月別アーカイブ: 2011年2月

われとなんじ

私どものラボラトリーメソッドの哲学的な骨格のひとつとなっている実存哲学者マルティン・ブーバーの考え方をご紹介します。ブーバーの主著は、「我と汝」という名著です。その中で、高邁な”関係性”の哲学を展開しており、今回は、その考え方の一部をご紹介したいと思います。

本書の中で、ブーバーは、世界は人間のとる態度によって2つとなるとしています。
ひとつは「われ-なんじ」の世界であり、もうひとつは「われ-それ」の世界です。

「われ-なんじ」の関係は、われとなんじが、個別な存在と言うよりは、本質的に同じ存在として認識しあえる関係であり、われがなんじと全人格的に関わり、関係性に生きる実存の世界です。
一方、「われ-それ」の関係とは、われとそれが異なった対象と認識する関係であり、われがそれを利用し、われに取り込もうとする分離と対立に生きる現象の世界となります。
その際、「われ-なんじ」のわれと、「われ-それ」のわれとでは、まったく異なった<われ>となります。

「われ-それ」の<われ>は、個的存在としてあらわれ、他を利用し経験する主観として自己を意識します。
一方「われ-なんじ」の<われ>は、人格的存在としてあらわれ、真実の関係を生きる主体として自己を意識することになります。

ブーバーによると、「われ-なんじ」の関係こそが、リアリティの世界であり、『人間や人類が「われ-それ」の個的存在に支配されればされるほど、われは、一層非現実の深みに落ちていく。現代のような(「われ-それ」の)時代には、人間や人類の中にあるわれは、再び呼び起こされるまで、地下に隠れ、いわば、無価値な存在となってしまう。』としています。ブーバーによると、現代文明の危機は、「われ-それ」の途方もない支配の結果によるものとなります。
「われ-なんじ」の全人格的な関係性を通して、「われ-それ」を癒し、自然を取り戻し、人格的存在となり、人間の全きを回復させていくことこそ大切と言えるのでしょう。

ブーバーの視点は、きわめて現代社会の問題点の本質をついているように思えます。行き詰っている現代のさまざまな問題を解きほぐしていくためのヒントや大切な指針となるのではないでしょうか。

新入社員研修アトランティックプロジェクト打ち合わせ

 今日は、4月の新入社員研修の打ち合わせです。プログラムは、アトランティックプロジェクトをご利用いただいてますが、今年で早くも4年目となるお客様です。長く続く新入社員研修の中で、このアトランティックプロジェクトが、毎年新入社員にとって最も印象に残ったプログラムになるとおっしゃっていただいております。弊社としてはこの上ないお言葉であり、本当にありがたく、光栄に思っております。

 今年も、昨年同様に、充実した良き学びの場となれるように一生懸命に頑張りたいと思っております。今年は一体どんな出会いとドラマが展開していくのでしょうか。とっても楽しみです。

自信を育む

「自信を持てなくなるのはしょうがない。

 でも、いかに自分を信じることができるか。

 そういうことが大切になってくると思う。」

 石川遼

 3回目の世界マッチプレー選手権に向けて

 朝日新聞朝刊(2011/2/22)

新刊本が完成しました!

とうとう待ちに待った新刊本が刷り上がり、本日たった今到着しました!

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開封したところ、こんな素晴らしい仕上がりです!

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 印刷は、前著からのお付き合いで、有限会社ニシダ印刷製本さんにお願いしているのですが、期待以上の素晴らしい仕上がりです。西田さん良い仕事をありがとうございました。

 肝心の本は、この通りです。

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 自画自賛ですが、親バカですが、なかなかかっこいい仕上がりではないですか。この仕上がりに恥じないように、しっかりと販売を頑張っていきたいと思います。願わくば、この本が、多くの学生たちに届き、本当に幸せなキャリアを形成する力強い助っ人となれますように!

日本人の自己イメージと現実のギャップ

    国際アンケ「日本のイメージは世界最高」…中国で「なぜだ!?」
                          サーチナ 1月28日(金)17時44分配信

 中国の軍事情報メディア「鼎盛軍事網」は27日付で、「なぜ日本の国際イメージは世界トップなのか?」とする記事を掲載した。米タイム誌が実施した「国家イメージ」の結果を受け、日本が世界的に評価されている理由を分析した。

 タイム誌は56カ国に住む12万人を対象にアンケートを実施し、世界の主要20カ国の国際イメージをランク付けした。トップは日本で77点を獲得。以下、ドイツ(72点)、シンガポール(71点)、米国(64点)の順で、中国は62点を獲得して第5位だった。日本は2007年から4年連続で第1位だった。

 「鼎盛軍事網」は、「中国のイメージの方が日本よりもよいとしたのは、中国とパキスタン人だけ」という米国における研究調査を紹介。同調査によると、その他に調べた14カ国すべてで、日本のイメージの方が中国よりもよかったという。

 記事は、「歴史問題や領土問題などから、中国人の日本人に対する評価は常に揺れている。中国側は過去の日本軍国主義が中国に与えた傷を非難しているが、他の国には影響を与えていないようだ」と分析した。

 現在の日本がイメージを高めている理由のひとつとして、中国および東南アジア諸国連合(ASEAN)の大部分の国などに多額の援助を続けており、そのほとんどが無償援助であることを挙げた。

 日本が世界から評価されるもう1つの理由として、日本の経済力や科学研究への積極的な姿勢を挙げた。その土台にある教育レベルについて「初等教育の入学率は100%、中等教育の入学率は99.5%と世界トップ。1911年の時点で、6年間義務教育の就学率は98%を達成。基礎教育の着実な浸透が民度の高い日本国民を作りだし、経済発展へとつながったのだろう」と分析した。(編集担当:畠山栄) 

以上、サーチナニュースより引用

 

 弊社では、自己イメージが与える大きな影響に注目しており、自己イメージの健全化が、自分らしく力強く輝いて活躍していくための最も基本的で重要なテーマであると考えております。自己イメージは、良くも悪くも魔法のようにその人の生き方に強力に作用するのですが、必ずしも、真実であるわけではないのです。単なる勘違いであり、思い込みであることが多い。この記事も、まさにそのようなことを端的に教えてくれます。

 日本人の自己イメージは、世界の中でも、もっとも貧しく矮小で否定的だといわれています。要するに、日本人は、世界一自信がないのです。どういうわけだか分りませんが、さまざまなアンケート結果から分析すると、謙虚さとは違う自虐としての自信の無さが浮き彫りになってくるのです。そんな自己イメージが真実かというと、実はそうではない。今回のアンケート調査のように、世界で最も良い印象を持たれている国民が日本なのですよ。このギャップは、相当大きいものがありますね。

 現実は、愛され良く思われているにもかかわらず、嫌われておりバカにされていると思い込んでいると、相当勘違いの世界の中で生きざるを得なくなり、せっかくのチャンスを台無しにする可能性が大きくなります。もっとリアリティを見る必要があるのです。

 良く研修の中で言わせていただいておりますが、人は確かに欠点はあるけれども、断じて無力ではない。本気を出せば、どんな人でも、本当に素晴らしい仕事をやり遂げる力がある。だから、勝手に自分はダメ人間だなんて思いこんではいけないのです。自分の潜在性や可能性を大切にすべきなのだと私は思います。

 この記事にもある通り、日本人は、自分で思っている以上に評価されている。だから、もっと自信を持つべきだと思いますね。堂々たる紳士淑女として世界に向けて自らを発信していくべきだと思いますよ。日本人にとって必要なもの、それは、英語力やプレゼンスキルの前に、自信と誇りなんだろうと思います。

キャリアアドバイザーが始まりました

 昨日から、J大学のキャリアアドバイザーが再開しました。昨日は、冬休み明けの第一回目となりました。3年生を中心に多くの学生が相談に来てくれました。ちょうど、今が、就活真っ只中です。厳しい環境の中で、苦労しているようです。学生たちの苦労を考えると、本当に胸が痛みます。

 相談に乗っていて、よくわかることは、厳しい環境下にあって、一生懸命に頑張って立ち向かっているつもりなのでしょうが、まだまだ準備不足だということ。就活で勝ち抜くための秘訣は、準備なのです。どんなに能力や実績があっても、準備が整っていなければ、決して勝ち残ることはできません。採用担当者は、本番の仕事においても、その程度の準備と心構えで対処するのだろうと思われてしまううからです。

 特に、自己PRと志望動機に関しては、徹底的に必勝の脚本を練って、徹底的にプレゼンの練習をしておかなければなりません。できれば、録音したり、動画で記録したりなどして、徹底的に修正を図ったほうが良いでしょう。やるからには徹底的にやるのです。やる時はやらなければなりません。

 努力は人を裏切らない。単に焦ってやみくもに動く前に、しっかりと頭と胆力を使って準備を整えて戦いに臨みましょう。就活生たち、頑張れ!

就活対策「主体性とは志を定めるということ」

   「大学生は主体性が足りない」 経団連、企業アンケート  asahi.com 2011年2月7日

 最近の大学生には主体性や創造力が足りない――産業界にこんな不満があることが、日本経団連のアンケートでわかった。最近の新卒採用で企業側は、募集人数に達しなくても求める人材がいなければ採用しない「厳選採用」を続ける。内定率の向上には、大学教育の内容を巡る企業と大学のミスマッチを解消する努力が求められている実情が改めて浮き彫りになった。

 大学生の採用で重視すること(複数回答)を企業に1~5ポイントで評価してもらったところ、「主体性」が平均4.6ポイントで最多。「コミュニケーション能力」と「実行力」が4.5ポイントで続いた。

 一方、最近の大学生に不足している素質を尋ねる(同)と、一番多かったのが「主体性」で89.1%。能力・知識面で不足を尋ねた(同)ところ、既存の価値観にとらわれない発想ができる「創造力」が69.3%でトップだった。

 大学に取り組みを期待することの質問(同)では「教育方法の改善」が76.5%を占めた。具体的には、学生に体験活動をさせる授業などが挙がり、教員が一方的に講義する授業への不信を示した。

 企業側は大学教育にどう参加しているのか。27.3%が幹部や実務担当者を大学に派遣して講義をし、インターンシップを実施している企業も48.3%に達した。経団連は「今後も大学側との協力を進めたい」と話している。

 アンケートは昨年9~11月、経団連会員企業1283社と非会員の地方中堅企業に尋ね、596社から回答を得た。(吉田博紀)

以上、asahi.comより引用

 

 

 経団連のアンケートより、就活中の大学生に主体性が足りないという不満が企業側にはあるとのこと。これは、ひとえに、大学生のこころざしの無さによるものだと私は思います。

 就活生には、就社志向と就職志向の2種類の学生がいます。就社志向とは、不安や恐怖にたきつけられて、どこでもいいから内定を得ようと奔走し、内定を得たならば、解雇されないようにしっかりと頑張ろうとする戦略です。正直なところ、大半の学生がこうした意識で就活を展開しているのではないでしょうか。彼ら彼女らは、正直なところ、企業人になどなりたくはないのです。企業人として幸せになるというヴィジョンが持てないのですよ。これは、大学生側の問題というよりは、彼ら彼女らに見本を見せてきた我々大人の問題なのかもしれませんね。

 一方、これとは全く異なる就職志向という戦略もあります。就職志向とは、「自分にはその道のプロとして輝きたいという夢がある。その夢を実現するために就職したい。」という考え方に基づいて、会社にぶら下がるのではなく、自分の夢を主体的に追い求めようとする生き方を言います。彼ら彼女らは、自分の幸せな未来のヴィジョンがしっかりと見えており、そうした夢や志を最も実現できるであろう最高の職場を探すという就活本来の在り方の活動を展開しているわけです。

 この2つの志向の違いが、採用担当者にとって興味のある最大のポイントとなります。採用担当者は、応募者が、就社志向なのか就職志向なのかを早めに見極めて、就社志向の応募者は、どんどん断ろうとするのです。

 そして、この違いを見極めるために採用担当者が学生に投げかける質問が、「あなたの夢を聞かせてください」「当社に入社した後のあなたのキャリアヴィジョンを聞かせてください」であり、その質問に答えられない学生が多いので、今回の記事のように『主体性がない』という評価につながっているのだろうと思います。

 就職できない恐怖や将来が不安な学生の気持ちはわかりますが、単に、それから逃れようともがくだけでは、至って不利であり、早い段階で敗退する事になってしまうでしょう。就活で勝利を目指す学生は、プロ志向、就職志向が必要であり、しっかりとした夢や志、自分の本音のそうありたいと願うキャリアヴィジョンが必要なのです。

 こんなに苦しいさなかで夢や希望など浮いた話は考えられないという気持ちは分かりますが、そのままでは、前述の通り、はなはだ不利であり、戦線を突破しづらいでしょう。だから夢を持てというわけではありませんが、この人生に大きな影響を与えるターニングポイントにあって、自分自身どうありたいか?何のために生きるのか?何が私にとっての幸せなのかをしっかりと考える必要があるのですよ。難しい問題だからと言って決して逃げてはいけないのです。そもそも、就職は、そうしないと怖いからするものではなく、自分の幸せのためにするもの。自分の幸せを決してあきらめてはいけないのです。

 就活生にとって、相当困難な時代であることは確かで、本当にかわいそうだと思いますが、逃げずに立ち向かっていけば、必ず突破口がある。その第一歩として、自分の幸せについて、まずしっかりと考えて、ハートにしっかりと志を持つことをお勧めしたいと思います。