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気をもって聴く

(原文)
若一志。
無聴之以耳、而聴之以心。
無聴之以心、而聴之以気。
聴止於耳、心止於符。
気也者虚而待物者也。
唯道集虚。
虚者心斎也。

(読み方)
なんじ志しを一にせよ。
これを聴くに耳を以ってするなく、これを聴くに心を以ってせよ。
これを聴くに心を以ってするなく、これを聴くに気を以ってせよ。
聴くは耳に止まり、心は符に止まる。
気なる者は虚にして物を待つ者なり。
ただ道は虚に集まる。
虚者は心斎なり。

(私の訳)
心を静かに集中しなさい。
耳で聞くのではなく、心で聴きなさい。
心で聴くのではなく、気で聴きなさい。
耳では音しか聴けず、心では気持ちしか聴けない。
気は、虚(空っぽ)であり、あらゆるものを受け入れることができる。
真実は、ただ虚であるときにのみ姿を現す。
虚であることこそが神聖な心をもたらすのである。

素晴らしい会社

「今、世間では成果主義が問題になっているようですが、あんなものは私にしてみればまさに問題外。人は自動車とは違います。評価項目を設定して測れるような存在ではありません。だからおもしろいのです。何が出てくるかはわからない。人とは、まさに無限の可能性を秘めた存在であると私は信じています。また、これまでその信念を裏切られたこともありません。この無限の可能性を秘めた仲間とともに、樹研工業を世界のJUKENにすること──。それが今の私の目標です。」(DISCO Human Resource Plazaより引用
http://www.hrplaza.com/webmagazine/person/13/page01.html)

 この言葉は、愛知県豊橋市に本社がある株式会社樹研(じゅけん)工業の代表取締役、松浦元男氏によるものです。
 樹研工業は、1965年に松本氏によって設立された工業用プラスチック製品製造メーカーで、ミクロ精密部品ではトップクラスの技術を誇り、2002年には、世界最小となる100万分の1グラムの極小歯車を開発し、業界の話題となった会社です。
 現在、従業員約70人で、売上高は約28億円。国内に金型製造など関連会社6社、英国やタイなど8か国・地域に10社を展開しています。

 松浦社長は、独特の経営哲学を持って会社を経営されています。
 「会社は、社員の安心のよりどころ」と言う考え方のもと、人事諸制度は、終身雇用を前提とする信頼関係を重視するものであり、定年はありません。
 商品開発に関しても、社員の発案やアイデアを大切にし、本気で聴き応え、高いリスクがあっても莫大な投資を厭いません。ちなみに、「100万分の1グラムの歯車」の開発について、松浦社長の当初の意向は「100万分の5グラムの歯車」の開発だったのですが、それに逆らって、頑固に「100万分の1グラムをねらうべきだ」と主張して譲らなかったのは、元暴走族の若手社員であり、結局、何億円もの投資をして100万分の1グラムを開発することになったそうです。
 また、採用もユニークであり、「採用してからどうなるかなんて誰にも分からない」ということで、先着順で、来た順に無試験で採用するそうです。時には、金髪にピアスと言った子も入ってくるそうですが、誰もがそれぞれのスピードで一流に育っていくとのことで、入社時は、採用を後悔したような社員も、数年後は天才と思えるような働きをする例がたくさんあるそうです。

 実に気持ちの良い経営であり、何とすばらしい経営者でしょうか!まさに21世紀型の最高の企業と言えるのではないでしょうか。
 このような会社を見ると、世の中も決して捨てたものではないと感じ、うれしくなります。
 樹研工業のご活躍を心からお祈り申し上げます。
 人間を大切にすることを通して、組織パフォーマンスを高めるお手伝いをしようと挑戦している弊社としても、樹研工業さんのマネジメントのあり方からたくさん学び、これからも、注目していきたいと思います。