プリンセストヨトミ

 「プリンセストヨトミ」を見ました。名優たちのシブさと映画全体から伝わる集中力にしびれましたね。不思議な深い感動を受けました。

 大坂夏の陣で徳川に滅ぼされた豊臣がかわいそうだという理由だけで、生き残った豊臣の子孫をひそかに守り続けるために作られた大阪国。その大阪国の国民となるためには父親から死の際に使命を託されて後世につなげていくということ。そうした形でひそかに使命を持ち、いざという時には何をも投げ出して豊臣を守るために立ち上がる大阪中の人たち。立ち上がるといっても、何か戦いをするということではなく、ただ集まり、みんなで問題解決を応援する。だからと言って、守られている豊臣の子孫は、自分がそうだとは夢にも思っていない。周囲は、そうだと知っていても、普通の子供として、愛し、しかり、地域の宝として育てる。大したことをするわけではないけれども、プリンセストヨトミを心から愛し、大切に育てるためだけに、ばかばかしいくらいに大真面目で一生懸命で誠実で正直に使命を勤めようとする大阪国のたくさんの人たち。そんな素朴な愛、大いなる愛に深く感動しました。

 映画を見ていて、もしかしたら、日本自体が、こうした守る国なのかもしれないなんて思いましたね。いにしえから伝わる大切なものを愛し、大したことができるわけではないけれども、子子孫孫へとその思いを伝え、そんな大切なものをまもるために、ばかばかしいくらいに大真面目で一生懸命で誠実で正直に使命を勤めようとする国、太古から伝わる数え切れないほどたくさんの神社仏閣、地域の権現様、それを愛し、お祭りし、静かに手を合わせる人たち、まさに日本自体がそんな国なのかもしれないなんて感じました。

 実は、万城目学さんの原作は読んでおり、原作として楽しませていただいていたのですが、これを映画化するという話を聞いたとき、正直、難しいのではないかと思っていました。話が荒唐無稽であり、また、盛り上がるような戦いのシーンもありません。映画としての華の部分が少ないストーリーなのですよ。もちろん、物語は、とっても面白くて感動しましたけど、それを映画で表現することは、至難の業だと思っていましたが、実際に見てみて、見事に作り上げられてるなと感心しました。日本映画も捨てたものではない。この映画のクオリティは、相当高いものがあると私は感じましたね。映画製作にかかわったすべてのスタッフの方々に、良い映画をありがとうと感謝したいと思います。

 お勧めですよ、プリンセストヨトミ!

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