しかも、1社や2社だけではなく、数十社、百数十社と言う多くの企業から拒否されてしまうというショッキングな事態に直面してしまうのですから。

 当初は、就活を甘く見ていた学生たちも、全く歯が立たない厳しい現状に直面して、真剣に生き方、生まれてきた意味について深く考えざるを得なくなる。今、内定が決まってない学生は、そんな逆境のさなかにいるのだろうと思います。

 しかし、就活は戦いの場。呑気に物見遊山にでも出かける心境で、大した準備もせずに戦いの場に出かけてしまった自分が問題だったのですから、ここは、気を取り直して、新しい情報を仕入れ、しっかりと勝利の方法を学んで、準備を再構築し、リベンジマッチに挑まなければなりません。

 就活は、プレゼンテーション力が、一番重要なポイントです。要するに、面接における質問に対する答え方が最も合否を決める決定的な要因になるのです。ですから、プレゼンテーションの出来が未熟で説得力がなければ、どんなに多くを回ってもうまくはいきません。就活では、下手な鉄砲は、数を打っても当たらないのですから。

 勝利につながるプレゼンには、秘訣があります。まずは、あらゆる質問を、①自己PR と ②志望動機 としてとらえること。採用担当者が聞きたいことは、実は、その2つしかありません。その2つについてさまざまな切り口から聞いてくるのです。なぜ、そんなに多くの切り口から聞くのかと言うと、学生のその2つが、本物かどうか?筋が通っているかどうか?信頼に値するかどうか?を確かめるために聞いてくるのです。だから、「あなたの自己PRは?」「あなたの長所と短所は?」「人からどんな人だって言われる?」「あなたの性格は?」の質問に対して、全然違う答えを出してはいけない。すべて自己PRポイントとして決定した要素を貫いて応えていかなければならないのです。また、「最近興味を持ったことは?」「理想的な企業人とはどんな人?」「良い○○(公務員など)のあり方は?」などの質問に対して、的外れな一般論を言ってもいけません。それらの質問で問われているのは、あなたの志望動機なのです。だから、あなたにとっての志望動機として、あなたにとっての入社後の夢を語っていかなければならないのです。

 秘訣の2つ目は、ヴィジョナリーであるということ。ヴィジョンの無い学生は、ぶら下がり志向であり、本当は就職などしたくないのだけれども、そうしないと怖いから焦ってしていると見なされてしまいます。就職は、自分の幸せのためにするものであり、怖いからするものではありません。その際、自分の幸せって何?の答えに相当するものがヴィジョンです。その会社に入社して、本当に幸せになれたとしたら、どんな存在となっているのか?どんな教育を受けて、どんな能力を育み、志望企業のどんな特徴(商品力、営業力、結束力など)を活かして、どんな場でどんな人を相手にどんな大活躍をしているのか?などについて、企業研究を徹底的に行い、自分の将来像をイメージして書き出し、具体化してみましょう。そのように真剣に考えた自分の夢が、まさに志望動機となるのです。

 冒頭に紹介した学生は、相談に来た時に、そのような内容を話し、具体的な資料を渡して、参考にしてもらうよう伝えたのですが、その後、学生は、それらの課題に真剣に取り組んでくれたそうです。その結果、戦う姿勢を取り戻し、準備を再構築して自信を取り戻し、リベンジマッチに参入してほんの2週間程度で、志望企業から内定を得られました。

 今、苦しんでいる大学4年の就活生たちに言いたいですね。決してあきらめてはいけない。苦しい時にこそ、泣こうがわめこうが、前を向いて一歩踏み出していくことに意義があること、もう駄目だと思ったときにこそ一歩踏み出した時にようやく勝利の女神がやってくるのだということ。どんな人にも勝機はあるのですよ。勝利する力がないのではなく、勝機を得られるほどの準備が整っていないというだけなのです。しっかりと戦う体制を整えれば、勝てるのです。新たな情報を仕入れて、しっかりと腰を据えて勝利の方法を学び、見通しを立てて、リベンジマッチに挑みましょう。

自己PRのポイント

 就活において、自己PRをプレゼンする際に、自分の強みだけを一生懸命に語ることが大切なのだと思いがちですが、実は、そのような現在の個人能力やスキルは、それほど重視されません。

 採用とは、現在のその人の能力を買うことではありません。生涯賃金である3億円をかけて買いたいと思っているものは、その人の現在の能力ではなく、その人の潜在性、将来にわたる可能性なのです。

 ですから、採用担当者が最も知りたいことは、現在のスキルや技能と言うよりはむしろ、その人の将来の可能性を引き出す”生き方、哲学、理想”や”夢、ヴィジョン、志”なのです。

 採用担当者は、その人の哲学や志、ヴィジョンをさまざまな視点から問うてきます。ですから、就活生も、真正面からそのような問いに応えていかなければなりません。その問いかけに答えることなく、現在の自分の強みや能力だけを一生懸命に語っても、的外れとなってしまうのです。現在の自分の能力は、自分の将来のヴィジョンを実現するための武器や戦略であり、「能力を生かして、○○を志している」という自分のヴィジョンを語らなければならないのです。

 以上のことから、自己PRを語る際には、「私の強みは、○○です。」で終わるのではなく、「私の強みである○○を活かして、私の社会人としての夢である~という存在になりたいと志しています。」という文脈で表現していくことが大切です。

志望動機の準備

 最近、最終面接で落とされたという相談が相次いでいます。せっかく最終面接までこぎつけたのに、あと一歩で落とされたそのショックは、相当なものがあると思います。ショックでしばらく何もする気にならないというその気持ちが良く分かります。

 しかし、最終面接で落とされる人には、一つの特徴がある。それは、志望動機が甘いということ。最終面接まで残った学生は、すべて自社にとっては活躍できる素質をもった学生だと人事は認識しています。できれば、すべて採用したいのです。しかし、枠の関係上、どうしても落とさなければならない。そんなとき、誰を落とすだろうかと考えると、やはり情熱が比較的足りない人、志望動機が比較的弱い人と言うことになってしまう。だから、志望動機は、最後の詰めで勝利するためにも必須の要素となります。

 どうすれば、良い志望動機をかけるでしょうか?実はこればかりは、テクニックはありません。どれだけ本気で企業研究を為したかに尽きるのですよ。企業研究と言っても、的をしっかりと得た研究である必要があります。企業研究すべきポイントは、以下の通りです。

<志望動機の準備としての企業研究のポイント>

・取扱商品

・最近のヒット商品

・今後開発しようとしている商品

・商品の素材、部品、部品製造会社の特徴

・現商品のパッケージの特徴

・商品開発の組織の仕組み(部門、人数、等)

・主な顧客、市場、商圏

・今後開拓したい市場、商圏

・営業組織の特徴(どのような部門、各人数、)

・人事考課制度

・報奨制度

・営業教育制度

・販売促進の特徴(パンフレット、販促企画)

・売上と利益の推移

・経営理念

・社風の特徴

・会社の将来の夢

・先輩社員の活躍事例(誰がどんな事を、憧れる事)

・モデルとなるキャリアパス

・教育制度

・資格取得支援

 

以上の項目について、徹底的に調べて、自分は、それらの要素とどうかかわりたいか?10年後の最高に成功した自分ならば、それらの要素を活用してどんなことに挑戦したいのかを真剣に考えてみるのです。まさに、それがヴィジョンであり、入社後の企画提案とにつながるのです。

要素の中には、簡単には調べられないものもあるかもしれませんが、投資情報やOB,OG訪問なども含めて、粘り強く調べれば、何とかなるはずです。ここ一番本気を出して、しっかりと調べ、ヴィジョンや入社後に挑戦したい企画案につなげてみましょう。もしもこの準備がしっかりとできれば、確実に内定につながるでしょう。やろうと思えばできる努力なので、学生には、ぜひ挑戦してもらいたいですね。

ヴィジョナリー自己PRの威力

 大学生のキャリアアドバイザーを担当してますが、指導している就活生の中で、内定者が出始めました。内定を取れている学生は、すでに、3社程度を得ています。この厳しい中で、内定を取れる学生の特徴は、ヴィジョナリーであるということと言えると思います。ヴィジョナリーとは、すなわち、夢や志を持っているということです。夢と言っても、漠然とした子供たちが抱くような憧れではなく、もっと具体的で詳細が描かれている10年後程度の将来の設計図、青写真、理想のイメージ像です。そのようなキャリアヴィジョンをしっかりと持つということは、就活においては、強烈な武器となります。

 採用担当者は、面接の初期の段階で、学生が、ぶら下がり志向(就社志向)なのかプロ志向(就職志向)なのかを見極めようとします。ぶら下がり志向とは、そうしないと怖いから就活をしている学生が、あせってどこでもいいから内定を得ようとする戦略を言います。一方で、プロ志向とは、具体的で詳細なヴィジョンをもった学生が、自分の夢を実現するための最善の職場を探そうとする戦略を言います。

 採用担当者は、面接の早い段階で、学生が、どちらの志向なのかを判断し、ぶら下がり志向と判断できた人は、どんどん切り落としていく方針となっています。だから、学生がどちらの志向なのかを判断するための質問をたくさんさまざまな視点から投げかけてきます。「あなたには夢がありますか?」「どんな夢ですか?」「入社したら何をしたいですか?」「あなたにとって仕事とは何ですか?」「あなたにとって生きるとはどんなことですか?」・・・・・。夢がある学生は、「私にとって仕事(人生)とは、私の夢を実現することです。それを実現するための最高の職場が御社なのです。」ということができる。逆に、それらの問いに思い付きではなく、しっかりと答えることができない人は、ぶら下がり志向と判断されてしまうのです。

 そもそも、就職とは、怖いからするものでも人に言われたからするものでもなく、自分が幸せになるためにするもの。自分の幸せをあきらめてはいけないのですよ。そして、自分の幸せとは何かと問われた時の答えに当たるものがまさに、ヴィジョンなのです。

 なかなか内定に結びつかない学生は、こことのころをしっかりと考えて、腰を据えて自分のヴィジョンを固めていったほうが良いです。不安で不安で夢など描けないという学生は、そもそもそういうメンタリティが落ちる原因となっているので、一旦就活を休んで、風光明美な温泉地にでも行って、胆力を練り、自分の将来について壮大な夢を膨らませてみたほうが良いです。採用担当者は、学生が、希望に燃えているのか自信が折れているのかの判別くらいは一目でできるのですから。

 そうして、一旦ヴィジョンが固まったのならば、それを、自己PRや志望動機にすべて貫かせるのですよ。たとえば、自己PRであるならば、

「私の強みは、○○だ。

 それは、~を通してはぐくみ、納得のいく結果を出してきた。

 そして、社会人となっても、○○という強みを生かして、”ヴィジョン”という存在になりたいと志している。」

と言えるだろうし、志望動機であるならば、

「私は、”ヴィジョン”という夢をもっている。

 だから、貴社を知った。調べれば調べるほど、魅力的に感じたから今回応募した。

 貴社ならばどんなことにも挑戦したいが、特に興味を持っているポイントは、・・・だ。

 私の強みの○○を活かして、・・・に挑戦し、10年後には”ヴィジョン”を目指したい。」

と語ることができる。採用担当者が求めているプレゼンはまさにこうしたものなのです。

内定を取れない学生は、ひとそのものが裁かれているのではなく、その人の表現が裁かれている。だから、プレゼンを磨けば、必ず内定につながるものです。あきらめずに、しっかりとヴィジョンを固め、戦略を練り直し、準備を整えて戦いに乗り出していきましょう。

就活塾構想

 現在、大学とタイアップして、キャリア塾を開こうという構想企画がたちあがっています。大学の生涯学習講座の一つとしてメニューを組み、さまざまな大学の学生を呼び集めて、就活を勝ち抜くための様々な教育を展開しようとする構想です。

 私自身、個人的に就活キャリア塾を開きたいという構想は以前からあったので、こうして大学さんから声をかけていただけると、とてもうれしく、大きなチャンスの様な気がしています。

 現段階では、企画書を作成する段階で、今後は海の物とも山のものとも分かりませんが、可能性が楽しみなものでもあり、大切に育てていきたいと思います。

自尊心をもつことのむずかしさ

 私は、キャリアアドバイザーとして、大学の就活指導に当たっていますが、内定を取れる学生と取れない学生が、ここにきてはっきりと表れてきました。内定を取れている学生は、すでに2~3社の内定を得ていますね。内定を取れる学生を見ると、やはり、自己PRや志望動機に関して、相当深く練りこまれた戦略的なものを作りこんできており、準備の度合いが格段レベルアップしていることが分かります。だから、就活に対しても、自信を持って立ち向かうことができる。背筋が通って、前向きに生きるパワーと明るさが、素人目にも分かります。

 一方で、苦戦している学生は、やはり、あまり準備に時間をかけずに、とにかく早く内定を取ろうと、クオリティの低い武器でやみくもに戦いに挑んでいる。そんな装備の状況ですから、やはり自信がない。不安と焦りが表情に出てしまっている状況です。

 採用担当者は、自信が折れている学生は、決して採用しません。だから、どんなに自分が頼りなく感じても、自分を信じるという方向性から逃げてはいけないのです。必勝の秘訣は、どこか外部にあるのではなく、自分の内面にしかないのですから。人は、確かに完ぺきではないけれども、決して無力ではない。本気を出していけば、誰もが素晴らしい仕事を成し遂げる潜在力を持っているのですよ。だから、苦戦している学生は、自分から逃げずに、自分を信じて、素晴らしい自分の可能性を採用担当者にぶつけてほしいですね。そのためには、ひとえに準備と練習が必要ですよ。ぶっつけ本番で勝てるほど就活は甘くない。どんなに優れた役者さんだって、長年に渡る稽古と事前の練習とリハーサルがなければ、舞台で良い演技などできません。ましてや素人の学生が、何も準備もなしで、厳しい面接の場で自己表現などできるわけがない。だから、徹底的に準備と練習をしておく必要があります。自分は、磨けば磨くほど輝くものですよ。その可能性を信じて、本気で練習に取り組んでほしいですね。

内定率過去最低(20110524)

   今春の大卒就職内定率91%、過去最低

                    asahi.com 2011年5月24日9時29分
    
. 今春卒業した大学生の就職内定率は91.1%で、統計を取り始めた1997年以降で最低だった。文部科学省と厚生労働省が24日発表した。東日本大震災で被害の大きかった東北地方の大学は調査対象に含まれておらず、実態はさらに低い可能性がある。

 前年より0.7ポイント悪化し、「就職氷河期」と呼ばれた2000年春と並んだ。不況に加え、震災後に企業が新規採用を絞り込んだことも影響したと見られる。

 文科省の推計によると、今春の大学卒業生は約55万5千人。37万人が就職を希望したが、うち3万3千人が就職できなかったと見られる。 (以上asahi.comより引用)

 

 予想はしていましたが、昨年の就活環境は、やはり厳しかった。就職氷河期の最も厳しかった時期と同じとのこと。昨年でこれだけ厳しかったので、大震災の影響をもろに受けてしまう今年度は、相当なものになるかも知れません。もはや、通常の状態ではありません。学生たちも、非常時モードで戦いに立ち向かっていく心構えが必要でしょう。

 体験には、それがどんなに痛いものであったとしても、必ず意義のあるメッセージが含まれているものです。今回、こうした厳しい就活環境に直面するということは、そのような厳しさを通してあなたならば、必ず大きく成長できるという天のメッセージだと私は思います。ネガティブな悲観に流されるのではなく、夢と希望を忘れずに、暗い世相に明るく立ち向かっていきましょう。

 今日は、大学のキャリアアドバイザーの日です。今日もきっと就活で頑張っている学生たちが相談に来てくれることと思います。学生たちの人生を後押しできるようにしっかりと頑張ってきます。

採用活動の再開の気配

 東日本大震災の影響で、企業の採用活動は、一旦停止していたのですが、そろそろ再開されてきている情報が入ってきています。多分連休前に、本格的に再開するように思えます。学生たちも、この波に遅れることなく、しっかりと準備をして出陣をしなければなりません。まずは、説明会情報をしっかりと確保してエントリーに遅れないことです。

 それにしても、来年に向けての就活環境は相当厳しい。本来であれば、本年度の採用数は、増加する予定だったのだと思います。私のかかわっている企業さんでも、震災前の計画では、たいていが増員予定でした。しかし、大震災があって、予定は完全に壊れており、結果的には、昨年度よりも採用数は少なくなると思います。私の関わっている企業さんでは、結果的に、昨年度の3割程度の減少となっております。

 言ってもしょうがないこととはいえ、こんな時代に就職活動にあたってしまった学生は、本当にかわいそうです。苦難は人を育てると言いますが、そんな前向きな言葉をかすませるような不運であり、学生とかかわる人間としては、胸が痛みます。

 しかし、戦い方によっては、必ず勝てる。実際に内定を取れる学生は、多くの内定を獲得するのですから。大学の授業やキャリアアドバイザーの仕事が毎週、月火と担当しております。微力ですが、学生たちの幸せな人生に向けて、少しでも役に立てるように頑張りいたいと思います。

企業の採用活動の現状

 この大震災と、それに起因する原発問題や計画停電や各種影響を受けて、就活生も大変な不安の中にいると思います。ただでさえ就活環境が厳しい状況だったにもかかわらず、それに輪をかけた形の災難であり、就活の環境は、深刻なほど厳しい状況です。

 私の知り合いの人事担当者の話によると、多くが現状では、採用活動を停止しており、大手企業は、6月くらいから再開を予定しているとのことです。また中小に関しては、4月から本格的に採用活動を再開しようとしている企業が多くあり、おおよそ、もう間もなく就活に関しては、活動が再開されていくだろうと考えられます。

 大災害はまだ終わったわけではなく、中には被災した学生もいると思います。社会も経済も自分自身も落ち着かない状況にあると思いますが、ここは、しっかりと腰を据えて、自分の志を定め、それをしっかりと見据えて、外部の落着きの無さに振り回されるのではなく、コントロールセンターの中心軸をしっかりと自分において、活動を展開していってほしいと思います。

 逆境の中でこそ、自分の真価が試されるものです。就活の再開に向けて、準備を整えていきましょう。

「夢を」と15歳の私に励まされ

     「夢を」と15歳の私に励まされ
                 朝日新聞 2011/3/4朝刊『声』より引用

夢を追いかけていますか―15歳の私の言葉が20歳の私の胸にぐさりと突き刺さった。来年、就活を迎える私は景近、そのことで悩んでばかりいた。どのような仕事が自分に合い、どの会杜が良いのか。就職決定には何が必要で、大学2年の私は今何をすべきなのか。そんなことを毎日考えるが、答えは見つからず、将来への不安は高まるばかりだった。

 成人式を迎えた私に1通の手紙が届いた。「20歳の私へ。夢を追いかけていますか?充実した毎日を送.っていますか?やりたいことを諦めていませんか?後悔しないように、やりたいことには挑戦してください。……ずっと私は私を応援しています」。15歳の時、5年後の自分へ宛でて書いた手紙だ。中学の同窓会が保管し送ってくれた。

 私ははっとした。将来のため、今何かをやるのではない。私のやりたいことが未来へとつながっていくのだ。やりがいを感じられるものこそが、きっと自分の未来をつくる。前を向くことは大切だが、自分を常に見つめて一歩一歩進んでいこう。 

                     以上、朝日新聞 2011/3/4朝刊『声』より

 

 

 今朝の朝刊の『声』欄に、素敵な記事があったのでご紹介します。ご覧の通り、就活に取り組もうとする学生さんの記事で、20歳の女性の方の投稿です。

 就活を迎えて何をすべきか戸惑っているときに、15歳の自分からの手紙が届いたとのこと。その手紙には、夢をあきらめていませんか?と問いかけられていたとのこと。なんて素敵なドラマなんでしょうか。きっと彼女にとって、今最もしなければならないことは、不安と焦りでやみくもに動くことではなく、腰を据えて自分の夢や志をしっかりと明確にして、それに向けての作戦を練ることなんでしょう。

 あたりまえなのかもしれませんが、最も見えなくなる大切なこと、そんなことを教えてくれたのが、15歳の私だったのです。もちろん、手紙を大切に扱ってくれた同窓会の方々や、5年間という歳月が手伝ってくれてのことでしょうが、まさに、奇跡なんだろうと思います。素敵なドラマだと思いますね。

 本人も気づかれたとおり、今固めなければならないことは、まさに、自分の夢なんだろうと思います。

 いったい自分は、どんな社会人に成りたいのか?

 これから年を取って、いつか死に向かおうとするとき、いったいどんな自分だったならば、納得して死ぬことができるのか?

 自分が一生貫きたい価値、人間性とは何か?

 どんなあり方を実現したいか?どんなことを成し遂げたいか?

 どんな人間関係に恵まれたいか?どんな家に暮らして、どんな幸せを実現していたいか?

 どんな仕事を通してどんな貢献を世界に提供していきたいのか?

 そんな志をしっかりと固め、その夢を貫こうと腹を据えて、それを実現するための最高の職場を探す。まさにその活動を就活というのです。決してそうしないと怖いからするものでもないし、周りから言われるからするものではない。自分の幸せのためにするものなですから。

 最近の採用担当者の学生に対する要望は、主体性を持ってほしいということ。主体性とは、逃げることではなく追いかけること。従うことではなく自ら生きること。他人の目標のためではなく、自分の目標のために活動するということ。そんな前向きな生き方が主体的な生き方なのであり、採用担当者は、学生にそういう資質を求めているのです。まさに、この学生さんが気付いたことは、的を得ているのだろうと思います。

 ぜひこの気づきを大切に、自分をしっかりと持って、厳しい戦いではあるけれども、ひるまずに頑張ってほしいですね。素晴らしい記事をありがとう。応援しています頑張ってください!