自尊心とコミュニケーション ①自尊心と話す力

自尊心とは、現状のありのままの自分を尊いと思える魂の健全さのことであり、傲慢さや自惚れとは違います。

傲慢さや自惚れは、自分の本質が、醜く愚かで劣っていると思い込んでいるので、それを隠そうとしたり、否定しようとするが故の無理=劣等感から起こる態度であって、決して健全な自信からくるものではありません。

一方、自尊心は、不完全で欠点のある自分を嫌わずに、そのまま受け入れて、発展途上の自分を、それで良しとすることができるので、自分のありのままを隠そうとしたり、ごまかそうとする必要がありません。

健全な自尊心は、さまざまな病理や心の病を防衛する強力な免疫力ともなり、前向きな生き方、チャレンジ精神、たくましく粘り強い態度の原点となるとも言われております。

その意味での自尊心は、人間関係やコミュニケーションにも大きく影響を及ぼします。

このシリーズでは、自尊心とコミュニケーションの問題に焦点を当てて、その原因と改善方法を探求していきたいと思います。

1.自尊心と話す力

自尊心が欠如していると、相手に語ることができません。

自分に価値を見いだせない人は、自分の内面でひらめいたアイデアや考えに価値があるとは思えません。ですから、それをあえて他人に伝える必要性も感じないし、他人に馬鹿にされたり否定されたりする可能性を乗り越えてまで話そうとする勇気が湧いてきません。

自分がつまらなく意味のない存在だと思い込んでいる人は、他人に話しかけることができません。「こんなダメな自分と話すことは、相手にとって、時間の無駄遣いである」と罪悪感を感じてしまうのです。ですから、時には、あたりまえな挨拶、日常会話に事欠くようになり、最低限な報告や相談、メールの返信、連絡すらまともにすることができなくなってしまうのです。

一方で、相手は、本人が、そんな悩みを抱えているとは全く分かっていませんので、当然あるべき報告や連絡をしてこない理由がわからず、悪意があるのでは?嫌って避けているのでは?などと誤解されてしまうことが多く、後々の人間関係に悪影響を及ぼしていくことになるのです。

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