元気と勇気と信頼の回復のために

16人の勇者 2.自然児・隠遁者 A.自然児

第2章 ①自然児・隠遁者  A.自然児
自然児・隠遁者は、この地図の出発点です。
私たちは皆、ここから旅を始めます。
ただし、二人は同じ場所にいますが、まったく異なる経緯でここにいます。
・自然児——まだ旅を始めていない人。ここが出発点。
・隠遁者——一度旅に出て、傷ついて戻ってきた人。ここが避難場所。
ここでは、この二人の在り方を、2回に分けてお伝えしようと思います。
まずは、自然児からご紹介しましょう。

①A.自然児
自然児は、自然の恵みと家族の庇護、世話を受けながら生きる純粋無垢で素朴な子供です。まさにダイヤモンドの原石であり、途方もない可能性に満ちています。
自然児は、周囲の思いやり、配慮や庇護、世話を受けることによって、自己信頼や他者への信頼の気持ち、愛し、愛される方法。そして楽観性を育むことができます。

⑴光の側面
自然児は、純真な心と、元気いっぱいであふれんばかりの生命力に満ちており、とても魅力的です。人に対して、まだ疑うことを知りません。だからこそ、素直に笑い、素直に喜び、素直に心を開きます。相手の言葉や態度を、スポンジのように吸収し、自分の世界を広げていきます。周囲の人たちは、そうした自然児の天性の明るさや無邪気さに癒され、元気を取り戻します。自然児は、その存在そのものが太陽なのです。

⑵影の側面
しかし、一方で、自然児は、自分は特別な存在で、無条件に愛されること、庇護や配慮や面倒を見てもらうことは当たり前で、いつまでも満たされるべきものであるという自分中心の極めて利己的な枠組みを持っており、時に、わがままで、周囲への配慮に欠けるところもあります。
また、痛みや困難、悪意、人生の苦労については、その存在を知らないか、または体験しても起こるべきことではないと考えており、それを拒否するか、無視しがちです。「闇なんか存在しない」「この世には良い人しかいない」「闇があっても私には関係ない」と考えています。

⑶求めるもの
自然児が求めるものは、安全であり続けること、安心であり続けることです。自然児は、弱く傷つきやすい存在であり、生きていくためには周囲の庇護や面倒、配慮が必要なのです。自然児は自分がそうした弱さを持つ特別な存在なので、周囲から面倒を見られ庇護を受けることが当然であると認識しており、周囲の配慮が自分の期待よりも低かった場合は、見捨てられる不安や被害者意識が惹起されて、火が付いたように泣き、怒ります。親の庇護や恵まれた環境が、いかに特別なもので、楽園であり、ありがたく感謝すべきものであるのかがまだ分かっていないのです。

⑷恐れるもの
自然児が最も恐れることは、見捨てられることです。自分には力が無いと思い込んでいる自然児にとって、見捨てられることはすなわち死を意味します。ですので、それを避けるために、泣き、怒り、時に笑顔や甘えで相手に関心を向けてもらい、面倒を見てもらえる方法を学びます。

⑸課題
自然児にとっての課題は、依存からの脱却と感謝の心です。一つ目には、他者や周囲に期待するのではなく、自分で自分の面倒を見れるように自立する力を身につけること。そして、二つ目には、自分の面倒を見てくれる周囲の愛や配慮を、当然のことと思うのではなく、そこには相手の努力と犠牲があることを理解し、感謝することが必要です。