月別アーカイブ: 2014年10月

子供たちへのコミュニケーション教育

 主に小学校高学年の子供たち向けのコミュニケーションに関する小講義資料をご紹介します。弊社の「家族のためのコミュニケーション講座『伝説の車を復元せよ』」からの抜粋です。

 こうした学びは、私は、今の子供たちにとって大変重要だと考えております。

 掛け算の九九ができないと大騒ぎするくせに、自尊心が育まれていなくとも何も問題を感じない教育界の現状は、嘆かわしいことだと私は思っております。だって、人生を自分らしく逞しく生きるために必要なことは、九九のようなテクニックではなく自尊心のような生きる態度なのですから。

 実は、この文章は、先日弊社のヴィーナス通信でも配信したのですが、読者の方から、義務教育で学ばせるべきだと仰っていただけました。私もまったくその通りだと思います。自尊心やコミュニケーションが当たり前の学びとなったならば、日本や世界はきっと変わると思います。そんな願いを込めて、ご紹介します。

【コミュニケーションについて】

—————————————————————-
◆どうしてコミュニケーションって大切なんだろう?
—————————————————————-

 よく、「コミュニケーションは大切だ」と言われていますが、そもそもどうして大切なんでしょうか?

 アメリカの心理学者ジャック・ギブ博士が、この問題を上手に説明する理論を発表しています。

 「四つの懸念」という理論です。ちょっとむずかしく聞こえる名前ですが、とても分かりやすく参考になる考え方ですので、ここでご紹介しましょう。

 ギブ博士は、人と人との出会いはすばらしいことであり、チームであることはすてきな事だけれども、そこには、必ず「懸念」と呼ばれるものが生じてしまうと考えました。

 懸念とは、不安や恐怖のことです。

 みなさんは、初めての人と話すときに、「ちゃんと話せるかな?」「誤解されないかな?」「よい友達になれるかな?」などと心配になりませんか?ギブ博士は、どんな人でも人と関わる時には、そうした心配が生じると考えたのです。

 ギブ博士は、さまざまなチームの人間関係の研究を通して、人には、どのような懸念を生じるのかを調査しました。具体的データを集め、仕分けした結果、以下のような4種類の懸念に分けることができたので、この理論は、「4つの懸念」と呼ばれています。

 

<四つの懸念(J.ギブ)>

1.受容懸念

 ・そもそも私は受け入れてもらえるのだろうか?

 ・私は、責められたり攻撃されたりしないだろうか?

 ・相手はどのくらい信頼できるだろう。

2.データ懸念

 ・ここではどんな話をすればいいのだろうか?

 ・私はどのようにふるまえばいいのだろうか?

3.目標懸念

 ・チームが今していることは、何のためなのだろうか?

 ・われわれは何をしたいのか?

4.統制懸念

 ・ここでのボスは、誰なのか?

 ・ここでの私の役割ってどんなことなんだろう?

 

  世界中の誰もが、こうした心配を持ちながら、人とかかわっているだということが分かります。私たちは、人とかかわる時に、ドキドキと緊張することが、よくあると思いますが、それは、あたりまえのことなんですね。

  さて、ギブ博士は、チームをよりよくするためにはどんなことが必要なのかを研究したのですが、多くの研究を通して、「懸念を解消していくことが、チームの成長につながる」ということを発見しました。 

 チームが強くなるために必要な事は、何か特別なことではなく、お互いの不安や恐怖を解消して、心を開くことが一番大切な事なんだということが分かったのです。

 初対面の時には強くあった懸念が解消されていくにつれて、メンバー同士が信頼し合えるようになり、一人一人のぎこちなさがとれて自由で楽になっていき、チームとしての生産性や創造性が引き出されていくと考えたのです。

  「自分や自分のチームがより良くなるためにはどうすれば良いのか?」と考えたときに、良く思いつくことが、「このままじゃだめだ」「今の自分じゃだめだ」「何か別の力が必要だ」「新しい何かに頼らなければ」などと思うことはありませんか?

 私たちは、より良くなるために、よく今の自分を否定して、ちっぽけで弱くみすぼらしい(と思い込んでいる)自分以外の、強く大きく輝いている(と思い込んでいる)外部の何かに頼りがちになりますが、この理論の視点からは、それは決して最善策ではないと言うことなのだろうと思います。

 だって、チームが成長するための力は、どこか他にあるのではなく、チームの内面になるのですから。宝物は、どこか遠くにあるのではなく、とっても身近な自分自身にあるのですから。

 だから、頼るべきものは、遠くにあるありもしない魔法の力ではなく、最も近くにあるリアルな自分、無いと思い込んで顧みなかった自分(たち)の内面の可能性なのですね。

  それでは、懸念を解消して、チームのもっているすばらしい力を引き出すためには、どうすればよいのでしょうか?そのための方法は、いろいろあるけれども、本質的で最も効果的な方法がコミュニケーションであると言えましょう。なぜならば、懸念は、お互いに分かり合うことができなければ、解消されることはないからです。

 ギブ博士の考えでは、信頼関係というものは、取り繕ったり演技をしたりしてつくるものではなくて、出会い当初に生じてしまう懸念を、正直なコミュニケーションを通して取り除いていけば自然にできあがる心情であって、たしかに信頼関係は難しいかもしれないけれども、もし本当に信頼関係ができたならば、チームのもともと持っている大きな力が解放されて、チームは、もっと強く、もっと生産的に、もっとクリエイティブになると考えたのです。

  やっぱり、コミュニケーションは、大切なんですね。だって、信頼関係を育んで、人やチームの力を引き出す原動力なんだから。 これからも、人とのご縁や人間関係を大切にしていこう!

 

—————————————————————-
◆コミュニケーションのポイント
—————————————————————-

 コミュニケーションは、大切だということは分かったけれど、では、どうすれば、コミュニケーションがもっと上手になるんだろう?ここでは、そんなテーマに取り組んでいきたいと思います。

 コミュニケーションが上手になるために最も大切なことは、「習うより慣れろ」ということです。いろいろ思い悩む前に、どんどん人に向き合って、人とかかわってみましょう。そんな体験からきっと大切なことを学べるはずです。時には、失敗することや痛みを感じることがあるかもしれないけれども、そんなことは、たいしたことじゃありませんよ。むしろ、失敗が多ければ多いほど、人は大きくなり、やさしくなり、強くなるんですから。

  ときどき、「コミュニケーションは生まれつきのもので、簡単にうまくなんかならない」と思い込んでいる人もいますが、そんなことはありません。

 生まれつき話すことが苦手な人なんかいません。

 あなたは、生まれつき泣くことが苦手な赤ちゃんを見たことがありますか?

 生まれつき人の話を聞けない人なんかいません。

 あなたは、あやされているときにキラキラした目でお母さんを見つめ、お母さんの言葉に夢中になっている赤ちゃんを見たことがありませんか?

  人には、話す”くち”と、聴く”みみ”と、理解する”こころ”を持っています。それらの力は、想像している以上にとても大きいのです。人は、誰もがその力を宿しているのです。そして、ひとたびその力が本当に解放されたら、おどろくほど魅力的で、力強く輝くことでしょう。

 そんな力を引き出す参考として、以下にコミュニケーションをよりよくするためのポイントをご紹介しましょう。

1.自分を大切にすること

 コミュニケーションが上手になるために最も大切なことは、自分を大切にすることです。

 だって、自分を大切にできない人が、どうして他人を大切にできるでしょうか?自分を愛せるからこそ、他人を愛せるだろうし、自分を信じられるからこそ、他人を信じられるのですから。

 自分を大切にできているかどうかは、コミュニケーションに大きく影響します。「自分は価値ある存在だ」と感じていれば、自分を表現することにためらいはありませんが、「自分は価値がない」と感じていれば、「こんなつまらない自分の意見を聞かせるのは、相手に悪いし時間のむだである」などと、自分を表現することに引け目を感じてしまうでしょう。

 人は、誰もが価値ある尊い存在なのです。そして、人は、たいていの場合、自分で思っているほどちっぽけではありません。本気を出せば、どんな人でも、想像をはるかに超えた大きな力を発揮できるものです。

 だから、「自分はダメだ」なんていう思いは、大きな勘違いで、そんな思い込みは持つべきではありません。自尊心をもって自分自身を大切にしましょう。

 

2.話すこと

 自分が伝えたいことや感じていることをしっかりと表現することはとても大切なことです。

 「分かってくれない」「聞いてくれない」と文句を言う前に、分かってもらえるように話してみましょう。

 話し方のコツは、以下の通りです。

 ①自分が何を伝えたいのかをしっかりと把握する。自分の考えや気持ちが、他の人のそれと違っていても、大丈夫です。むしろ違いは創造性につながるものです。

 ②伝えたいことを正直に語る。

 ③正直さは、どんなに上手なテクニックよりも迫力があり、心に響き、説得力があります。(ただし、思いやりのない正直さは、相手を傷つけることがあるので注意すること)

 ④肩の力を抜いて、自分らしく表現する。

 ⑤かっこよく上手に伝える必要なんかありません。不器用でもいいんです。むしろ、不器用で正直な人の方が、器用で気取っている人よりも人気がありますよ。今のあなたで大丈夫。おだやかに、自分らしく自信をもって話してみよう。

 

3.思い込みに気をつけること

 人は、とても優れた理解力をもっていますが、決して完璧ではありません。 人は、とても勘違いしやすいのです。 しかし、たとえ勘違いでも、一旦こうだと思い込んでしまったことは、私たちの行動に支配的に影響を及ぼすものです。 だから、私たちは、誤解や勘違いのないように注意深くある必要があるのです。

 <人間関係の勘違いの一例>

 ・自分の理解

 「Aさんにあいさつしたけど、知らんふりして行ってしまった。きっと私は嫌われているのだ。向こうがそのつもりなら、もうこちらからあいさつするのはやめよう。」

 ・事実

 「Aさんは、考え事に夢中で、私が話しかけても気がつかなかったので、ふり向かなかった。」

 

4.あきらめないこと

 コミュニケーションは、心から心への伝達です。

 自分の心は、「悲しい」とか「うれしい」とか実際に体験しているので良くわかりますが、他人の心は、直接自分で体験することはできません。他人の心を知るためには、その人の言葉を聞いたり、様子を見たりして推しはかることしかできません。 ですから、コミュニケーションは、決して簡単なことではないのです。

  しかし、むずかしいからと言って簡単にあきらめるべきではありません。成功とは失敗しないことでありません。失敗してもあきらめないことが成功につながると言えましょう。

 コミュニケーションは、すれ違いがあって当然であり、たとえすれ違いがあったとしても、関係の糸を切らないかぎり、最終的にはお互いに分かり合えるものです。あきらめない心を大切にしましょう。

 

5.勇気

 人とコミュニケーションをとるためには、勇気が必要です。なぜなら、相手が自分を受け入れてくれる保障はどこにもないからです。人とかかわる時には、無視されたり、拒否されたりする恐れがあるのです。

 しかし、危険があるからといって心を閉ざしてしまうのは、自分が本当にやりたいことではありません。言うべきことは、勇気をもって言葉で伝えていきましょう。そんな勇気が、新しい可能性を開いていくのですから。

 

6.そして耳を傾けること

 ”きく”には、”聞く”と”聴く”があると言われます。単に表面的にきくのは”聞く”ですが、相手が本当に言いたいことを真剣にきこうと努力することを”聴く”と言うのです。

 人間関係は鏡であり、こちらのきき方で、相手の反応も決まってくるでしょう。 もし、私が表面的に”聞く”とすれば、相手の人も、表面的に”答える”関係となるでしょうし、もし、私が、相手に集中し、全身全霊で”聴く”とすれば、相手も本気で”応え”てくれるでしょう。

 平和で自分を元気にさせてくれる人間関係は、相手の出方によって決まるのではなく、実は、私の”聴く”態度によって作り出されるのだということを忘れないで下さい。

 以下に、よく”聴く”ためのいくつかのポイントを上げます。

①肩の力を抜いて、相手に集中してみる。

②ただ表面的に”聞く”のではなく、意識的に聴いてみる。

③会話の予習をせず、”いま、ここ”に集中する。

④相手を”他人”と思わずに、”家族のような人”と思って聴いてみる。

 

以上、家族のためのコミュニケーション講座『伝説の車を復元せよ』より抜粋

協力会の監督者研修(20140926)

 大手製造メーカーを中心とする協力会の監督者研修を担当しました。本研修は、全部で3回にわたる講座となりますが、今回はその第一回目です。研修の概要は以下の通り。

 

【T協力会監督者研修】

<プログラムの目的>
(テーマ) 「監督者としてのコミュニケーションとリーダーシップスキルを学ぶ。」

(ねらい)  ①コミュニケーションの重要性と改善ポイントを学ぶ。
        ②チーム力を引き出す。
            ③効果的な組織運営のポイントを学ぶ。

<プログラムの構造> 
第1回目「コミュニケーションの重要性と改善ポイント」

 1.リーダーの基盤となる自尊心の重要性
 2.実習「絵によるコミュニケーション」
 3.実習「ポスターを復元せよ」

第2回目「チーム力を引き出す」
 1.実習「脱出!スノーマウンテン」
 2.実習「15人の勇者」

第3回目「最強組織の法則」
 1.実習「アトランティックプロジェクト」
 2.前向きな風土の作り方

 

 各回が、おおよそ午後半日で、月に1回程度、数か月間で実施するプログラムとなります。

 先日は、その第1回目のコミュニケーションをテーマとしたプログラムを実施しました。

 参加メンバーは、30名強、協力会の企業の管理監督者のみなさんであり、ほとんどのみなさんが初対面です。

 当講座は、講義もありますが、大半はグループワークであり、ほとんどメンバーのみなさんにとっては、初めての体験で、戸惑われることもおありだったと思いますが、最終的には、見事なチームとなっていました。

・リーダーシップやコミュニケーションの原点として、自尊心が大切であり、自分にしろ部下にしろ健全な自尊心をはぐくむことは、よき職場を作るうえで大変重要な要素であること。

・コミュニケーションには大きな力があり、職場の生産性や創造性を劇的に高めること。

・コミュニケーションをよくするためには、小手先の技術と言うよりは、哲学を持った生き方であること。

と言った大切なことを学ぶことができたと思います。

 協力スタッフのみなさん、メンバーのみなさんありがとうございました。

 メンバーのみなさんは、管理監督者であり、見かけは少々怖い、いかつい顔の方々ばかりですが、気がやさしい、思いやりのある人間性豊かな方々ばかりでした。こうした素晴らしいメンバーと長期にわたり学べることは、大変光栄なことです。

 今後の展開が楽しみであり、がんばっていきたいと思います。

新人フォローアップ研修20141009

 東京T社にて、新入社員フォローアップ研修を担当してまいりました。
 プログラムは、弊社の新入社員研修プログラム「アトランティックプロジェクト」をアレンジして、フォローアップ研修向けに再編しなおしたものです。概要は以下の通り。

 

【新入社員フォローアップ研修概要】

(テーマ) 「力強く輝く中堅社員に向けての第一歩を踏み出す。」

(ねらい)

 ①入社から現在までを振り返り自分の課題を整理する。
 ②企業経営の全体像を学び、全体から見た自分の役割を理解する。
 ③本音で関わる対話力を高める。
 ④自己理解を深め、自分の長所と短所を把握する。
 ⑤力強いキャリアを導くキャリアヴィジョンを設定する。

(プログラムの内容)

セッション1 「入社から現在までを振り返る」

  ・入社後半年が経過した新入社員の現状の課題と期待

  ・実習「四つの問い」

セッション2「企業経営の全体像」

  ・実習「アトランティックプロジェクト」

  ・マネジメントの基礎

  ・企業財務の仕組みと分析方法

  ・チャレンジ精神の重要性

セッション3「本音で関わる対話力」 

  ・実習「高価な薬」

  ・ディスカッションとダイアローグ

  ・受け入れるということ

セッション4「自己理解を深める」

  ・実習「風の卵の物語」

  ・人の偉大なる可能性 

セッション5「ヴィジョンを作る」

   ・前向きな生き方の重要性

  ・実習「私のキャリアヴィジョン」

 

 本プログラムは、新入社員フォローアップ研修であり、激動の新人時代を振り返り、英気を養い、中堅社員としての心構えや必要なスキルを学び、新人から中堅リーダーへと第一歩を踏み出してもらうことが研修テーマとなります。

 私は、当社において、4月の導入研修も担当させていただいているので、メンバーとは、半年ぶりの再会となりました。

 学生から社会人へ、新入社員としての激変、若手リーダーへの変容、そんな大激動の時代を担当できますことが、大変光栄です。この時期のメンバーひとりひとりの変化をみると、まさに人生の縮図を感じ、共感と感動を覚えますね。

 ついこの間は、単なる学生さんであったものが、もはや顔つきもしっかりしてきて、一丁前です。きっとこの半年で、ずいぶん苦労をして、ずいぶん磨かれたんだろうと思います。この激動の時代を、見事に前向きに乗り越えてきたようで、安心し、頼もしくおもえました。

 多少おっちょこちょいで、マイペースで、不器用なところが変わらずにありますが、実に気のいいかわいげのある若者たちで、きっと職場でも先輩たちから可愛がられ、しっかりと活躍していることなのでしょう。

 本プログラムでは、ゆっくりと激動の新人時代を振り返り、自分自身を改めて見直し、少々疲れている心をリフレッシュさせて、希望(こころざし)に向かう、そんな貴重な時間となりました。

 素晴らしいメンバーやスタッフの皆さんとともに、本当に素敵な場ができました。本当にありがとうございました。

 私自身も、すばらしいメンバーと共に学べて、大変爽やかで楽しく、逆に元気をもらえた気がします。

 本当に素晴らしいメンバーたち、きっと今後も、コツコツとよき仕事をして、着実に力をつけていくことでしょう。皆さんなら必ずよき未来を開ける。自分を信じて、共にがんばりましょう!