月別アーカイブ: 2010年2月

愛が起こるとき

思考は、その感情的で感傷的な中身ともども、愛ではない。

思考は常に、愛を否定する。

思考は記憶に基づいている。しかるに、愛は記憶ではない。

 

思考は、その本性上、分離的なものである。

時間と空間、分離と悲嘆の感覚は、思考過程から生まれる。

それゆえ、思考過程が終わるときに初めて、愛がありうるのである。

       「生と覚醒のコメンタリー」クリシュナムルティ

高校生内定率過去最大の下落

  高校生の内定率5年ぶり低水準=文科省  時事通信 2010年02月24日

 今春卒業を予定する高校生の就職内定率が昨年12月末時点で前年同期比7.5ポイント減の74.8%だったことが23日、文部科学省の調査で分かった。この時期の内定率は2年連続で悪化し、下落幅は過去最大。最近では2004年12月末に次ぐ低い水準となった。
 調査は、教育委員会などを通じ全国の高卒予定者の状況をまとめた。就職希望の18万3223人のうち、内定を得たのは13万7128人。残る4万6095人は就職先が決まっていなかった。
 内定率は男子が7.3ポイント減の79.7%、女子が7.8ポイント減の68.5%。都道府県別では沖縄の46.0%から富山の91.0%まで差が付いた。
 学科別にみると看護科が50・0%、普通科が65.1%で苦戦。高かったのは工業科の88.4%、福祉科の80.6%などだった。 (了)

 

 高校生の内定率の下落幅が過去最大で、2004年に次ぐ低い水準となったとのこと。今年の就活生は、とてつもない逆風の中で戦い続けなければならない。単に年のめぐりあわせでこうも就活環境が変わると何とも理不尽なものを感じてしまいます。しかし、苦あれば楽あり、痛みは成長への糧となるとも言われており、きっと就活生の苦労は、意味のないものではなく、将来の大きな幸せに必ずつながるものと信じて応援していきたいと思います。

 ただ、長年就活生の応援の仕事をしてきた私にとっては、人生が、こうも企業や経済環境に振り回されてしまうということに、少々憤りを感じてしまいます。学生たちも、自分のキャリアを考える上で、会社に頼る生き方だけではなく、自分自身の力で生きる生き方、たとえば、起業、個人事業、農業、職人、専門家、などの個人の力で生きる生き方を模索する必要があるように思えます。

 独立自尊、福沢諭吉さんが若者たちに伝えたメッセージですが、まさに現代、この独立自尊の精神が必要なのかもしれません。「あてになるのは大きな企業や組織ではなく、自分自身である」という考えは、間違いなく真理の一つなのだろうと思います。私自身は、10年ほどサラリーマンを体験したのちに独立しましたが、明らかに幸せなのは、独立後でしたね。確かに所得は不安定になりましたが、使用人の立場から経営者の立場に、振り回される人生からリードする人生に、脇役から主役の人生に、被害者意識の人生から幸せを実感する人生へと大きく変わったのです。学生たちにもこの幸せをぜひ実感してほしいですね。社員にしてもらうだけが人生ではないのですよ。自分で人生をつくれる力を人は持っているもの。ぜひ自分の可能性を信じて、早い段階から独立自尊を視野にいろんなことにチャレンジしてほしいと思います。

大学キャリア教育の義務化

     「職業指導」全大学で 朝日新聞2010年2月24日朝刊

 

学生が自立して仕事を探し、社会人として通用するように、大学や短大の教育課程に職業指導(キャリアガイダンス)を盛り込むことが2011年度から義務化される。文部科学省が25日、設置基準を改正し、大学側もカリキュラムや就職活動などの支援体制の見直しに入る。

 義務化の背景には、厳しい雇用状況や、職業や仕事の内容が大きく変化するなかで、大学側の教育や学生支援が不十分という指摘がある。さらに新卒就職者の3割が3年以内に離職するなど、定着率の悪さも問題になっていた。このため、大学教育のあり方を議論していた中央教育審議会(文科相の諮問機関)でも、学生支援の充実や、職業指導を明確化する方向性を打ち出していた。

 就職支援に関して、各大学や短大は、就職支援センターやキャリアセンターを学内につくって対応している。義務化で、卒業後を意識したカリキュラムやプログラムにし、すでに一部の大学で導入されている職業を考える授業やインターンなどを単位として認定するなどの動きが広がりそうだ。

 また就職指導への教育は、7年ごとに受ける第三者の認証評価機関などの評価対象にもなり、結果が公表される。受験生の大学選びの理由の一つになる可能性もある。

 日本学生支援機構のまとめでは、就職セミナーやガイダンスなどを実施する大学は全体の91.8%、短大で95.7%。職業意識を育てることを目的にした授業科目を開設している大学は74.3%、短大は72.4%となっている。

 具体例として、金沢工業大学では、入学時から4年生まで、必修の科目として将来の進路を考えるカリキュラム「社会で自分を活(い)かして生きていく力」を実施している。また、東京女学館大学では、コミュニケーション能力、IT能力など社会人として必要な10の能力「10の底力」を定めて4年間で基礎、専門科目を通じて伸ばす試みをしている。 (編集委員・山上浩二郎)

 

 大学におけるキャリア教育が2011年より義務化されるとのことです。これは、個人的には素晴らしいことだと思いますね。私もここ10年間大学のキャリア教育とかかわってきましたが、そんな体験からわかることは、今の学生たちには生き方教育の支援が必要であるということです。

 よく今の若者は、根気がないだの、言われたことしかやらないだの、ちゃらんぽらんだの色々といわれていますが、私がかかわる学生たちは、全くそんなことはありませんよ。とてもまじめで一生懸命で一本義、正直でやさしく純粋な若者ばかりだと思いますね、ただ、とても傷付きやすくナイーブな側面があり、落ち込みやすく、人間関係においても少々臆病で不器用で保守的なところがあるように思えます。しかし、これは、ひとえに自分の人生に対する信頼と愛のなさに起因することだと私は思っています。要するに、自分には問題を解決する力があるとは思えないし、明るい未来を切り開く可能性もあるようには思えないといった自信のないメンタリティや思い込みを持ってしまっているからなのだと私は思っているのです。

 私は、生きる力、自分らしく輝く力の根源は、この自信と誇りにあると考えています。力強く生きるために必要なことは、小賢しいテクニックではないのですよ。自分らしく輝くために必要なことは、リスクに立ち向かう勇気、困難を乗り越えられるという自信、未来に向けての大きな志、そんなベタでずっと昔から言われてきたことではあるけれども、やはり大切なことが、主体的に生きる力の根幹となるのだと思います。

 長い間学生たちとかかわって感じることは、この自信が、著しく欠如している学生たちが多いということです。なぜこんな状況になったのかはよく分かりませんが、教育が与えてきた影響はきっと大きかっただろうし、逆に生きる力をはぐくむうえで教育が貢献できることも大変大きいと思います。個人的には、やはり大人が若者たちに、「やればできるよ」「やってなれないことなどない」「人生は捨てたものではない」「あなたは決して無力ではない。本気を出せばきっと良い仕事を成し遂げることができる」「あなたの可能性は、今のあなたが想像している以上に大きい」と言っていく必要があると思います。説教くさいだのオヤジ臭いだのうざいだの言われようが、言うべきことは言う。そんなうるさい大人たちが必要なんだと私は思います。

 弊社も、キャリア教育には縁あってずいぶん長い間かかわってきましたが、これからますます追い風を受けて頑張っていきたいと思います。若者たちに、本当にそう生きたい生き方の後押し、自分らしく力強く輝く生き方の応援をしていきたいと思います。

服従の心理

 人は、理不尽なことであっても、権威の命令であれば、服従してしまい、通常では絶対に行わないような問題行動であっても実行してしまうことがあります。この傾向を、米国心理学者ミルグラムは、「服従の心理」と名づけ、取り返しのつかない失敗をしてしまう落とし穴であると警鐘を鳴らしています。

<ミルグラムの実験(1960年~1963年)>
 この実験は、人間が権威の命令にどれだけ従ってしまうかを調べるために実施されました。

 「電気ショックという体罰を与えることで、生徒の記憶力がアップするかを調べる」と言う名目のもとに、被験者は、先生役となり、生徒に電気ショックを与える役割を担当し、生徒が設問に間違えるとスイッチを入れてショックを与え、次第に電圧を上げて罰の程度を高めていかなければなりませんでした。

 生徒役はサクラであり、どんどん間違えた答を出しますので、被験者は、どんどん電気ショックの電圧を上げていかなければなりません。もちろんサクラ役である生徒は、実際には電気ショックは与えられてないのですが、苦しむ様子は、分かる仕組みになっていました。

 苦しみ方には、レヴェルがあって、120ボルトになると苦痛を訴え、150ボルトでは「ここから出してほしい」と絶叫する。300ボルトになると、壁を叩いたり、すさまじい悲鳴をあげて、330ボルトになると、もはや壁を叩かなくなり、ついに無反応になると言った反応をすることになっています。この実験では、どの程度まで命令に従って、被験者がスイッチを押すのかを試されたのです。

  ミルグラム博士は、実験を始める前に精神科の医者たちに実験の結果を予測してもらっており、その予測では、200ボルト以上の電気ショックを与える人はほとんどいないし、ましてや450ボルトに達するほど残虐な人は1,000人に一人しか存在しないと仮説のもとでこの実験がなされたのです。

 しかし、結果は、驚くべきものでした。教師役の被験者のうち、300ボルト以上の電気ショックを与えた人が40人中31人(約80%)で、450ボルトに達した人は、40人中25人と、全体の60%以上にもなったのです。 要するに、権威者からの命令であれば、80%の人が、重傷を負わせる可能性のある苦痛を他人に与えることを拒否できないという結果であり、死をも強いることを拒否できない人が60%もいたということを意味しています。

 実験に参加した人たちは普通の善良な市民だったのですが、彼らの多くは、自分の思いとは別に、権威ある教授の命令には逆らえずに、ただ命令に服従してしまったのです。

   この実験から、私たちに影響を与える権威の力は、絶大であり、それに反対の意見を表明することは、極めて困難を要することが分かります。私たち人間は、いかに洗脳されやすく、権威や権力の言いなりになってしまう可能性が高いかということがわかります。

 歴史上、不健康な精神を持った権力者のもたらした悲劇には枚挙にいとまがありません。これも、単に性格の悪いいかれた権力者だけの問題ではなく、それに安易に従ってしまった私たち市民の責任でもあるかもしれません。もしかしたら、そんな権威者にNOといえたならそんな悲惨な歴史を避けることができたのかもしれないのですから。

 安易に権威に従ってしまう傾向は、根本的には自分に対する自信のなさに起因すると思います。自分の体験を大切にして、自分が感じたことや気づいたこと、ひらめいたアイデアを信じることができるのならば、それが権威者の言うことと違っていても、自分が間違えていると思い込んでしまわずに、自分の感じ方を選ぶことができるからです。

 だからこそ、権威を他人や他の本・偶像に置くのではなく、自分の内面に置く必要があるのだと私は思います。青い鳥は遠いどこかにいるのではなく、自分の内面にこそあるのですから。

 こんな私であっても、世界中で一番頼りになる存在、世界中でたった一人の存在、永遠の宇宙の歴史の中でたった一回の存在、かけがえのない限りなく価値のある存在、そんな存在を信じて大切にすること、そんなシンプルなことが地球から悲劇を取り除くための最善の方法なのかもしれません。

静謐さとは

静謐さは、禁欲や克己をもってしては生まれない。

それは、あるがままの実相を理解することによって生まれるのである。

あるがままを理解するには、即座の気づき(アウエアネス)が必要である。

なぜならば、あるがままの実相は、決して静止していないからである。

      「生と覚醒のコメンタリー 1」クリシュナムルティ

コミュニケーションが創造的になるとき

コミュニケーションで新しいものが創造されるのは、人々が偏見を持たず、互いに影響を与えようとすることもなく、また、相手の話に自由に耳を傾けられる場合に限られる。

                      「ダイアローグ」デヴィッド・ボーム

「志望動機の書きかた」講演会の感想

 先般担当した「志望動機の書き方」講演会の反省会に伺い、先方のJ短大のご担当者の方から感想を見せてもらいました。正直短い時間の中で詰め込みすぎたことと、飾りっけなく単にずっと90分話し続けたことなどで、学生たちがどんな反応だったのかについて、とても心配していたのですが、そんな懸念は吹き飛ばされました。学生たちは、意外なほど真正面から私の講座のメッセージを受け止めて、就活の参考にしてくれたようです。以下、ほんの一部だけですが、抜粋をご紹介しましょう。

【就活対策講座「志望動機の書き方」講演会の感想(一部)】

・就活を勝ち抜くために必要なことは、心構えと準備だということがわかりました。一番重要なことは自分の志で、それがしっかりしてくれば準備もできるし、自分に自信が持てるようになってくるのかなと思いました。

・自己PRや志望動機を書く上で何よりも大事なのが「こころざし」ということがわかりました。ありきたりなことでも堂々と言うことができることが大事なんだということなんだなと思いました。それに落とされるのは当たり前のことだから、いちいち気にしていたらダメになってしまうことも改めて確認することができました。

・自己PRの大切さと、自信と誇りを持つことが大事だということ。志望動機の理由の大切さも学んだ。これのことを「プロポーズ」とたとえていたけれど、かなり納得した。「落ちたらここが甘いと思え」「落ちてもへこむな」という言葉も印象に残った。ヘコむのではなく内容を充実させて自分に自信を持ち、「こっちから願い下げ」という気持ちを持てるくらい中身を磨いていこうと思った。

・「志」が大切!!自信がある人ない人は面接で分かってしまうと聞いて、自信を持って話すことが大切だと思った。強気で自分の意思を話すためにも事前準備が本当に大事なんだと思った。

・自己PRの自分と本当の自分は違う。自己PRでダメな表現をしたら、私そ者もがだめな人間だと思い込まれてしまう。そんなことがないように、自己分析をして、自分をしっかり表現したい。

・志望動機が単独のものではないということがすごくわかりました。講師の先生がとても情熱的で、深いお話をしてくださったので、その情熱さを自分も人事担当にぶつければ心に響くのではないかと思えました。就活というすべてのことについてとてもじっくりお話ししてくださったので、心構えと準備と志を大事にやっていきたいです。また、私も面接を楽しめるくらい超強気で就活に取り組んでいきます!

・今までは不景気だし、どこでも就職できればいいやといった考えでした。しかし、今回の公演で、そうゆう考えはやめようと思いました。自分が幸せになれば仕事も楽しくなる。これこそが誇りが持てる仕事だと思います。しっかり準備し、自分に自信を持って勝ち抜きたいです。

・謙虚と自虐は違うということ。今までの私はD動機で生きていました。今も異常なほどネガティブです。でもそれは人生損していると気づきました。先生の話は、精神的にすごく励みになりました。世界観が変わりました。ありがとうございました。

 

学生のみなさん、こちらこそありがとうございました。とてつもなく厳しい就活戦線の真っただ中に突入することになりますが、彼女たちの素晴らしさをそのまま表現できれば必ず勝てる。私はそう確信しています。これからの戦いもできる限りバックアップしていきたいと思います。

 

キャリアアドバイザーが始まります(20100216)

 今日からJ大学のキャリアアドバイザーが始まります。毎週火曜日、午後、学生と面接をして、就職相談を担当することになります。

 昨年から今年にかけて異常ともいえる厳しさを迎えている就職戦線ですが、学生たちに何とか幸せなキャリアをはぐくめるように頑張りたいと思います。

婦人会でコミュニケーション講座を担当しました(20100212)

 先日、神奈川県T市公民館連合婦人会の主宰するコミュニケーション講座を担当しました。概要は以下の通りです。

【連合婦人会コミュニケーション講座】

<ねらい>

  ①コミュニケーションの基盤となる自信と誇りの重要性を学ぶ。

  ②「3人寄れば文殊の知恵」のカギとなる要素を学ぶ。

<時間>PM7:00~9:00(2時間)

<人数>53名

 

 夜の7時から9時という時間帯にもかかわらず、近隣の婦人会の皆さん、スタッフも含めると60名弱の皆さんがお集まりになりました。以前からこうした会合や勉強会に力を注がれているとお聞きしておりましたが、こんなにたくさんの人が、大切な家族団欒の時間帯を押して参加されることには、びっくりしました。地域のコミュニケーションをより良くして、より住みやすい地域にしていこうとされる志と実践には、深く感服いたしました。そんな活動の一環として私どものプログラムを選んでくださったことには、大変光栄に感ずるとともに、感謝しております。

 プログラムは、コミュニケーションの基盤となる自信の重要性についての講義とコンセンサス実習の組み合わせとなりました。昨年同様、受講いただいた皆さんには、真剣な態度で聴講いただき、また実習では、明るくリラックスした楽しい雰囲気の中、対話を楽しみ、実習を通して、聴くことの重要性について学ぶことができました。講座を担当して、私自身短い時間でしたが、とても楽しく、良き仲間と再会できた心境で、充実した時間を共に過ごすことができたと感じております。

 こうした活動を着実に展開されているT市婦人会の皆さんは、本当に素晴らしい方々だと思います。なかなか出来ることではありません。こうした努力を続けれいらっしゃるからこそ、メンバーもこんなに和気あいあいと楽しそうに対話を楽しみ、良きチームとなっているのだと思います。こうした素敵なメンバーが地域にたくさんいらっしゃったら、きっと地域全体も活性化し、より思いやりのある温かい地域となられることでしょう。こうした活動を一生懸命に展開されている地域が日本にあることを知ると、日本もまだ捨てたものではないと感じ入った次第です。

 T市婦人会の皆さん、これからもぜひ頑張ってくださいね。来年もお会いできますこと、楽しみにしております。