現実は、愛と慈悲に満たされた理想郷ではない。
そこには、分断と対立があり、恐怖や不安、欲や怒り、誤解、利害、制度、しがらみ…
泥の中でも立ち上がり、重い足を一歩ずつ踏み出していく。
誰かを立てれば、誰かを見捨てることになり、
正義を貫けば、別の正義の悪となり、
愛を語れば、偽善者と言われる。
誰かを守るために、誰かと戦い、
利益と理念の間で、心が引き裂かれそうになり、
それでも、ふらつきながらも立ち上がりファイティングポーズで立ち向かう。
現実は、最も厳しい。
時に平和であるが、時に牙をむいて容赦なく襲ってくる。
それでも愛や理想を抱いたまま、現実の泥の中を歩く人たちがいる。
愛を語ることは簡単だが、体現することは容易ではない。
希望を語ることは簡単だが、苦悩と絶望の中で夢を捨てずにいることは容易ではない。
現実は、まさに愛と理想を試される場なのだ。
時に疲れ切り、みじめな敗北者のように肩をすぼめ、孤独の中で涙する。
それでも愛と希望を手放さずに再び泥沼に足を踏み入れる。
それは、きれいごとではなく、勇気のかたち。
美しい勇者の生きざまだ。
肩を落として歩くサラリーマン、満身創痍の管理者、理不尽に立ちすくむ医者、うつろな目をした教師、修羅の道を生きる政治家、そしてそれでも決して希望を捨てない人たち・・・・
だれもが厳しい現実に立ち向かう勇者だ。
戦え、勇者たち。
決してくじけてはいけない。
蓮は泥の中で花を咲かせる。
勇者の苦闘は、例え勝利が来なくとも決して無駄にはならない。
みじめで恥ずかしくみっともない、かっこ悪い自分をうけとめ、愛し、くじけずに前に進むあなたの生き方が、かっこいいのだ。
生きよ!同志たちよ。
きっとあなたの生き方は、他人の勇気になる。一隅を照らす光となるのだから。