大学生のキャリアアドバイザーを担当してますが、指導している就活生の中で、内定者が出始めました。内定を取れている学生は、すでに、3社程度を得ています。この厳しい中で、内定を取れる学生の特徴は、ヴィジョナリーであるということと言えると思います。ヴィジョナリーとは、すなわち、夢や志を持っているということです。夢と言っても、漠然とした子供たちが抱くような憧れではなく、もっと具体的で詳細が描かれている10年後程度の将来の設計図、青写真、理想のイメージ像です。そのようなキャリアヴィジョンをしっかりと持つということは、就活においては、強烈な武器となります。
採用担当者は、面接の初期の段階で、学生が、ぶら下がり志向(就社志向)なのかプロ志向(就職志向)なのかを見極めようとします。ぶら下がり志向とは、そうしないと怖いから就活をしている学生が、あせってどこでもいいから内定を得ようとする戦略を言います。一方で、プロ志向とは、具体的で詳細なヴィジョンをもった学生が、自分の夢を実現するための最善の職場を探そうとする戦略を言います。
採用担当者は、面接の早い段階で、学生が、どちらの志向なのかを判断し、ぶら下がり志向と判断できた人は、どんどん切り落としていく方針となっています。だから、学生がどちらの志向なのかを判断するための質問をたくさんさまざまな視点から投げかけてきます。「あなたには夢がありますか?」「どんな夢ですか?」「入社したら何をしたいですか?」「あなたにとって仕事とは何ですか?」「あなたにとって生きるとはどんなことですか?」・・・・・。夢がある学生は、「私にとって仕事(人生)とは、私の夢を実現することです。それを実現するための最高の職場が御社なのです。」ということができる。逆に、それらの問いに思い付きではなく、しっかりと答えることができない人は、ぶら下がり志向と判断されてしまうのです。
そもそも、就職とは、怖いからするものでも人に言われたからするものでもなく、自分が幸せになるためにするもの。自分の幸せをあきらめてはいけないのですよ。そして、自分の幸せとは何かと問われた時の答えに当たるものがまさに、ヴィジョンなのです。
なかなか内定に結びつかない学生は、こことのころをしっかりと考えて、腰を据えて自分のヴィジョンを固めていったほうが良いです。不安で不安で夢など描けないという学生は、そもそもそういうメンタリティが落ちる原因となっているので、一旦就活を休んで、風光明美な温泉地にでも行って、胆力を練り、自分の将来について壮大な夢を膨らませてみたほうが良いです。採用担当者は、学生が、希望に燃えているのか自信が折れているのかの判別くらいは一目でできるのですから。
そうして、一旦ヴィジョンが固まったのならば、それを、自己PRや志望動機にすべて貫かせるのですよ。たとえば、自己PRであるならば、
「私の強みは、○○だ。
それは、~を通してはぐくみ、納得のいく結果を出してきた。
そして、社会人となっても、○○という強みを生かして、”ヴィジョン”という存在になりたいと志している。」
と言えるだろうし、志望動機であるならば、
「私は、”ヴィジョン”という夢をもっている。
だから、貴社を知った。調べれば調べるほど、魅力的に感じたから今回応募した。
貴社ならばどんなことにも挑戦したいが、特に興味を持っているポイントは、・・・だ。
私の強みの○○を活かして、・・・に挑戦し、10年後には”ヴィジョン”を目指したい。」
と語ることができる。採用担当者が求めているプレゼンはまさにこうしたものなのです。
内定を取れない学生は、ひとそのものが裁かれているのではなく、その人の表現が裁かれている。だから、プレゼンを磨けば、必ず内定につながるものです。あきらめずに、しっかりとヴィジョンを固め、戦略を練り直し、準備を整えて戦いに乗り出していきましょう。