立松和平さんの「道元禅師」を読みました。全3巻にわたる大作です。私自身が、現在、禅師由来の大学で講座を担当しているので、とても興味深く読ませていただきました。
「人は生まれながらにして仏であり悟っているとしたら、なぜ修業をしなければならないのか?」の問いについての答えを求めて漂流した若者時代。
ついにその答えを得て、中国より正法を持ち帰り、日本で教えを広めた壮年時代。
権力や富の一切を受け取らず、誰にこびることなく、おもねることなく、ただひたすらに真実を貫いた晩年時代。
そんな、素敵な男の生き方を学ばせていただきました。
個人的には、作法やさまざまな戒が細かすぎるのと厳しすぎるので、とてもとても修業に入るのは耐えられそうもありませんが、大切なものを貫く生き方や志を生きる覚悟、禅の重要性を学ばせていただき、私もできる限り実践してみたいものだと感じ入った次第です。
実は、道元禅師の「正法眼蔵」の全巻を以前に購入しているのですが、第一巻のほんの走りを読んだだけで、あまりの難解さに挫折してそのままになってしまっています。これを機に、再挑戦したいと思います。