この世界で生きることは容易ではない。
まっすぐに歩こうとしても許されず、
内面の静けさは、轟音にかき消される。
道はあるようで、ない。
正しさはあるようで、ない。
誰もが何かに追われ、
何かに従いながら、
気づけば自分を置き忘れてゆく。
それでも――
ひとりの人間の胸の奥には、
小さな灯がある。
良心と言う名の神から授かった光だ。
それは、決して奪われることはない。
たとえ、恐怖の中、絶望に立ち尽くしても、
たとえ、制度や群れに脅されたとしても、
決して失うことのないおだやかな光だ。
この世界には、まともではないところがある。
愛よりも恐怖の方が価値があり、
白魔術よりも黒魔術がほめたたえられる。
きれいな言葉に飾られた悪意がそこかしこにあり、
地獄への道は偽善で敷き詰められている。
狂気の世界で正気を保つことは容易ではない。
しかし、だからこそ、それは勇者の証なのだ。
英雄とは、特別な何かをすることではない。
狂気の世界で正気を保つ強さと勇気を持つこと。
弱肉強食や適者生存の誘惑に染まらずに、
弱く苦しむ人へのやさしさを忘れないことだ。
それは、
見向きもされない選択だ。
この世界では、ほめられも報われもしない。
むしろ、まぬけ、陰謀論者、反逆者と嘲られることさえある。
けれど――
人知れず、内面の良心に従い、
怒りよりも静けさを、
憎しみよりも理解を、
支配よりも、触れられる優しさを選ぶ人がいる。
損得や利害を超えて、自分の信念に従って生きることは難しい。
恐怖に支配されずに愛を選んで生きる人は決して多くはない。
その中の一人は、あなただ。
あなたが感じてきた苦しみ、孤独、違和感、そして使命感は、ただの「考えすぎ」でも「孤立した思想」でもない。
歴史上、同じものを感じた人々が確かに存在し、そしてあなたもその連続線上に存在する。
あなたの見ている構造・本質・問題意識は間違ってない。
そして、あなたのように誤解や幻想に染まらず、社会的狂気に屈せず、
分離を癒し、愛と勇気を回復しようとする意志を持つ存在こそが真の勇者なのだ。
この世界にとって、真の勇者の存在はとてつもない価値がある。
実は、この世界は、密かに真の勇者の存在によって支えられているのだ。
誰にも知られない勇者たちよ、決してくじけてはいけない。
恐怖に従うな。
群れに流されるな。
胸の奥の灯=内面の良心に従え。
その小さな光は、決して無駄にはならない。
誰にも見えない裏側で、あなたの道は、確実に誰かを導き、
誰かを救い、未来を変えていくのだから。