人に対して冷たい風潮を笠に着て、人に対して冷たい施策や手法が跋扈している現状は、決して、栄誉なことではない。
人の恐怖心を利用した施策は、決して永続的な繁栄を生まない。
無慈悲なやり方は、希望を放棄したリーダーの産物であり、結果的には絶望しか生まない。
規模と利益は、企業の存続と成長を保障しない。
無理を重ねた力で勝利したその同じ力で敗北を招くだろう。
企業の存続に必要なものは、こころざしだ。
こころざしこそが未来の繁栄を生み出す青写真だ。
あなたは、いったい何のために経営するのか?
あなたは、いったい何のために生きるのか?
あなたは、今していることをするために生まれて来たのだと胸を張って言えるだろうか?
今取り戻さなければいけないものは、生産性でも収益性でもない。
今取り戻さなければならないものは、ひとえにあなたの志なのだ。
企業の存続と成長に必要なものは、あめとムチではない。
あめとムチは、容易で効果的に見えるので、恐怖に首を垂れたリーダーが安易に使う方法だが、遠からず構成員の情熱の火を消し、分離感やうつ気質を強め、防衛的風土を助長し、生産性の低下のみならず、不測の事故、衰退を招くだろう。
企業の存続と成長に必要なものは、イノベーションだ。
人は、欠点を持った完璧ではない存在ではあるが、断じて無力ではない。
その可能性と潜在性は、人の想像をはるかに超えて大きい。
その情熱と英知に火が付いたならば、想像もつかなかったような奇跡が起こる。
日常の仕事の中で、優れたアイデアが湧き起り、情熱のエネルギーが響きあい、現実を変えていく。
絶望のリーダーには全く理解できない希望がある。
人はどんなに脅されても、創造性も革新も生み出すことはできない。
人がそうできるときは、真にそうしたい時だ。
人が、自分の素晴らしさを表現したいという情熱、人に貢献したいという気高い思い、未知なものに挑戦したいという勇気は、真に健康で信頼のできる温かい風土から生まれる。
北風にはできない太陽の技がある。
今、日本の企業が隘路にはまっているのは、その技を忘れたからだ。
今こそ、志と勇気を取り戻す時。
人本来の素晴らしい可能性を引き出して、イノベーションによる持続的成長を図る時だ。
奇跡への一歩を踏み出そう。