日本の先生 自信が最低

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         朝日新聞 2014年6月26日より 

 

記事によると、日本の先生は、本アンケート参加の34ヶ国中、生徒指導の自信の度合いが最低だったとのことです。

 非常に興味があったので、OECD国際教員指導環境調査(TALIS)のオリジナルデータを国立教育政策研究所のwebページで詳細を確認してみました。

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  国立教育政策研究所 OECD国際教員指導環境調査(TALIS)のポイント

     http://www.nier.go.jp/kenkyukikaku/talis/imgs/talis_points.pdf より抜粋

 

 データによると、日本の教員の自己効力間に関する設問に対する回答が、世界平均と比較すると著しく低いことがわかります。

 私の考えでは、良い仕事ができるかどうかの根源となる基盤が自己信頼であると考えており、その視点から見ると今の日本の教育の現場では、大変酷いことが起こっている心配があると、私は思います。

 自己イメージが与える影響は、その人の仕事ぶりのみならず、キャリアや人生、寿命にまで影響を及ぼすといわれています。教員の自己イメージが健全で、高い自尊感情を持っている場合には、生徒たちに対して愛と情熱をもって関わり、質の高い教育に誇りをもって取り組んでいる、すばらしい教室運営をされている可能性が高くなりますが、もしも、教員の自己肯定感が低い場合には、うつ気質となっているので生徒に対する愛や教育への情熱は、絶望の雲でかげってしまっており、十分に効果的な教室運営がなされていないだけではなく、多くの問題を引き起こしている可能性があります。

 自尊感情の欠如は、生産性の低下を招くだけではなく、事故や深刻な問題を引き起こす可能性もあるのです。生徒への暴力や性的虐待、いじめ問題の放置や各種依存症など、最近の新聞をにぎわす教師たちの暴挙は、このあたりからきているのかもしれません。

 ちなみに、国立教育政策研究所では、こうした傾向は、「謙虚さや高い目標を設定しているが故の傾向」であるとの解釈がなされており、大した問題ではないようなニュアンスの主張がなされていますが、私は、もっと真剣に現場の悩みに耳を傾けるべきだと思いますね。そうした解釈が、真実であるならば問題はないと思いますが、もし誤解だったとしたら、これは大変な問題ですよ。

 謙虚さと自虐は違います。

 謙虚さは、自分も尊いと感じているからこそ相手も尊い存在だと思う心情ですが、自虐は、自分を尊いとは思っていません。人は自分にするように他人にするものですから、自虐の人は、最終的には必ず他人に仇をなすなど、問題を起こすようになるでしょう。

 自己効力感が低いということは、自罰的となっているということであり、それは、疲弊しており、絶望感にさいなまれているということであり、決して健全で健康的なことだとは言えません。せっかくこうした調査で、現状の大問題が見えてきているにもかかわらず、こじつけや曲解で現実を見ようとしないとしたならば、大きな問題だと思いますよ。

 何しろ、自己肯定感の問題は、学級崩壊やいじめ、自殺問題など、多くの深刻な問題にかかわっており、そうした問題は、自己信頼の回復がなくして、根本的な問題解決にはならないのですから。

 ちなみに、アンケートの設問で、「生徒に勉強ができると自信を持たせる」の設問に対して、ハイと答えた先生の割合が、世界平均では85.8%ですが、日本では17.6%と著しく低下しています。その通り、自信のない人に自信は教えることはできないのです。

 データからすると、日本の教育現場は、崩壊寸前だと私は思います。原因は、さまざまな要素があるとは思いますが、これは先生たちの問題と言うよりは、先生たちを絶望に追い込んでいる古くて瑕疵あるシステムの問題なのだろうと思います。

 いずれにしても、こうしたデータから、教育現場からの悲鳴が聞こえてくるようです。政府は、そうした悲鳴に謙虚に耳を傾けて、真剣に対策を練り直す必要があると思いますよ。何しろ、教育こそが国力の根源なのですから。

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