元気と勇気と信頼の回復のために

マズローの欲求理論③ 「動機づけのマネジメント」

 経営管理の視点からこの欲求理論を考えた場合、D動機とB動機のそれぞれのマネジメントの特徴を整理すると、以下のとおりである。

 

<D動機によるマネジメントの特徴>

1.強み

・コントロールしやすい

 恐怖と不安による動機付けなので、経営の意図に確実に従うことを期待できる。

・見通しが立ちやすい

 命じたことに関して、ある程度確実に成果を期待できる。

・計画を立てやすい

 したがって、将来の計画を立てやすい。

 

2.弱み

・低いモチベーション

 脅されてすることで、生きがいと情熱を感じることはあり得ない。

・官僚主義的体質

 言われたことしかやらない。保身が優先事項であり、官僚主義的となる。

・低い生産性

 結果、生産性は頭打ちで、低調にとどまる。

 

<B動機によるマネジメントの特徴>

1.強み

・高いモチベーション

 人の本音の喜びに働きかけるので、情熱と強い意欲を引き起こす。

・クリエイティブとイノベーション

 新商品の開発、新規販路の開拓、新機軸の誕生など、過去からの延長ではない全く新しイノベーションを創造する。

・健康でエネルギッシュ

 総じてネガティブなストレスは低く、健康であり、元気である。結果、高い生産性や創造性を生み出すことにつながる。

 

2.弱み

・不安定

 いつも好調とは限らない。好不調の波は決して小さくない。

・見通しが立ちづらい

 見込みとはまったく異なる方向性、イノベーション、失敗(成功のもととなる)、出会い、創造などが起こり、それを予測することは不可能であり、計画を立てづらい。

・成功の保証がない

 人を大切にして、人間主義的なマネジメントを貫いたからと言って、必ず成功するという保証はない。

(続く)

 

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リーダーシップ研修”To be a Hero”